インドネシアの「希望の家族プログラム(PKH)」に登録する高齢者は15.8%

公開
2025/12/29
更新
2026/06/20
この記事は約3分42秒で読めます。

まだまだ若い国である一方、確実に高齢化が進んでいるインドネシア。長生きできるのは素晴らしいことですが、貧困や健康不安など、高齢者にはいろいろな悩みが付きまといます。

【補足】
本記事の円表記は、2024年11月20日のレート(1ルピア=0.0098円)で換算したものです。

はじめに

インドネシア政府は、貧困世帯や高齢者向けに、様々な社会保障制度を設けています。

例えば、国民健康保障制度(JKN)に加入するための保険料を支払えない場合、政府が代わりに負担する制度や、現金給付、食事支援などがあります。

本記事ではその中の現金給付プログラム 「希望の家族プログラム(Program Keluarga Harapan:PKH)」を取り上げながら、高齢者の貧困率や政府による支援について紹介します。

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数字でみるインドネシアの高齢者向け社会保障制度

「希望の家族プログラム(PKH)」、高齢者の受給率15.8%

インドネシア政府による高齢者向けの社会保障制度の1つが、 「希望の家族プログラム(Program Keluarga Harapan:PKH)」です。

厳密には高齢者専用ではなく、経済的に厳しい世帯向けの現金給付プログラムですが、高齢者(60歳以上)がいる世帯の受給率は高く、2023年時点で都市部では13%、農村部では19.3%です。全体では、2019年の10.8%から5%上昇し、15.8%となっています。

PKHを受給する高齢者のいる世帯の割合

PKHの受給者として登録された高齢者は毎月、240万ルピア(2万3,440円)の支援を受けます。受給者の増加は、貧困層が増加したためではなく、地方政府の関係者が積極的にアプローチすることで、もともと必要だった人が支援にアクセスできるようになってきた結果とみられています。

コロナ禍で一時期11%台になっていた高齢者のいる世帯の貧困率は、2022年から2023年にかけて低下し、2023年には10.4%になりました。インドネシア政府は、2024年にはこれを10%未満にすることを目標としています。

孤立した高齢者や経済的に困窮する高齢者向け社会保障プログラムには、このほか、困難を抱える高齢者に総合的な支援を提供する「高齢者社会復帰支援(ATENSI LU)」、1日2食の食事支援を提供する「高齢者向け食事プログラム(Permakanan Lansia)」、主に米などの食材を提供する「生活必需品プログラム(Program Sembako)」などがあります。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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映像でみるインドネシアの高齢者向け社会保障制度

高齢者向け現金給付「PKH Plus」

インドネシア東ジャワ州の高齢者向け現金給付「PKH Plus」

前述のとおり、PKHは全貧困世帯を対象とした現金給付プログラムですが、東ジャワ州はこれとは別に、高齢者専用のPKH Plusを設けています。

このPKH Plusでは、登録された高齢者に、東ジャワ州営銀行(Bank Jatim)を通し、年間200万ルピア(1万9,540円)を3~4回に分けて支給します。動画では給付日に集まった高齢者が、それぞれ50万ルピア(4,880円)を受け取っています。

高齢者の日を祝う保健所のイベント

高齢者の日を祝う保健所のイベント

経済的な支援に加え、インドネシア政府は高齢者の健康をサポートするプログラムを強化しています。地域によっては、県や市が設置する保健所(Puskesmas)が、積極的に健康診断やカウンセリングなどの支援を行っています。

こちらの動画は2024年5月、東ジャワ州Blitar県で全国高齢者の日に合わせて開催されたイベントの様子です。

このイベントは、保健所職員や村、区の幹部などによる高齢者向け統合サービス(posyandu lansia)の一環で実施されました。この日集まった55名の高齢者たちは、指圧施術や健康診断を受け、体操をしたり、エンターテインメントショーを見たりして過ごしました。

保健所やposyandu lansiaの活動内容は地域によって異なるものの、高齢者に対するサポートを積極的に提供するところも多くなっています。

カジュアルにインドネシア進出を試した人材紹介会社様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用してリサーチチームを作り、バンドンでのLPKの調査や大学との連携可能性を確認。事業化の見通しが立った段階で正式な進出を決定した。
  • 過去に語学学校や職業訓練校に勤めていたインドネシア人を3名チームで雇用し、インドネシアにおける送り出し拠点の設立可能性を調査。調査後にその3名を中心に拠点を設立した。
  • 営業マネージャーと営業マンの2名のインドネシア人をチームで雇用し、多数のLPKやP3MIに営業して、法人を作らずに人材の送り出しを安定的に供給できる体制を構築した。

上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。人材関連のビジネスであれば、貴社でもそれが可能です。

高齢者向け社会保障制度の整備が進むインドネシア

インドネシアでは高齢化、高齢社会を見据え、高齢者向けの社会保障制度の整備が進んでいます。

上述のPosyanduはもともと、1984年にスタートした妊婦や乳幼児のためのサポート制度です。家族計画から健康な妊娠、出産をサポートし、子どもの身体測定や予防接種履歴の管理などを行います。

高齢者向けのposyandu lansiaは2010年に始まり、定期的な健康診断やカウンセリングを行っています。インドネシア保健省は45歳以上を対象に「高齢者健康手帳」を配布し、定期的な健康診断や健康管理を促しています。

もともとあった制度のリニューアルや新制度の創設も続いており、これまで地域や家族、親戚に頼っていた高齢者の健康で安心な生活の維持を、政府がどのように支援していくかを模索している段階といえます。

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