インドネシアでビールは販売できる?飲食店が知っておきたい価格やライセンスの話

公開
2026/08/06
更新
2026/08/10
この記事は約6分37秒で読めます。
最も多いお悩みと回答

インドネシアの飲食店でビールを販売できますか?

はい。必要な許可を取得し、地域のルールに従えば、飲食店でビールを提供できます。ただし、酒類販売に関する規制や営業地域、店舗形態などを事前に確認する必要があります。

インドネシアでは、飲食店でビールを販売するにはライセンスが必要ですか?

はい。ビールなどの酒類を店内で提供する場合は、酒類のカテゴリーに応じた販売許可が必要です。申請方法や必要書類は地域や事業内容によって異なる場合があるため、出店前の確認が欠かせません。

インドネシアでビールを提供する飲食店はハラール認証を取得できませんか?

飲食店としてハラール認証を取得したい場合、アルコール飲料の提供は大きな障害となります。ビールを扱うか、ハラール認証を優先するかは、想定する客層や店舗コンセプトを踏まえて判断する必要があります。

飲食店の開業準備を相談する

イスラム教徒が多いインドネシアでも、ビールは身近な存在です。ただし、飲食店がビールをメニューに加えるかどうかは、慎重に判断する必要があります。日本人や外国人を主な顧客とする居酒屋・レストランではビールが重要な商品になる一方、店舗の立地やターゲットによっては、アルコールを扱わないことが集客上のメリットになる場合もあります。

また、国内製造品と輸入品では価格や仕入れやすさに差があり、日本と同じ感覚で品揃えを考えると想定以上にコストがかかることもあります。

本記事では、インドネシアでよく飲まれているビールや価格帯、提供されている店舗、必要なライセンス、仕入れ・提供方法まで、飲食店の出店前に押さえておきたい実務的なポイントを解説します。

【補足】
円表記は、2026年8月10日のレート(1ルピア=0.0089円)で換算したものです。

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インドネシアのビール、実はこんなに身近

インドネシアには国産の大手ビールメーカーがいくつか存在し、流通量の多い代表的な銘柄としてはBintang(ビンタン)とBali Hai(バリハイ)が挙げられます。

また、ハイネケンやギネス、サンミゲールといった海外ブランドも、ライセンス契約のもとインドネシア国内で製造されています。

飲食店で目にする機会が多いのは、ビンタン、バリハイ、ハイネケンの3銘柄。さらに次点で一つ加えるならギネス、といったところでしょう。

近年はバリ島を中心にインドネシア産のクラフトビールを製造する醸造所も増えており、味わいの評価も年々高まっているようです。

品質にこだわる店舗であれば、こうした銘柄をメニューに加えるのも一案かもしれません。

インドネシア経済の魅力について

ビールはどこで飲める・買えるのか

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購入できる場所

まず小売店では、大型スーパーマーケット、日系スーパーマーケット、酒屋、ECサイト(購入には年齢証明が必要)などで購入することができます。ビンタン、バリハイなど主要なローカルビール(320ml缶)の価格は、3万ルピア(約267円)前後です。

ビールを提供する飲食店

日系居酒屋や欧米風のレストラン、ミュージッククラブにはほぼ間違いなくビールが置いてあります。

カフェでは基本的に扱っていないことが多いものの、稀に例外もあります。例えばジャカルタの多くのショッピングモールに出店している「The People’s Cafe」では、ビールを提供していることが多くなっています。

また、バタック料理を提供する「Lapo」と呼ばれる食堂でもビールが置いてあることがあります。バタック人はキリスト教徒が多く、ビールや豚肉もタブーではないためです。

華僑系の方々をターゲットとする中華料理店やレストランでも、たいていビールが置いてあります。

加えて、意外に見落とされがちですが、ファミリーカラオケでもビールを扱っている店舗は少なくありません。例えばカラオケチェーンの草分け的存在であるInul Vistaでは基本的にビールが置いてあり、タワージョッキで注文できる店舗もあります。

ビールはどこでも飲めるわけではない

このように並べると、ビールを飲める場所は一見多いように感じられるかもしれません。

しかし、狙ってお店を選ばないとビールにありつけない、というのが実情です。

日本のように「とりあえずどこかの店に入ればビールがある」という感覚とは大きく異なる点は、留意しておく必要があるでしょう。

ビールを扱うべきかどうかは、出店エリアや想定する客層によっても変わります。現地の店舗や競合の状況を実際に確認したい方は、インドネシア現地視察支援サービスの詳細をこちらからご覧ください。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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価格帯の目安

ジャカルタの飲食店では、ビンタンビールがグラス一杯3万5,000ルピア程度(約315円)から提供されています。一方、ホテルやスカイバーなど特別なロケーションでは10万ルピア(約900円)を超える場合もあり、価格は店によってまちまちと言えます。

国産銘柄や、ハイネケンのようにライセンス契約のもとインドネシア国内で製造されている銘柄については、日本の価格と大きな差はなく、日本より安い場合もあります。

純粋な輸入品となると、インドネシアの酒類関税の影響を強く受けるため、割高になる傾向があります。日本から輸入されるビールには関税が課されるほか、アルコール度数に応じた物品税も加算される仕組みになっています。

取扱数量も限られるため、輸入ビールの選択肢は日本ほど豊富ではありません。

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アルコールライセンスとハラール認証

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アルコールライセンス

また、インドネシアでは、2013年大統領令第74号に基づき、酒類の流通・販売が管理されています。

ホテルやレストラン、バーなど、店内で飲用に供する業態については、地方政府(州・県・市)が発行する「酒類直接販売許可証(Surat Keterangan Penjual Langsung Minuman Beralkohol、通称SKPL)」の取得が必要とされており、アルコール度数のカテゴリーに応じてSKPL-A、SKPL-B、SKPL-Cのいずれかが必要になります。

商業省の情報によれば、ビールが該当するカテゴリーAのSKPL-Aは、事業許認可システム「OSS」を通じて申請することができます。ただし、実際の審査基準や必要書類は地域によって異なる場合があるため、出店を検討される際は、物件が所在する地域の管轄当局に個別に確認する必要があります。

ハラール認証

インドネシアでは、アルコール飲料など、非ハラール(ハラル)原料を使用する製品はハラール認証義務の対象外ですが、非ハラールである旨を表示する必要があります。

ハラール認証はメニュー全体を対象とする仕組みであるため、アルコールを提供する飲食店は、原則、ハラール認証の取得対象から外れることになります。したがって、お酒の提供を経営の軸に据えるのでなければ、あえてビールをメニューに加えず、ハラール認証の取得を優先して幅広い客層を呼び込める店にするという選択肢も十分にあり得ます。

酒類販売に必要な手続きは、店舗所在地や事業内容によって確認事項が異なります。取得すべき許認可や出店までの進め方を整理したい方は、こちらから弊社までお問い合わせください。

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仕入れと提供方法

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ビールの仕入れ

ビールの仕入れは、酒屋やサプライヤーを通じて行うのが一般的です。

当然のことですが、自身で海外から持ち込んだものなど、正規の輸入・流通手続きを経ていないビールを店舗で販売することはできません。

生ビールサーバー事情

ビールの提供方法についても、日本とインドネシアでは事情が異なります。

日本では、サプライヤーからサーバー用のタンクを仕入れ、ビールサーバーを設置して生ビールを提供するスタイルの飲食店もありますが、インドネシアではこうした仕組みはあまり一般的ではありません。

サーバー式で生ビールを提供する店舗も存在はしますが、本当に数えるほどしかないというのが実感で、SCBDやMenteng(メンテン)、Kemang(クマン)のような高級エリアに入れ替わり立ち替わり登場する印象です。

したがって、よほど大型の投資をして「ジャカルタのビール提供スタイルに一石を投じる」というくらいの意気込みがない限りは、通常のボトル販売、もしくはボトルからグラスに注いで提供するスタイルを選択するのが無難と言えるでしょう。

実際、このスタイルが一般的であるため、現地の消費者もまったく気にしていない様子で、缶でそのまま提供されることも珍しくありません。

店タイプ別に見る「出てくるビール」の違い

店舗のタイプによって、提供されているビールの銘柄にも一定の傾向が見られます。

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日系飲食店

日系の飲食店では、ビンタン、バリハイ、ハイネケンが定番です。

加えて、アサヒビールやサッポロビールなど日系ブランドを扱う店舗も少なくありません。ただし、日本の価格と比べて2〜3割ほど高くなる傾向があります。

欧米系 / 多国籍料理店

欧米系の飲食店でも、ビンタン、バリハイ、ハイネケンが中心となる点は同様です。

店舗のコンセプトによっては、関連する国のビールを取り扱っていることもあります。例えばドイツ料理店であればPaulaner、タイ料理店であればSinghaといった具合です。

バー / ビールバー

インドネシアのバーでは、ビールよりもウイスキーを好んで飲む方が少なくありません。それもあって、バーだからといってビールの選択肢が一気に増えるわけではありません。

ビールバーと呼ばれる、ビールをコンセプトにしたバーでは、国産の珍しい銘柄や輸入ビールを取り揃えていることもあります。とはいえ、インドネシアでお酒をたしなむ方々の感覚では、アルコール度数の低いビールに高いお金をかけることを「もったいない」と捉える向きもあるようで、ビールバー自体がそこまでポピュラーな存在とは言えません。

ビール販売は店舗コンセプトと許認可の確認から

「インドネシアはムスリム人口が多いため、ビールなどのアルコールを扱うのは難しいのではないか」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実際には正しい知識と準備さえあれば、日系飲食店にとっても十分に商機のある領域と言えるでしょう。

出店にあたっては、どの店舗タイプであればビール提供が受け入れられやすいか、ライセンス取得の見通しはどうか、仕入れ先の確保はどうするか、といった点を事前に整理しておくことが成功の鍵となります。

特にビールサーバーのような大型投資を伴う提供スタイルについては、慎重な見極めが必要でしょう。

弊社のように現地視察やライセンス取得の支援を行っている会社を活用いただくことで、こうした準備をスムーズに進めることも可能です。インドネシアでのビジネス展開をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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