インドネシアの対日感情は?日本企業が知るべき印象とマーケティング活用
- 公開
- 2024/08/18
- 更新
- 2026/07/13
- この記事は約7分14秒で読めます。
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インドネシア人は親日ですか?
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インドネシアでは、多くの人が日本に対してポジティブな印象を持っています。外務省の対日世論調査でも、日本への好感度や信頼度は高く、日本は重要なパートナーとして見られています。
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インドネシア人は日本にどのようなイメージを持っていますか?
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日本に対しては、経済力・技術力が高い国、豊かな伝統と文化を持つ国、アニメ・ファッション・料理など新しい文化を発信する国というイメージが強くあります。
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日本企業はインドネシアで受け入れられやすいですか?
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日本企業や日本ブランドは、品質・安全性・信頼感の面で好意的に受け止められやすいと言えます。一方で、価格帯や現地ニーズへの適合が不可欠で、「日本ブランドだから売れる」とは限りません。
「インドネシア人は親日」と言われることがあります。実際に、各種調査では、日本に対する好感度は高いという結果が出ることが多くなっています。
ただし、インドネシア進出を検討する企業にとって本当に重要なのは、「親日国かどうか」だけではありません。日本への好感度が高くても、商品価格が現地の感覚に合わなかったり、SNSでの見せ方が不十分だったりすると、購入につながりにくくなります。
本記事では、データから見えるインドネシア人の日本への印象を整理しながら、日本企業がマーケティングや商品販売で対日感情をどのように活かせるのかを見ていきます。
インドネシアの対日感情は総じてポジティブ

親日と言われることも多いインドネシア。調査結果からも、インドネシアの人々が日本に対してポジティブな印象を持っていることがうかがえます。
外務省の令和7年度海外対日世論調査では、日本に対する全体的な印象について、インドネシア人回答者の65%が「非常に好ましい」、33%が「ある程度好ましい」と答えました。つまり、合計すると98%が日本に対して好意的な印象を持っていることになります。
また、同調査では、インドネシア人回答者の64%が「現在重要なパートナー」として日本を選んでいます。これはASEAN、中国に次ぐ高い水準であり、日本が好感度だけでなく、経済・外交・技術面でも重要な国として見られていることを示しています。
ただし、ここで注意したいのは、対日感情が良いことと、日本の製品やサービスがそのまま売れることは別問題だという点です。
インドネシア市場では、日本への好印象を追い風にしながらも、価格、ハラール(ハラル)対応、ローカライズ、SNSでの見せ方、韓国・中国・ローカルブランドとの競争環境を踏まえたマーケティング設計が必要です。
インドネシア人が日本に持つ主なイメージ
前述の外務省の調査では、インドネシア人が日本に抱くイメージ(複数回答可)として、特に「経済力、技術力の高い国」を選んだ割合が高くなっています。
そのほか、「豊かな伝統と文化を持つ国」、「アニメ、ファッション、料理など新しい文化を発信する国」、「自然の美しい国」、「生活水準の高い国」などの項目が、過半数の回答者に選ばれています。

この結果を見ると、インドネシア人が日本について、技術、文化、生活水準、アニメ・日本食など、複数の面で好意的に見ていることがわかります。
こうした印象は、日本ブランドや日本製品のマーケティングにおいて強みになります。一方で、「日本製品は品質が高いが、価格も高い」という印象を持たれることもあります。特に食品、飲食、化粧品、日用品などのBtoC領域では、価格に敏感な消費者に対し、品質や機能などの価値を理解してもらう必要があります。
インドネシア人消費者に自社商品がどう受け止められるかを確認したい場合は、販売前の調査が有効です。弊社のインドネシア向けアンケート調査サービスでは、現地消費者の反応や価格感覚の把握をサポートしています。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
日本ブランド・日本製品はインドネシアで受け入れられるのか
日本ブランドは、インドネシア市場において一定の信頼感があります。自動車やバイク、家電などの分野では、日本企業が長年にわたり存在感を示してきたこともあり、「壊れにくい」「品質が安定している」「安心して使える」といった印象につながっています。
ただし、日本製品であることだけを訴求しても、現在のインドネシア市場では十分ではありません。韓国ブランドは美容・ファッション・エンタメの文脈で若年層に強く、中国ブランドは高い価格競争力で存在感を高めています。
さらに、近年はローカルブランドの品質やデザインも向上しています。政府やECプラットフォームによるローカル製品購入推進キャンペーンもあって、インドネシアブランド・インドネシア製品を選んで購入する消費者もいます。
そのため、日本企業は「日本ブランドだから売れる」と考えるのではなく、自社の商品カテゴリーごとに、どの「イメージ」が強みになるのかを整理してみることをおすすめします。
インドネシアで自社製品を販売するには、現地の販路やパートナー選定が重要です。ディストリビューター候補の開拓については、インドネシア販路開拓支援サービスをご覧ください。
カジュアルにインドネシア進出を試したIP関連企業様の事例
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、現地のアニメショップやホビーショップ、ECモールを調査。人気キャラクターや価格帯、購買層を分析し、グッズ販売の事業性を確認した上で正式な進出を決定した。
- イベント運営経験のあるインドネシア人を3名チームで雇用し、ショッピングモールや飲食店との商談を実施。アニメとのコラボカフェ開催やポップアップストア出店の実現可能性を検証し、事業化の見通しを固めた。
- 営業マネージャーと営業担当の2名をチームで雇用し、小売店やイベント会社、ライセンシー候補への営業活動を実施。現地法人を設立することなく販売チャネルやパートナー企業を開拓し、本格展開に向けた体制を構築した。
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。IP関連ビジネスであれば、貴社でもそれが可能です。
対日感情をマーケティングに活かすポイント
「イメージ」を「価値」に落とし込む
インドネシア人の対日感情をマーケティングに活かすには、「日本が好き」「日本製品は品質が高い」という印象を、そのまま広告文句にするだけでは不十分です。重要なのは、日本へのイメージを、自社の商品・サービスに合った訴求へ落とし込むことです。
例えば、同じ「日本らしさ」でも、食品・飲食では清潔感や安心感、BtoB製品では技術力や耐久性、IP・エンタメではアニメやファン文化との相性が強みになります。
インドネシアで日本ブランド・日本製品を訴求するポイント
| 分野 | 活かしやすい日本へのイメージ | 訴求の方向性 | 注意点 |
| 食品・飲食 | 清潔・安全、日本食への親しみ、品質 | 安心して食べられる、素材にこだわっている、日本らしい味や体験が楽しめる | ハラール対応、辛味・甘味、価格、立地、現地語での説明 |
| 化粧品・美容 | 品質、安全性、肌へのやさしさ、清潔感 | 肌にやさしい、成分にこだわっている、毎日安心して使える | BPOM登録、ハラール対応、韓国・ローカルブランドとの差別化 |
| IP・エンタメ | アニメ・漫画への親しみ、ファン文化、日本らしさ | 正規品であること、作品の世界観、イベントや限定商品の魅力 | 海賊版対策、価格、ファンコミュニティづくり、販売チャネル |
| 教育・人材 | 丁寧、勤勉、技術力が高い、日本就労への関心 | 仕事への姿勢、キャリア形成、教育品質、フォロー体制 | 給与水準、制度理解、定着支援、文化ギャップへの対応 |
| BtoB製品・設備 | 技術力、耐久性、品質、信頼性 | 長く使える、故障しにくい、精度が高い、導入後も安心できる | 価格に見合う価値の説明、サポート・アフターサービス体制、代理店網 |
| 小売・日用品 | 品質、安心感、機能性、清潔感 | 使いやすい、長持ちする、家族で安心して使える | 容量、パッケージ、価格、販路、現地語表示 |
| 店舗・サービス業 | 丁寧、清潔、安心、接客品質 | 日本式の丁寧な接客、清潔な空間、安心できるサービス | 日本式を押し付けず、現地の習慣やニーズに合わせる |
食品・飲食分野
食品・飲食分野では、日本食への親しみや清潔感を活かしやすい一方で、ハラール対応や現地の味覚への調整が重要です。日本で人気の味をそのまま持ち込むのではなく、辛味・甘味、見た目、価格帯、容量・提供量などを現地消費者に合わせてローカライズする必要があります。
化粧品・美容分野
化粧品・美容分野では、日本製品に対する品質や安全性のイメージを活かせます。ただし、インドネシアでは韓国ブランドやローカルブランドの存在感も強く、「日本製品は品質が良いから売れる」とは限りません。
日本で売れている商品でも、インドネシアの消費者にとって価格が高すぎたり、香りや使用感、使い方が合わなかったりすると、認知を獲得できても購入につながらない可能性があります。BPOM登録、ハラール対応、SNSでの口コミ設計も重要で、考慮すべき要素が多い分野です。
IP・エンタメ分野
IP・エンタメ分野では、特に漫画とアニメがインドネシアで広く親しまれています。漫画・アニメをきっかけに日本を好きになったり、日本語の勉強を始めたりする人も少なくありません。日本のキャラクター、アニメ、漫画、ゲーム、ホビー商材は、特に都市部・若年層に届きやすいと言えます。
一方で、適切な価格設定と販売チャネルの選定、海賊版対策、現地ファンコミュニティとの関係づくりなど、実務面の設計が重要になります。
― ビジネス最前線の声
インドネシアが親日と言われる歴史的背景
インドネシアが親日と言われる理由の一つとして、日本ブランド・日本製品との接点のほかに、インドネシアと日本の歴史的な関わりが挙げられます。
歴史の捉え方は人によって異なり、また世代によっても変わることを念頭に置いたうえで、ここではインドネシアが親日といわれる背景となった両国の歴史について紹介します。
インドネシアの独立と日本
インドネシアと日本の歴史には、複雑な側面があります。第二次世界大戦中、日本はインドネシアを占領しました。
そして日本が連合国に降伏した1945年8月、インドネシアは独立を宣言。これを日本による占領以前の宗主国であるオランダは認めようとせず、1949年12月までインドネシアとオランダによるインドネシア独立戦争が行われました。
この独立戦争の際、インドネシアに留まり、インドネシア人とともに戦った日本兵もいました。彼らの中には、スカルノ大統領(当時)からインドネシア国籍を与えられた人もいます。こうした歴史が、インドネシアで日本に対する好意的な見方が生まれた背景の一つになっています。
戦後の経済協力とインフラ支援
インドネシアの対日感情がポジティブな理由として、戦後の経済発展を支援してきたことも関係しています。
農業や保健、工業などの分野でインドネシア人研修生を日本が受け入れ始めた1954年以降、日本はODA(政府開発援助)などを通して、さまざまな形でインドネシアの経済発展を支援してきました。
例えば、スマトラ縦貫道路、ジャカルタMRT、母子健康手帳、自然環境保全、防災分野など、インドネシアのインフラや社会開発に関わる領域で日本の協力が行われてきました。
こうした経済協力や技術支援は、日本が「信頼できる国」「技術力のある国」「長期的に協力してきた国」と見られる背景になっています。
- 参考:JICA「インドネシアに対する日本の協力の足跡」
「親日国」と言い切れない注意点
インドネシアの対日感情は比較的ポジティブですが、「親日国」と言い切るのは難しい側面もあります。
日本占領の歴史と受け止め方
前述のとおり、インドネシアが親日と言われる理由の一つとして、インドネシアの独立に日本人が関わったことが挙げられます。しかし、それ以前に日本がインドネシアを支配していた歴史があるのも事実で、日本に対して「占領していた国」という印象を持っている人もいます。
また、「オランダ占領時代より、日本占領時代のほうが厳しかった」という声や記録もあり、「日本はオランダからインドネシアを救った国」という位置づけだけでは語れません。どのように歴史を捉えるかで対日感情は変わると言えそうです。
マラリ事件に見る日本企業への反発
1974年1月、インドネシアでマラリ事件と呼ばれる反日暴動が起こりました。これは、田中角栄首相(当時)がインドネシアを訪れた際に起こった事件で、スハルト政権へ不満を持つ国民たちによる「日本企業がインドネシア政府と癒着してインドネシアでビジネスを広げている」という主張が発端となっています。
日本企業や日本車への放火、日系の店舗での窃盗など、規模の大きさは予想を超えるものでした。
マラリ事件ほど大きな反日暴動は、それ以降、現在まで起こっていません。しかし、日本企業が現地社会にどのように受け止められるかは、今でも重要な論点です。
日本企業がインドネシアに進出する際には、現地パートナー、従業員、消費者、地域社会との関係づくりが欠かせません。「日本式が正しい」「日本企業だから信頼される」と考えすぎると、現地側との距離が生まれる可能性があります。
「接点」によるイメージの違い
インドネシア人の対日感情は比較的ポジティブですが、日本をどのような切り口で見ているかは人によって異なります。
例えば、都市部や比較的所得の高い層、若年層では、アニメ、漫画、ゲーム、日本食などを通じて日本に親しみを持つ人もいます。一方で、中高年層や地方在住者では、歴史や過去の日本企業進出の記憶が印象に影響することもあります。
近年は、特定技能制度などを利用して日本で働くインドネシア人が増えていることもあり、日本社会や労働環境に関するニュースに関心を持つ層もいます。日本での就労経験や身近な人から聞いた話が、対日感情に影響するケースもあるでしょう。
インドネシアで日本の商品・サービスを展開する際は、インドネシアを「親日国」と一括りにして考えるのではなく、ターゲット層が日本とどのような接点を持っているかを見ることが重要です。
日本への好印象をインドネシア進出に活かす
インドネシアでは、対日感情は総じてポジティブです。日本ブランドや日本製品に対して、好意的なイメージを持つ人は少なくありません。
しかし、インドネシア市場で成功するには、その好印象を過信しないことが重要です。「日本らしさ」を押し出すだけでなく、現地消費者にとって価値があることを理解してもらう必要があります。
大切なのは、適切な価格設定と、それに見合う品質の商品・サービスを提供できることです。加えて、ハラール対応、現地の好みやニーズへの適合、適切な販売チャネルの選定、競合ブランドとの差別化、SNSなどを活用したプロモーションまで含めて設計することが重要です。
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