インドネシアの衛生面:短期滞在で注意すべきリスクと対策

公開
2026/01/29
更新
2026/01/29
この記事は約6分29秒で読めます。

気候や生活習慣、公衆衛生の意識に違いがあるインドネシアでは、日本と同じ感覚で過ごすと、不衛生な環境による健康リスクに直面することがあります。

特に短期滞在では、衛生環境の違いが体調不良につながりやすく、結果として予定変更を招くことがあります。もっとも警戒すべきは下痢や嘔吐などの胃腸トラブルで、他にも蚊が媒介するデング熱、風邪・インフルエンザなどの感染症、大気汚染やカビによる体調不良も想定しておくと安心です。

本記事では、飲食店の選び方を中心に、宿泊施設・移動中の注意点、持参すると役立つ衛生対策グッズまで、短期滞在者が押さえるべきポイントを整理します。

インドネシアでの短期滞在で押さえるべき「衛生面のリスク」

インドネシア滞在中に体調を崩すと、スケジュールの変更やキャンセルが必要になりかねません。忙しいなかでの会議や会食などのキャンセルは、相手方との関係構築の機会損失につながるため、できるだけ避けたいところです。

だからこそ、「起きてから対処」ではなく「起きないように選ぶ・備える」ことが重要です。

衛生面の問題による短期滞在者への主なリスクとしては、胃腸トラブルや感染症(デング熱、かぜ、インフルエンザ、新型コロナなど)が挙げられます。加えて、アレルギー体質の方や皮膚が弱い方は虫刺されや接触性皮膚炎(かぶれ)、呼吸器が弱い方は大気汚染などによる不調にも注意が必要です。

インドネシア進出を検討中ですが、不正確や古い情報が多くて困っています。

毎週水曜日に無料の進出セミナーを開催しています。最新情報だけではなく、進出ノウハウも共有しているので、こちらからお申し込みください。

セミナー参加ではなく、もっと気軽に最新情報を手に入れる方法はないですか?

無料のビジネスニュースレターを配信しているので、こちらからご登録ください。

飲食店・会食の衛生面のリスクと対策

インドネシア短期滞在中の衛生面のリスクの代表格が、飲食関連です。

飲食店選び

飲食関連のリスクを避けるためには、店選びが重要です。

都市部の中高所得者向けショッピングモール内のレストランや高級店、大型チェーン店は、日本人が利用しても問題を感じないことが多いです。可能なら、グーグルマップの写真やレビューを事前に確認しておくと安心です。

一方で、庶民の食堂や屋台(路上テント、荷車の移動販売など)は、ある程度の注意が必要です。特に屋台では、食器を貯めた水で洗っているケースもあります。

道端の荷車でナシゴレンを売る人
道端の荷車でナシゴレン(炒飯)を売る人

持ち帰ってホテルで食べれば不衛生な食器によるリスクは軽減できますが、健康リスクを考慮すれば、短期滞在では避けるのが無難です。

特に衛生面を重視する場合、次のような飲食店を選びましょう。

  • ショッピングモール内のレストランまたは有名店
  • 路面店なら規模があり、外装がきれいな店
  • チェーン飲食店
  • ホコリやハエ対策として、完全屋内(ドアが閉まっていてエアコンがある)の店

生もの(生野菜・生魚・生卵など)

生野菜は、水道水(飲料用でない)で洗っている可能性があるため、できるだけ避けましょう。果物は、自分でむいて食べるものなら比較的安全です。刺身などについては、事前にリサーチして、管理が行き届いた店を選ぶのがおすすめです。

インドネシアでは生ものを食べる文化があまりありません。そのため、庶民の店で提供されるのは、ごく限られた生野菜と半熟卵くらいですが、短期滞在であれば、基本的にはこれらを口にしないのがおすすめです。

また、フライドチキンなどが生煮えの場合もまれにあります。無理に食べず、加熱し直してもらうか交換してもらいましょう。

飲料水(うがい・洗顔も含む)

インドネシアは上下水道の整備が不十分で、水道水は一般に飲用に適しません。飲料水は、ペットボトルのミネラルウォーターが基本です。

庶民の食堂では、沸かした水道水で作ったお茶・コーヒー・氷が出てくる場合もあるので、安全が確認できない場合は、基本的にボトルの飲み物を頼む方が無難です。

さらに、歯磨き・うがい・洗顔用の水もミネラルウォーターを使うと安心です。ホテルでは一人1本のミネラルウォーターが提供されることが多いですが、飲む以外の用途でも使うことを考え、買い足しておくと便利です。

インドネシアのビザ申請に必要な資料を教えてもらえますか?

どのビザを希望されているのかこちらから教えていただけたら、そのビザの取得に必要な資料についてメールでお送りします。

  • LINE

宿泊施設の衛生面のリスクと対策

高級ホテルなら安心

中央ジャカルタの4つ星ホテルの客室
中央ジャカルタの4つ星ホテルの客室

都市部の4つ星以上のホテルであれば、日本のビジネスホテルと比べても衛生面で大きな問題を感じることはあまりありません。ただし、体質(アレルギー等)や施設・部屋によって差があるため、入室時のチェックは有効です。

3つ星くらいのランクでも、特に大手ホテルチェーンのホテルや新しいホテルは比較的安心です。設備に一部不足があったり、備品のマグカップに茶渋が残っていたりはしても、清掃はある程度行き届いていることが多いでしょう。

古いホテルや安宿は念入りに確認

一方で、地方のホテル、古いホテル、安宿は注意が必要です。特に雨季(10月~3月頃)は湿度が高く、細菌やカビが繁殖しやすくなるため、アレルギーがある人や呼吸器・肌が弱い人は影響を受けやすいといえます。

チェックの基本はシンプルです。ホテルで部屋に入ったら、まず以下を確認することをおすすめします。

  • 目立つ汚れやカビがないか(特にバスルームとベッド・枕)
  • エアコンが正常に動くか(異臭・カビ臭・効きの悪さがないか)
  • ゴミの捨て忘れがないか
  • 不快な臭いがしないか

気になる点がある場合は、部屋の移動、設備の交換、清掃の追加などを依頼して構いません。短期滞在では「我慢して体調を崩す」ほうが損失が大きいため、遠慮は禁物です。

インドネシアで利用するホテルや飲食店を選ぶ際のポイントは何ですか?

インドネシアに不慣れな方の短期滞在の場合は、できるだけ高級店・有名店、もしくはチェーン店を選ぶと、よいサービスを受けられ、衛生面でも比較的安心です。グーグルマップなどの投稿写真やレビューも参考になります。

移動中・屋外の衛生面のリスクと対策

蚊(デング熱など)

インドネシアでは、蚊を媒介にしてデング熱に感染することがあります。水たまりなどで蚊が繁殖するため、都市部でも雨季は特に感染者が増えます。また、地域によってはマラリアのリスクもあります。

対策としては、蚊がいそうな場所(木や草が多い場所など)に行くときに、次を徹底するのがおすすめです。

  • 虫よけローション・スプレーを使う
  • 長袖・長ズボンなど肌の露出を減らす服装を選ぶ

都市部のホテルの高層階ではあまり心配する必要はありませんが、万が一、部屋や貸会議室などに蚊が多い場合は、ホテルや施設のスタッフに対応してもらいましょう。

その他の動物(狂犬病、鳥インフルエンザ、媒介感染症)

ジャカルタなど一部の狂犬病フリー地域を除き、インドネシアでは狂犬病のリスクがあると考えて行動した方が安全です。犬だけでなく、猫やサルなどから感染する可能性もあります。

鳥インフルエンザを含め、野生動物を媒介とした感染症にも注意が必要です。地方や動物がいる場所に行く場合には気をつけましょう。

かみ傷・ひっかき傷のほか、糞尿による感染症のリスクもあるため、以下を徹底します。

  • 不用意に動物に触らない、餌をあげない
  • ゴミが多い場所、泥水が多い場所、洪水直後の場所にはできるだけ近づかない

野生動物(都市部では主に野良猫とネズミ)の糞尿、下水道が未整備であること、側溝や河川にゴミを捨てる人が多いことなどから、水たまりなどもあまりきれいではないと考えておいたほうがよいでしょう。

その他の移動中のリスク

インドネシアでも風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などが流行するため、人混みではマスクをするのが無難です。

また、庶民的な商業施設や地方の観光地などでは、トイレが汚れている、トイレットペーパーがない、手洗い場に石けんがないといったことが起こり得ます。ティッシュ、アルコール消毒液・ウェットティッシュ、ハンカチを持ち歩き、手洗いを徹底すると安心です。

加えて、特に乾季には大気汚染が問題になることがあり、呼吸器が弱い方はマスクをするなどして自衛するのがおすすめです。車や訪問先の空調の効きすぎにも注意が必要です。

インドネシアではアルコール消毒液を購入できますか?

インドネシアでも、コンビニなどでアルコール消毒液やアルコール入りウェットティッシュを購入できます。ただし、アルコールフリーの製品も多いため、アルコール入りを選びたい場合はパッケージの表示を確認しましょう。

インドネシア進出の基本がわかる資料3点セット
●インドネシアの基本情報をまとめた資料
●法人設立の概要とフローをまとめた資料
●インドネシア経済の魅力をまとめた資料
1進出ブック
進出ハンドブック
2法人設立フロー
法人設立フロー
3経済の魅力
経済の魅力

インドネシア短期滞在時の衛生面のリスク回避策と対応

インドネシア滞在中の衛生面のリスクを避けるためのポイントをまとめます。

持参するとよいもの

ポケットティッシュ

現地でも買えますが、ある程度持参すると安心です。特に、アレルギー体質などでティッシュの紙質を選ぶ必要がある方は、多めに持参しましょう。

アルコール消毒液 / ウェットティッシュ

手洗いが満足にできないときにあると安心です。ドアノブ、テーブル、食器など、手に触れるものが清潔かどうか気になるときにも使用できます。現地でも購入可能です。

虫除けスプレー(または肌に塗る虫よけローション)

持参の場合は、機内持ち込みができるものを選びましょう。現地でも購入できます。

胃薬などの薬(常備薬一式)

インドネシアのコンビニにも現地製品はありますが、合う・合わないがあるため、常備薬は必ず持参しましょう。風邪薬、アレルギー薬、鎮痛剤、かゆみ止め軟膏などがあると安心です。また、普段お腹を壊さない方も、念のため胃腸薬を持参することをおすすめします。

保険加入と予防接種

海外で医療機関にかかると医療費が高額になる場合があるため、短期滞在の場合は、海外旅行保険への加入がおすすめです。加入の際は、カバーされる内容や金額をよく確認しましょう。

また、中長期の滞在の場合は、現地の民間保険への加入や、渡航前の予防接種(A型肝炎、破傷風、麻しん(はしか)など)も検討する必要があります。

海外旅行保険や予防接種については、以下のページも参照してみてください。

医療機関の受診

医療機関の設備やサービスの質には、地域間、病院間で大きな差があります。大都市であれば、国際的な基準を満たすハイレベルな総合病院や、インターナショナルクリニックもありますが、全体的に、英語または日本語が通じる病院は限られています。

風邪や湿疹など、軽症だが念のため医療機関を受診したいという場合は、現地の人が総合病院へ行く前に受診するクリニック(Klinik Pratama:プライマリークリニック)を受診することもできます。多くの場合、総合診療医が常駐しています。症状が明確なら簡単な英語か翻訳アプリなどである程度対応できるでしょう。

どんなに対策していても体調を崩すことはあります。無理せず体を休めるとともに、現地の信頼できる人に相談しましょう。

インドネシアへ現地視察する際の注意点

「本当は工場を訪問して機械のメンテナンスをすることが目的だけど、ビザ取得が煩雑そうなので、とりあえず到着ビザ(VOA)でこっそりメンテナンスをしよう」と考える方もいます。

ところが、目的に合ったビザを取得しなかったことでトラブルに巻き込まれるケースを多数見聞きしてきたので、適切なビザを申請して訪問することを強くおすすめします。

「なぜバレるのか」という疑問がわくかもしれませんが、その1つとして宿泊施設と入国管理局(イミグレ)との連携があります。インドネシアでは外国人を宿泊・滞在させるときに、宿泊施設がイミグレに報告する義務があります。そこの連携が原因で目的外の活動をした際に、その行為がバレてしまうのです。

ビザの種類と目的はこちら

映像で観るインドネシアの衛生面のリスク

使用前に食器を拭く

使用前に食器を拭く

インドネシアでは現地の人でも、飲食店の衛生面を気にする人が一定数います。

そのためこちらの女性のように、飲食店で食器やカトラリーを使用前にティッシュなどで拭く人も珍しくなく、日本人が現地で同じことをしても特別失礼とは思われないでしょう。

同様に、ホテルの枕(特に飾り枕)やベッドスローが洗われていないことを警戒して避ける人、ホテルのマグカップなどを一度石けんで洗ってから使う人もいるようです。

安宿の衛生状況

安宿の衛生状況

こちらは、西ジャカルタのホテルのレビュー動画です。1泊30万ルピア台(3,000円前後)だそうなので、「安宿」といって差し支えないでしょう。

投稿者によると、コロナ禍前に利用した際にはきれいだったのに、今回(2025年)にはこの状態だったということ。壁はホコリだらけで湿っており、鏡にはカビがびっしり。そのほかにも、故障や汚れが目につきます。

ホテルを選ぶ際は、グーグルマップなどでレビューや投稿写真を確認しておくと安心です。

短期滞在の衛生対策は「店選び」と「持ち物」が重要

インドネシア短期滞在中の衛生環境が原因となるリスクとしては、まず、胃腸トラブルや発熱を伴う感染症が挙げられます。

飲食は、モール内レストランやチェーン店など衛生管理が見込める店を選び、生ものや氷、水道水由来の飲料は慎重に判断しましょう。移動中は蚊対策と手指衛生を徹底すると、リスクを軽減できます。店や飲食物を適切に選ぶことに加え、ティッシュ、消毒液、虫よけなどを携行するのもおすすめです。

体調不良で短期滞在中の大切な予定を変更・キャンセルしなければならない事態に陥らないためにも、ポイントを押さえて上手に対策しましょう。

読後のお願い

弊社で公開している記事の1つ1つは、日本人とインドネシア人のライターと編集者が協力しながら丁寧に1記事ずつ公開しています。弊社からの不躾なお願いになってしまうのですが、是非SNSでこちらの記事をご紹介いただけないでしょうか。一言コメントを添えてシェアしていただけると本当に嬉しいです。

  • LINE
「インドネシア進出のお悩み」
なんでもご相談ください!
法人設立 法人設立
雇用代行 雇用代行
現地視察 現地視察
ビザ申請 ビザ申請
お取引実績
※業種業界問わず数多くのお客様の進出支援/集客支援をサポート。
お急ぎの場合は、お電話の他、LINEやFacebookメッセンジャーでもご相談可
050-1721-9794 平日9~18時
LINE

おすすめのインタビュー記事

  • 【インタビュー】お客さんやスタッフとの綿密なコミュニケーションが成功の鍵。インドネシアで洗車とコーティングを提供する「SENSHA」が歩んだ道のり

    インドネシアで洗車とコーティングを提供するSENSHA INDONESIA・代表取締役の別所陽耶さんへインタビューを実施しました。

  • 【インタビュー】なぜスラバヤで美容サロン?グロースから売却までを経験した、元金融ビジネスマンから見るインドネシアの美容業界

    インドネシアの美容サロン「TOKYO BELLE」のグロースから売却までを手掛けた田口弘樹さんに、美容業界やスラバヤに着目した理由、今後狙っている都市などについてお伺いしました。

すべての記事を見る
LINE WhatsApp