ジャカルタ、渋滞がひどい都市ランキング2024で世界ワースト7位に
- 公開
- 2025/12/23
- 更新
- 2026/01/01
- この記事は約4分52秒で読めます。
世界各地で問題になっている都市部の大渋滞。インドネシアの首都ジャカルタも、渋滞に長年苦しむ都市の一つです。2024年の渋滞ランキングで世界ワースト7位にランクインし、改めてその深刻さが浮き彫りとなりました
はじめに
近年、東南アジア諸国では経済発展に伴い、自動車の保有台数が増加しています。インドネシアの首都ジャカルタも例外ではなく、交通渋滞が日常的な課題となっています。この記事ではジャカルタの渋滞事情について、最新のデータと動画を交えて紹介します。
数字でみるジャカルタの渋滞
時速20㎞が常態化する渋滞世界7位のジャカルタ
アメリカの交通データ分析会社INRIXが発表した「Global Traffic Scorecard 2024」によると、ジャカルタは「世界で最も渋滞がひどい都市」ランキングで第7位になりました。
INRIXの調査結果では、ジャカルタのドライバーは渋滞により、1年間で平均89時間(前年比37%増)を失っています。INRIXによると、ジャカルタ中心部における平均走行速度は時速約20kmにすぎません。しばしば「歩いたほうが速い」と感じる人も多いことでしょう。
ランキング1位はトルコのイスタンブールで、ドライバーが浪費している時間は年間105時間とされています。2位はニューヨーク、3位はシカゴでした。
2024年版 INRIX「世界で最も渋滞がひどい都市」トップ10
- イスタンブール(トルコ)
- ニューヨーク(アメリカ)
- シカゴ(アメリカ)
- メキシコシティ(メキシコ)
- ロンドン(イギリス)
- パリ(フランス)
- ジャカルタ(インドネシア)
- ロサンゼルス(アメリカ)
- ケープタウン(南アフリカ)
- ブリスベン(オーストラリア)
「Global Traffic Scorecard 2024」は、世界中の946の都市圏を対象にさまざまな交通情報を分析してまとめられています。この2024年版スコアカードでは、都市の主要エリアへの移動時間、最も利用されるルート、ラッシュアワーと非ラッシュアワーの違いなどを考慮した最新の分析手法が用いられています。
- 参考:CNBC Indonesia「Makin Parah! Jakarta Jadi Kota Termacet No. 7 di Dunia」
1年に108時間を渋滞で浪費するジャカルタ
道路渋滞に関する別の調査結果を紹介します。
ナビゲーション機器メーカーのTomTomが発表した世界の渋滞状況に関するレポート「TomTom Traffic Index 2024」では、バンドンが世界第12位、インドネシアではトップになりました。なお日本の都市では、6位に京都、11位に熊本が入っています。人口80万人以上の都市に限定すると、バンドンは世界10位になります。
人口800万人以上の都市ではインドネシアのトップはやはりジャカルタで、世界第10位です。日本の都市では、東京が8位、大阪が12位となっています。
2024年版 TomTom「世界で最も渋滞がひどい人口800万人以上の大都市」トップ10
- バンガロール(インド)
- ロンドン(イギリス)
- メキシコシティ(メキシコ)
- ニューヨーク(アメリカ)
- ブエノスアイレス(アルゼンチン)
- ムンバイ(インド)
- パリ(フランス)
- 東京(日本)
- サンパウロ(ブラジル)
- ジャカルタ(インドネシア)
この調査は62か国500都市を、平均走行時間および混雑度※に基づいてランク付けしています。インドネシアの上位5都市は、以下の通りです。
【補足】
「TomTom Traffic Index 2024」の「混雑度」は、渋滞のない状態で運転する場合と比較し、実際に通行するために要する平均追加時間(失われる時間)の割合を表しています。
- バンドン:10kmあたりの平均走行時間32分37秒、混雑度48%
- メダン:10kmあたりの平均走行時間32分3秒、混雑度40%
- パレンバン:10kmあたりの平均走行時間27分55秒、混雑度41%
- スラバヤ:10kmあたりの平均走行時間26分59秒、混雑度31%
- ジャカルタ:10kmあたりの平均走行時間25分31秒、混雑度43%
この調査では、ジャカルタのドライバーが1年間に浪費する時間は108時間と算出されています。
- 参考:TomTom「TomTom traffic index Ranking 2024」
ジャカルタの渋滞の主な要因としては、人口と自動車(私有車)の急増、そして交通インフラの整備の遅れが挙げられます。また、ドライバーの規範意識の低さ、効果的な交通規制の欠如、複雑な形の交差点、多数の建設プロジェクトとそれらが周辺道路に与える影響への対策不足なども影響しています。
エリアによっては、路上駐車や客待ちをする路線シェアタクシー「Angkot(アンコット)」が渋滞の原因になっていることもあります。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
映像でみるジャカルタの渋滞
ジャカルタの帰宅ラッシュ渋滞

この映像は、南ジャカルタのSemanggi(セマンギ)インターチェンジの夜の様子です。Semanggiはビジネス街Sudirman(スディルマン)と隣接しており、現地在住の日本人にとってなじみ深いエリア。クローバー(インドネシア語でSemanggi)形の道路に囲まれたSemanggiインターチェンジは、このあたりでは特に混雑することで知られます。
高層ビルのあかりとカーライト、公園の緑が美しい映像ですが、一刻も早く帰りたいときにこの渋滞には捕まりたくないものです。
渋滞を引き起こす交通違反

こちらの映像に映っている右側のレーンは、路線バスTrans Jakarta(トランスジャカルタ)専用レーンです。バス専用のはずが、バスとバスの間にトラックが挟まっており、列の先頭では、トラック1台とバイク1台が警察官に止められています。
ここで映像の最初に戻ってみてください。先頭に警察がいるのを察知したのか、逆走するバイクが確認できます。
ジャカルタにおいて、このような交通ルール違反は日常茶飯事です。
道路の左端の車線ではないスペースを走り抜ける車、逆走したり歩道を走行したりするバイク。ジグザグ走行、路上駐車、信号無視や踏切警報音無視。ドライバーのモラルの低さが、余計な渋滞を引き起こしていることが指摘されています。もちろん、事故の元にもなります。
渋滞都市の汚名返上へ、打つ手は
ジャカルタの道路渋滞は長年の課題です。インドネシア政府は高速道路や鉄道の建設、ナンバープレートの奇数偶数規制など、色々な対策を試してきました。しかし近年は自動車を所有する人が増えたこともあり、対策がまったく追い付いていない印象を受けます。
ある程度の道路渋滞は、その地域の経済活動が活発であり、人口が増え、また、自家用車を持つ余裕のある層が厚くなっている証ともいえます。しかしジャカルタのような度を越した慢性的な渋滞は、市民生活や経済活動に大きな負の影響を与えます。
インドネシア政府やジャカルタ州政府は今後も渋滞対策と銘打って色々なことを試すでしょう。その一つひとつがどのように作用するのかを、市民もしっかりとみていく必要がありそうです。
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