インドネシアのスタートアップの現状と注目企業
- 公開
- 2025/11/04
- 更新
- 2025/11/06
- この記事は約4分23秒で読めます。
近年、インドネシアではデジタル経済の拡大に伴い、スタートアップの数が急増しています。
政府による支援プログラムや投資環境の整備が進む中、教育、医療、物流、金融など多様な分野で革新的なサービスが次々と誕生しています。特にジャカルタを中心に、社会課題の解決を目指すテクノロジー系スタートアップが台頭し、国際的な注目を集める企業も増えています。
本記事では、インドネシアのスタートアップ市場の現状と政府による支援策、そして国内外で評価を得ている注目企業を紹介します。
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インドネシア経済の魅力
インドネシアのスタートアップ
スタートアップ数世界6位
世界中のスタートアップを数値化してランク付けするプラットフォーム「Startup Ranking」のデータによると、インドネシアには3,187社のスタートアップがあります(2025年11月時点)。この数は、世界第6位、東南アジアでは第1位です。
現状ではインドネシア発のスタートアップの多くがジャカルタに拠点を置いていますが、インターネットインフラの普及などにより、地方都市を拠点とする企業も増えています。
- 参考:Startup RANKING「Global Startup Rankings by Country」
インドネシアの主なスタートアップ
「Startup Ranking」によるインドネシア国内のスタートアップランキング(2025年)に基づき、現在評価の高いスタートアップを紹介します。
Ruangguru(ルアン・グル)
- Webサイト:https://www.ruangguru.com/
2014年設立のRuangguruは、インドネシア最大級の教育テクノロジー企業です。30万人の講師が100科目以上をカバーし、2,200万人以上が利用しています。オンライン授業、動画学習、試験プラットフォーム、個別指導マーケットなど多彩な学習サービスを提供するほか、地方政府とも提携し、教育格差の是正を目指し、さまざまな事業を展開しています。
Alodokter(アロドクター)
- Webサイト:https://www.alodokter.com/
Alodokterも2014年設立で、月間3,000万人以上のアクティブユーザーと8万人超の医師が登録する、インドネシア最大級のデジタル医療プラットフォームです。健康情報の発信、医師とのチャット、診療予約、健康記事、医療保険、医薬品販売など包括的な機能を展開しています。
AlodokterのサービスはWebとアプリで提供され、全国からアクセス可能。インターネットが使えれば、だれでも手軽に質の高い医療サービスを利用できます。
Mojok.co(モジョック)
- Webサイト:https://mojok.co/
Mojok.coは、社会・政治・宗教・ポップカルチャーをユーモラスかつ批評的に扱う、若年層に人気のオンラインメディアです。公式編集チームのほか、一般読者や寄稿者によるエッセイ、特集、コラムなど、多様な視点の記事を掲載しています。
記事だけでなく、YouTube動画やSNS用のイラストも制作しており、Instagram、Facebook、TikTokなど複数のプラットフォームで積極的に発信しています。
Jakarta Notebook(ジャカルタノートブック)
1999年設立のJakarta Notebookは、2003年からオンライン販売を開始。現在はインドネシア最大級のIT機器ECサイトになっています。ユニークかつ豊富な品揃えが魅力で、ノートPC、タブレット、カメラ、ネットワーク機器、ガジェットを中心に、おもちゃや日用品、健康・美容製品など、幅広い製品を低価格で提供しています。
Dicoding(ディコディング)
- Webサイト:https://www.dicoding.com/
Dicodingは、インドネシアのデジタル人材育成を目的とする教育テクノロジープラットフォームです。「教育を通じてインドネシアのデジタル化を加速させる」ことをミッションに掲げ、プログラミング、AI、クラウド、モバイル開発などの分野で実践的な学習カリキュラムを提供。世界水準のスキルを持つ人材を育成しています。
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インドネシアのエドテックRuangguruは、他国に進出していますか。
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Ruangguruは2019年から2020年にかけて、ベトナムとタイに進出しました。
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インドネシア政府のスタートアップ支援
デジタルインフラの整備や人材育成を急ぐインドネシア政府は、近年、以下のようなプログラムを創設し、テクノロジーおよびIT系を中心にスタートアップへの支援を強化しています。
Startup Studio Indonesia(スタートアップ・スタジオ・インドネシア)
通信・デジタル省(旧通信情報省)が主導するビジネスアクセラレーションプログラム。アーリーステージのスタートアップを対象に、製品と市場のマッチングを支援します。事業拡大に向けたメンタリング、専門家による戦略指導、関係者とのネットワーク構築の機会を提供し、持続的な成長を促進します。
1000 Startup Digital(1000 デジタル・スタートアップ)
通信・デジタル省による全国的な起業家育成プログラム。社会課題の解決に資する1,000のデジタルスタートアップ輩出を目指しています。参加者は、アイデア創出から製品化までの段階で、専門家による教育・メンタリング・ネットワーク構築支援を受け、起業に必要なスキルを体系的に習得できます。
Next Indonesian Unicorns(ネクスト・インドネシア・ユニコーンズ)
世界市場で通用する「次なるユニコーン企業」を生み出すことを目的とした、通信・デジタル省によるスタートアップ投資促進プログラム。グローバル展開を目指す有望なスタートアップと国内外の投資家をマッチングし、資金調達や事業提携を支援します。
Startup4Industry(スタートアップ・フォー・インダストリー)
工業省が2018年に開始した産業連携型プログラム。製造業や社会の課題を解決できる技術系スタートアップの育成を目的としています。企業や自治体とスタートアップをつなぎ、現場ニーズに即した技術導入や共同開発を推進。成果発表・展示・マッチングの場「Startup4Industry Mart」も運営しています。
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インドネシアにはどのようなユニコーン企業がありますか。
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インドネシアでは約10社のユニコーン企業が誕生しており(2025年時点)、オンライン旅行プラットフォーム「Traveloka」、Eコマース物流・宅配サービスを手掛ける「J&T Express」、デジタルウォレット・決済プラットフォーム「DANA」、カフェチェーン「Kopi Kenangan」などがあります(推定含む)。
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インドネシア経済の魅力やメリットが簡単に把握できる動画はないでしょうか?
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映像で観るインドネシアのスタートアップ
Jakarta Notebookの実店舗

Jakarta Notebookの特徴の一つが、主要都市に実店舗を構えている点です。実店舗には、Toko(店)と、オンライン購入商品の受け取り拠点「Pick N Go」の2種類があります。
こちらの動画は、ジャカルタに隣接する南タンゲラン市にあるTokoの様子。店舗に設置されたパソコンから注文して少し待つと、カウンターから商品が出てきました。
Dicodingがポリテクニックとコラボ

Dicodingは2025年10月、IBMが提供する無料の教育プログラム「IBM SkillsBuild」とのコラボにより、バンドン国立ポリテクニックにて、「Pijak」プログラムを開始。グランドローンチイベントには、100名以上の学生が出席しました。
このプログラムに参加する学生は、産業界の実務家からAI分野について集中的に学び、実際のプロジェクトに携わる機会を得られます。
Dicodingはこのように、政府機関やグローバル企業と積極的に連携し、次世代のデジタル人材育成を進めています。
質と量を担保しスタートアップ大国へ
教育・医療・金融など、アクセス機会の格差が深刻な分野をはじめ、インドネシアでは多様な分野で新たなビジネスモデルが次々と生まれています。国内の社会課題の解決に取り組みつつ、多国籍企業との協業や国際市場への進出を進めるスタートアップも増えています。
世界第6位のスタートアップ数を誇るインドネシアは、今後、量だけでなく質でも評価される「スタートアップ大国」へと発展していくことが期待されます。その実現には、インフラ整備や人材育成に加え、官民連携によるエコシステムの強化が重要となるでしょう。
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