インドネシアのトイレ事情:短期滞在時の注意点と使い方
- 公開
- 2026/01/29
- 更新
- 2026/01/29
- この記事は約7分41秒で読めます。
インドネシアへの短期出張や地方視察で意外と困るのが、「トイレ問題」です。インドネシアのトイレは「紙よりも水で洗う」が基本で、洋式でも便器の脇にシャワーが付いていたり、和式(しゃがみ式)ではバケツの水を手桶ですくって流したりします。
施設の新しさや客層によって清潔度や設備の差も大きく、ゴージャスでピカピカなトイレもあれば、整備や清掃が行き届いていないトイレもあります。
もし現地視察先がジャカルタであれば、ショッピングモールに行くことで見慣れた綺麗なトイレを見かけることができます。一方で、地方への視察であれば今回の記事がきっと役に立つと思います。
本記事では、インドネシアの一般的なトイレ事情やタイプ別の使い方、都市部と地方の違いなど、現場で困らないための注意点をまとめます。
インドネシアのトイレ事情
インドネシアで移動中にトイレを利用したくなった時のために、一般的なトイレ事情を把握しておきましょう。
インドネシアのトイレのタイプ
新しい施設や高級施設、ホテルなどでは洋式が多いものの、全体としては和式(しゃがみ式)が一般的で、特に地方や庶民的な施設では「和式が標準」くらいの感覚でいるのがおすすめです。
なお、大きな施設でトイレが男女別になっている場合、だいたいは日本の公共施設のトイレのように、男性・女性のマークが添えられています。
トイレは一般的に、「Toilet」または「WC」と表記されます。男性は「Pria」、女性は「Wanita」が一般的で、高級施設では英語になっているケースもあります。新しい・高級施設だと、ファミリートイレや身障者向けトイレが併設されていることもあります。
インドネシアのトイレの使い方
インドネシアのトイレは、「紙で拭く」よりも「水で洗う」ことを前提に作られているのが最大の特徴です。便器タイプ別の使い方や洗い方を押さえておきましょう。なお、洋式でも和式でも、トイレットペーパーを便器に流すことはできません。
洋式

見た目は日本の洋式トイレと同じです。トイレを流すためのボタンやレバーは、トイレの上や脇、壁などにあり、いろいろなタイプが混在しています。
多くの場合、便器の脇に「シャワー」が付いていて、それでお尻を洗います。シャワーには、以下のようなタイプがあります。
- ホース先端からシャワーが出るタイプ
- 便器脇のハンドル(バルブ)を回して水を出すタイプ
便座がびしょ濡れになっていることもあるため、ティッシュを余分に持っていると安心です。
和式(しゃがみ式)

和式トイレの場合は、日本のようなレバーではなく、バケツにためた水を手桶ですくって自分で流すタイプが多くなっています。その水は、お尻を洗うのにも使います。ホース先端から水が出る「シャワー」が備え付けられていることもあります。
手桶やシャワーでお尻を洗う方法では、そもそも水を便器の中だけに収めることが難しいこともあり、インドネシアのトイレ、特に和式は、床がびしょびしょで水たまりになっていることも珍しくありません。
「水で洗う」文化の影響
インドネシアのトイレの床に水たまりができる背景には、「水で洗う文化」が影響していると考えられます。
インドネシアの家庭の浴室には「トイレ+シャワー(または手桶)」があるのが一般的だということもあり、公共のトイレでも、水をふんだんに使って床を水浸しにする人もいます。浴室のイメージなので、それでも気にならないのです。

また、「水で体を清めること」が重視されるイスラム教徒が多数派であることや、トイレットペーパーよりも水の方が手に入りやすいことなど、さまざまな事情から、水で洗うことが重視されているようです。
一方で、ジャカルタなどの高級商業施設の洋式トイレでは、床がびしょびしょということはほとんどありません。
そこまで高級ではない、いわゆる庶民的な施設では、飲食店や施設のトイレの壁に 「床を濡らさないで」「ここで水浴びしないで」といった張り紙が貼られていることもあります。
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インドネシアのトイレは洋式ですか、和式ですか?
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インドネシアのトイレは和式が一般的ですが、新しい施設では洋式が主流になっています。洋式トイレでは、ウォシュレットの代わりにシャワーが付いています。
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客層・大都市 / 地方とトイレ事情
大都市・高級施設
ビジネス視察などの短期滞在で一番助かるのは、空港や大きなショッピングモールのトイレです。
たとえば、スカルノ・ハッタ国際空港のような大きな空港や一部のショッピングモールでは、清掃員が常駐し頻繁に掃除していることがあり、清潔度が高い傾向があります。そのため、日本の商業施設と同じかそれ以上に「ぴかぴか」なこともあります。
中所得者向け施設・地方都市 / 郊外
ジャカルタの中高所得者層向けショッピングモール、大きな飲食店、チェーン飲食店は、「ほぼ安心」と考えて差し支えません。あるとしても、「紙がない」、「床が多少濡れている」程度の不足で済むことが多いはずです。
一方、少し庶民的な場所に寄ると、ちょっとした不具合によく遭遇するようになります。たとえば、中所得者向けのショッピングモールやスーパーマーケット、ガソリンスタンド、コンビニ、地元住民向けレジャー施設(プール、動物園、公園など)では、
- 床がびしょびしょ
- ドアの鍵が壊れている
- 水がちょろちょろしか出ない / 勢いが強すぎる
- 荷物を置く場所がない
など、「使えなくはないが、快適でもない」ケースが出てきます。
また、大まかにいえば、地方に行くほど、設備の当たり外れが増えます。地方のバスターミナル、庶民の飲食店、観光地では、
- 黒い汚れが目立つ
- クモの巣がかかっている
- 個室の鍵が壊れている
- トイレが詰まっている
- 屋外で虫がいる
といった事態に遭遇する可能性もあります。
ただし誤解しないでおきたいのは、地方=必ず悲惨、ではないことです。
地方の庶民向け観光地や、開発が進んでいない(あるいは開発中の)地域の観光地のトイレは、施設自体はかなり素朴でも「客が使う前提の最低限の手入れ・掃除はしてある」ことが多い印象です。整備されたトイレを重要視するなら、高級ショッピングモールやチェーンの飲食店に立ち寄りましょう。
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インドネシアのトイレを使う時の注意点
トイレットペーパーは「流せない」
最重要ポイントです。トイレットペーパーは便器に流さず、ゴミ箱に入れましょう。つまりの元になるためです。
なお、インドネシアのトイレでは、前述の通り、個室にトイレットペーパーがないこともよくあります。個室の外に置かれていて、「入る前に取る」スタイルのところもあります。ゴミ箱も、個室にあったりなかったりで、あっても満杯ということもあります。
ただし、繰り返しになりますがジャカルタで現地視察を行い、ショッピングモールや大規模施設を訪れる際は日本のトイレと同じ感覚で使用できることが大半です。
客用トイレがない店もある
インドネシアの飲食店やコンビニについては、「当然トイレがある」と思うと、失敗することがあります。心配な場合は、入店時に「トイレありますか?」と確認するのがおすすめです。
緊急だと伝えれば従業員用を借りられることもありますが、その場合は「きれいなトイレを期待しすぎない」ほうが無難です。
並び方に注意
インドネシア人の一般的なトイレの並び方は、日本人の並び方とは異なります。特にレジャー施設や高速道路のサービスエリアなどでトイレが混んでいる場合、多くの人はトイレの入口ではなく、それぞれの個室の前に並んでいることがよくあります。
都市部の若者はトイレの入口に並ぶことに慣れているようですが、老若男女が集まる場所では各個室前に行列ができていることも多いので、ケースバイケースで対応を決める必要があります。
有料トイレもある
高速道路のサービスエリアやバスのターミナル、観光スポットなどでは、トイレの入口や通路途中に係員がいたり、募金箱のような箱が置かれていたりします。キャッシュレス決済ができるケースもあります。
相場は 2,000~5,000ルピア(多くても数十円)程度で、基本的にはトイレを利用する前に支払います。金額が明確に記載されていることもあれば、書いていないこともあります。
いずれにしても細かいお金がないと対応できないので、インドネシア滞在中は、小銭をいくらか持っておくとスムーズです。
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インドネシアのコンビニにはトイレがありますか?
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インドネシアのコンビニには、買い物客が使えるトイレがあるとは限りません。新しい店舗やイートインスペースが大きな店舗にはトイレが用意されているケースも多いものの、ない店舗もあることに注意が必要です。
インドネシアのトイレを安心して使うためのポイント
短期滞在の日本人がインドネシアのトイレで困った事態に陥ることを避けるための、現実的な準備をまとめます。大げさに装備する必要はありませんが、少しの準備と心構えで、安心して使えるようになります。特に地方へ現地視察に行かれる方に向けてのポイントです。
あると安心の持ち物
ポケットティッシュ
個室にトイレットペーパーがないことを想定しておきましょう。入る前に取るタイプもありますが、自前が確実です。個室にゴミ箱がなかったときのために、ゴミ袋まで用意できると完璧です。
ウェットティッシュ・除菌ジェル
だいたいのトイレに洗面台はありますが、水が弱い、詰まっている、石けんがないなどの不具合はよくあります。念のため、代わりに使えるものを持参するのがおすすめです。ハンドドライヤーやペーパータオルもあるとは限らないので、ハンカチやタオルを持っていると安心です。
細かいお金
有料トイレがあることを念頭に、小額紙幣またはコインを持ち歩きましょう。飲料水など、ちょっとした買い物にも使えて便利です。
服装のポイント
特に地方に出かける予定があるときには、トイレの床が濡れている場合に備えて、裾が床につきにくい服や、滑りにくい靴がおすすめです。
トイレを使う前のチェックポイント
トイレを使う前に、最低限、
- ドアの鍵がかかるか
- 水が出るか(ホース・バルブ・手桶の有無)
を確認しましょう。地方や庶民向け施設の場合は、「ドアが閉まり、水が出ればよし」とします。
もともとついている鍵が壊れていて、別の鍵が後付けされているケースもあります。ドアの鍵が壊れいてほかに選択肢がない場合は、閉めたドアを内側からゴミ箱などで支えつつ、同伴者にドアの前に立って待ってもらうなどする必要があります。
映像で観るインドネシアのトイレ
チェーン飲食店のトイレ

こちらの男性は、ジャカルタと周辺都市を中心に多数の店舗を展開する焼き鳥レストラン「Sate Khas Senayan」のとある店舗のトイレをチェックしています。
鏡、男女のマーク、ドアの鍵、電気、芳香剤、水を流すボタン、ゴミ箱、トイレットペーパー、洗面所の清潔さや使い勝手を確認。総合的に満足のいくクオリティだったようです。男性用の小便器もありました。
トイレの事情を考慮すれば、郊外都市や地方に出かける際は、できるだけ外観がきれいなレストランやカフェか、このようなチェーン飲食店を利用するのがおすすめです。
市長がバスターミナルのトイレをチェック

こちらは、西ジャワ州Bekasi(ブカシ)のバスターミナルを、市長が抜き打ち視察する場面です。このバスターミナルは、スカルノ・ハッタ国際空港発着のシャトルバスも経由するということもあり、市長は動画の冒頭部分で、「いい状態で臭わないトイレでなければいけない」と話しています。
これをご覧の日本人の皆さんは、「壁や床の黒ずみが気になる」と思われるかもしれません。一方、市長によると評価は「まあまあ」で、動画に映っている範囲で文句をつけたのは、「壁の色がオレンジで暗い感じに見える」ところと、「壁の一部がはがれている」ところのみでした。
動画にははっきりと映っていませんが、ここは有料トイレです。市長は最後に係員に向かって、「お金をもらっているのだから、全部自分で持って帰らないで壁の修繕に使いなさい」と、冗談を交えながら助言しています。



インドネシアのトイレを使う際の心構え
インドネシアの都市部で、外国人や富裕層が観光・買い物するエリアのトイレが「特別ひどくて使えない」という状況は、多くありません。
一方で、庶民的な施設や地方では、軽微な故障や衛生のムラが起きやすいといえます。
インドネシアに短期間滞在し、視察や商談などでたくさん移動する場合、避けられないのがトイレ問題。最低限の準備と期待値調整をしておくと、余裕を持って過ごせます。








