ノミニー(名義代理人)で設立したインドネシア内資法人のリスクマネジメント
- 公開
- 2025/02/24
- 更新
- 2026/06/23
- この記事は約5分55秒で読めます。
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インドネシアでノミニーを使って内資法人を設立することはできますか?
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実務上、インドネシア人に名義を借りて内資法人を設立するケースはあります。ただし、法律上の株主はインドネシア人となるため、日本企業が会社を実質的に管理するには、契約・口座管理・経営体制の設計が非常に重要です。
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ノミニーを使った内資法人で最も大きなリスクは何ですか?
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最も大きなリスクは、株主名義人に会社・口座・資産を実質的に握られることです。特に、ノミニーが経営情報や法人口座、固定資産の状況まで把握している場合、会社の乗っ取りや資金流出のリスクが高まります。
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ノミニー設立と外資法人設立のどちらを選ぶべきですか?
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小資本で試せる事業であればノミニーを使った内資法人が選択肢になる場合もあります。一方、土地・工場・設備・在庫など大きな資産を持つ事業では、リスクが高くなるため、外資法人を含めた設計を慎重に検討する必要があります。
インドネシアでの外資法人設立は資本金のハードルが高いため、知人・友人のインドネシア人に名義を借りて内資法人を設立することは珍しくありません。
しかし、内資法人の場合、株主はインドネシア人となります。日本企業は1%も株式を所有できません。これにより、最悪のケースとして会社を乗っ取られるリスクが生じます。
今回はそのリスクを未然に防ぐためにどのような打ち手があるのか、どのように会社を運営すればリスクを軽減できるのかについて説明していきます。
ノミニー(名義代理人)との契約
内資法人として会社を設立する以上、法律上、会社は株主(インドネシア人)のものとなります。実態としてマネジメントを行っているのが御社の日本法人であったとしても、です。
そのため、「会社は株主のものではあるが、実際に資本金や事業運営費用を我々が負担しており、この会社は我々のものだ」という約束をノミニーと取り決めます。
この取り決める際の契約書の内容については、ローカルの信頼できる弁護士事務所や日系企業でノミニーのサービスを提供している会社に相談することをおすすめします。
なお、弊社にお問い合わせいただければ、この記事で紹介する内容以上のアドバイスも可能です。お気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちらから。
経営のリスクマネジメント
ノミニー(名義代理人)を活用した内資法人の運営には、向いているケースと向いていないケースがあります。その見極めを行うことで、リスクを最大限に減らすことができます。
大きく分けて以下の2点が重要です。これらを参考に、御社がインドネシアでノミニー(名義代理人)を利用すべきかどうかを検討してください。
ノミニー(名義代理人)と経営との分断
インドネシア人に株主になってもらうケースで多いのは、知人や友人、あるいは以前日本本社に勤めていたインドネシア人に株主になってもらうパターンです。人間関係が近いため、信頼できると考えて株主に選ぶというのがその理由です。
その上で、株主だけでなく、取締役として経営にも参画してもらい、インドネシア側の事業を全て任せるケースもあります。
このパターンでは、インドネシア人の株主が会社の収益状況や法人口座の資金、固定資産の内容まで把握できてしまいます。経営情報が把握されると、この後に紹介する問題が発生するリスクが高まります。よって、株主として名前を借りるインドネシア人には経営情報を共有しないことが推奨されます。
経営情報を共有せず、毎月の報酬として名義貸しの費用を支払うだけの関係が良い関係性だと言えます。
小資本で試せるビジネスモデルの選定
インドネシアで事業を展開する際、ビジネスが大規模な投資を必要とするか、それとも少資本で試せるかは重要な要素です。
例えば、大きな土地を借りてビジネスを展開する場合、インドネシア人株主から見るとその土地は魅力的に見え、会社を乗っ取って権利を所有したいという気持ちが働く可能性があります。
同様に、大規模な工場を設立して多くの従業員を雇い、機械設備を導入するようなビジネスも、インドネシア人株主にとっては大きな利益を得られる資産に見えることがあります。そのため、このようなビジネスモデルではリスクが高くなる可能性があることを念頭に置くべきです。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
法人口座のリスクマネジメント
設立した内資法人において最も守るべき資産の一つは、法人口座に保管されている現金です。株主であるインドネシア人がその現金を引き出すのは容易であり、これを防ぐための方法をいくつかご紹介します。
法人口座作成時に日本人取締役の署名登録
法人口座を開設する際、株主の情報だけでなく取締役の情報も銀行に登録できます。このメリットは、インドネシア人株主が口座からお金を引き出す際、最初に登録した取締役全員の情報がなければ引き出しができなくなる点です。
よって、日本の本社社員を取締役に任命すれば、法人口座の引き出しを制限することができます。ただし、外国人を雇用できる法人を作るためには、資本金が50万や100万円などでは不十分です。
外国人を雇用できる内資法人を設立したい場合は、弊社にご相談ください。お問い合わせはこちらです。
ATMから引き出しができない口座の作成
法人口座開設時に、ATMからの引き出しができないタイプの口座を作成することも可能です。この口座であれば、インドネシア人株主がATMを利用して資金を勝手に引き出すリスクを避けることができます。
ネットバンク用のハードトークンの回収
インドネシアの法人口座でもネットバンキング機能が提供されます。ネットバンキングを利用する際、作業用と承認用のハードトークンを分けて作成できます。
承認用のハードトークンは、日本本社の経理部門が保管し、送金作業は本社のハードトークンなしでは行えない体制を整えることが重要です。
法人口座の複数作成
法人口座は1つだけでなく、複数作成し、それぞれに役割を持たせることをおすすめします。口座を複数持つことでリスク分散が可能となります。入金用、出金用と分けて作る方法もあります。
カジュアルにインドネシア進出を試した企業様の事例
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用してリサーチチームを作り、バンドンでのLPKの調査や大学との連携可能性を確認。事業化の見通しが立った段階で正式な進出を決定した。
- 営業経験のあるインドネシア人を2名チームで雇用し、スポーツジムや病院、リハビリ施設などへの営業活動を実施。販売代理店候補の開拓や市場ニーズを調査し、調査後に販売体制を構築した。
- 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。インドネシア向けのビジネスとして、貴社でもそれが可能です。
お金のリスクマネジメント
内資法人の安定的な経営を維持するためには、法人口座を適切に管理するだけでなく、キャッシュの扱いについてもリスクマネジメントが必要です。ポイントは、インドネシア側に多額のキャッシュを置かず、多額のキャッシュを使わないことが重要です。
法人口座の預貯金
インドネシアで営業を続ける中で売上が増えていけば、法人口座に現金が溜まっていきます。このキャッシュをインドネシアの法人口座に置いたままにしておかず、日本本社に定期的に国際送金することが大切です。
送金には手数料や税金がかかるため、送金の頻度については検討が必要ですが、一定期間内に国際送金を行うルールを設けることをおすすめします。
DGTの申請をする
インドネシアから日本へ国際送金を行うと税金がかかります。これを最小限に抑える方法として、DGT申請があります。DGT申請の「DGT」とは、インドネシアの国税総局(General Department of Taxation)の略称です。
DGT申請とは、インドネシア法人が非居住者や外国法人と租税条約を適用させるためにインドネシアの国税総局(DGT)へ行う申請のことをいい、インドネシアと非居住者や外国法人で協力しながら手続きを進めることが必要です。
固定資産に大きな投資しない
大規模な土地や工場への投資は、インドネシア人株主がその事実を知ったときに会社を乗っ取りたいと考えてしまうきっかけになる可能性があります。そのため、固定資産に対しての大きな投資を避け、そういった大きな投資をどうしても必要とするビジネスモデルには外資法人を検討することをおすすめします。
― ビジネス最前線の声
ノミニー(名義代理人)とのリスクマネジメント
ノミニーを利用しての内資法人で、インドネシア市場に参入される企業様において、インドネシア人から名義を借りられた時点で安心してしまい、その後のコミュニケーションやケアをおろそかにする人は少なくありません。
ノミニーも人なので、どのように自分自身が扱われているか、評価されているか、大事だと思われているかによって行動が変わってきます。もともと非常に危うい枠組みの中で内資法人を作っているので、その点に関しては充分すぎるほど気をつける必要があります。
適切な契約書を巻く
ノミニーはインドネシアの会社法で原則禁止されています。したがって、それに代わる契約書をどう作成して締結するかは非常に重要な問題です。契約書作成に関しては、インドネシアの弁護士事務所に相談することをおすすめします。
報酬を適宜見直す
インドネシア人から名義を借りる際には、月々の報酬を決めることが一般的です。しかし、報酬額が最初に決めた金額のままで何年も変更されない場合、インドネシア人の不満が蓄積し、最悪の場合、会社を乗っ取られるリスクが高くなります。
定期的にコミュニケーションを取る
報酬額やその他の不満を把握するために、定期的にコミュニケーションを取ることが重要です。これにより、インドネシア人株主が会社に何か大きな問題がないかどうかを把握できます。そういった意味で、会社は順調に経営できているという情報共有だけは怠らずにやりましょう。
その他のリスクマネジメント
ノミニーを活用した内資法人のリスクマネジメントは以上です。しかし、文書では表現できないリスクマネジメント方法が他にも存在します。
インドネシア市場への参入を決めた際には、まず弊社までお気軽にご相談ください。セカンドオピニオンとして、御社がインドネシア市場でやりたいことと、その手段が本当に一致しているのかを確認します。また、その手段を選ぶ過程で適切なプロセスや意思決定が行われているかについてもアドバイスさせていただきます。
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