インドネシアの成長企業の現状と注目企業
- 公開
- 2025/11/07
- 更新
- 2026/06/20
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インドネシアでは近年、経済の多角化とデジタル化の進展を背景に、国内外で注目を集める成長企業が次々に誕生しています。金融、物流、飲食、教育、医療などの分野で革新的なサービスを展開する企業が市場をけん引し、ユニコーン企業を含むスタートアップも数多く登場しています。
人口ボーナスによる消費拡大や政府の投資促進策も追い風となり、インドネシアは東南アジアで最もダイナミックな成長市場の一つに位置づけられています。本記事ではスタートアップを中心に、成長著しい注目企業を紹介します。
インドネシアの成長企業
インドネシアのスタートアップとユニコーン
世界中のスタートアップを数値化してランク付けするプラットフォーム「Startup Ranking」のデータによると、2025年7月時点で、インドネシアには3,187社のスタートアップがあります。また、ユニコーン企業は約10社あります(推定含む)。
インドネシアのユニコーン企業
- Traveloka(トラベロカ):オンライン旅行予約プラットフォーム
- J&T Express(ジェーアンドティー・エクスプレス):全国に展開する宅配・物流サービス企業
- Akulaku(アクラク):分割払いやデジタル融資を提供するフィンテック企業
- Ajaib(アジャイブ):若年層向け株式・投資アプリを運営する証券系フィンテック企業
- DANA(ダナ):電子ウォレットを中心とした決済プラットフォーム
- Xendit(ゼンディット):オンライン決済や送金APIを提供する決済インフラ企業
- Kopi Kenangan(コピ・クナンガン):国内外で急成長中のテイクアウト型コーヒーチェーン
- eFishery(イーフィッシャリー):IoTを活用した水産養殖管理・餌自動給餌システムのスタートアップ
インドネシアの注目成長企業
インドネシアで著しく成長している注目企業を紹介します。
GoTo(ゴト)
- Webサイト:https://www.gotocompany.com/
GoToは、インドネシア最大のデジタルエコシステムを構築する企業です。2021年、配車サービスのGojek(ゴジェック)とECプラットフォームのTokopedia(トコペディア)が合併して誕生。EC、モビリティ、配送、決済、金融サービスなどを一体的に提供し、誰もがデジタル経済に参加できる環境づくりを目指しています。
Kopi Kenangan(コピ・クナンガン)
- Webサイト:https://kopikenangan.com/
Kopi Kenanganは、インドネシア全土で急成長中のコーヒーチェーンです。2017年に創業し、オンラインとオフラインを組み合わせた「Grab & Go」方式で効率的な販売を実現。2025年時点で64都市に約900店舗を展開しています。
手軽さと品質の両立を強みとし、2021年には東南アジアで初めてユニコーン認定を受けた飲料ブランドとなりました。マレーシア、シンガポールなど海外への進出も進めています。
DANA(ダナ)
- Webサイト:https://www.dana.id/
DANAは、インドネシアのフィンテック企業として包括的なデジタル金融サービスを提供しています。ユーザーはDANAアプリを通じて、送金、オンラインショッピング、加盟店でのキャッシュレス決済などをシームレスに実行可能です。残高チャージや携帯クレジット購入、投資といった機能も備え、個人の利便性と金融包摂を高めています。
Ajaib(アジャイブ)
- Webサイト:https://ajaib.co.id/
Ajaibは、株式・ETF・投資信託を1つのアプリで簡単に取引できる投資プラットフォームです。2019年に設立され、インドネシア初の完全オンライン株式ブローカーとして注目を集めました。
ソフトバンクやYコンビネータなど世界的投資家の支援を受け、現在300万人以上のユーザーに国内外の株式、投資信託、債券、暗号資産へのアクセスを提供しています。東南アジアで最速のフィンテック投資ユニコーンとして、若年層の投資文化を牽引しています。
J&T Express(ジェーアンドティー・エクスプレス)
- Webサイト:https://www.jtexpress.com/en
J&T Expressは、ECの発展を背景に急成長を続けるグローバル物流企業です。2015年の設立以来、「顧客中心主義と効率重視」を掲げ、インテリジェントなインフラとデジタル物流ネットワークを活用した、迅速で信頼性の高い配送サービスを展開。現在は東南アジア、中東、南米など13か国で事業を展開しています。
- 参考:
Startup RANKING「Global Startup Rankings by Country」
StartupBlink「The Startup Ecosystem of Indonesia」
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インドネシアのGoToはユニコーン企業ですか。
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ユニコーン企業とは「評価額が10億ドル以上」「設立10年以内」「非上場」のスタートアップ企業を指します。合併してGoToとなった配車サービスのGojekとECプラットフォームのTokopediaはどちらもユニコーン企業でしたが、GoToは2022年4月にインドネシア証券取引所に上場したことで「元ユニコーン企業」となりました。
インドネシアの主な成長産業
インドネシアでは近年、スマートフォンの普及、デジタルネイティブ層の増加、地方部でのインターネットインフラの整備拡大などにより、デジタル技術を駆使したスタートアップが増えています。特に多くの成長企業が活躍し、大きな発展を遂げている分野の例を紹介します。
金融 / フィンテック
- 主なプレーヤー:GoTo、OVO、Ajaib、Akulaku、Xendit、DANA、Investreeなど
インドネシアでは、電子マネー、融資、投資・資産運用、B2B向け決済システムなどを手掛けるフィンテック分野が急成長しています。これにより、モバイル決済や個人間送金などが、銀行口座を持たない層にも浸透しています。企業にとってもフィンテックは新たな顧客接点を生む重要分野となっており、スタートアップの参入が相次いでいます。
医療・健康 / ヘルステック
- 主なプレーヤー:Halodoc、Alodokter、KlikDokterなど
医療・健康関連の事業は、ポストコロナ期に入っても高い成長を維持しています。健康志向の高まりで医療産業市場が拡大しており、医療機器製造や製薬分野の伸びも堅調です。これに伴い、オンライン診療アプリや健康管理アプリなどデジタルサービスも拡大傾向にあります。
輸送・物流サービス
- 主なプレーヤー:J&T Express、SiCepat、Waresix、Shipperなど
輸送・物流セクターの高い成長率の背景には、EC市場の拡大と輸出入の回復、さらには人々の移動需要の増加があります。特に「ラストマイル配送」や即日配送など、迅速な物流サービスへの需要が急増しています。倉庫業や配送インフラへの投資も進み、オンラインショッピングと連動した物流網の効率化が急ピッチで進められています。
飲食 / F&Bテック
- 主なプレーヤー: Kopi Kenangan、Warung Pintar、Haus!など
インフレや高い失業率により中間層の拡大が鈍化するなかでも、インドネシアの飲食産業は力強く成長を続けています。特にカフェやコーヒースタンドのブームが続いており、新店舗オープンや新規参入の話題には事欠きません。オンライン注文や宅配サービスの普及も進み、テクノロジーと結びついた「F&Bテック」への関心も高まっています。
その他の注目分野
農業・水産業 / アグリテック(AgriTech)
農業・水産業はインドネシア経済の基盤であり、スマート灌漑やIoTを活用した農業技術の導入によって生産性が向上しています。主要輸出品も堅調で、政府は農業のデジタル化を支援しています。
環境 / グリーンテック(GreenTech)
環境意識の高まりとともに、リサイクルやエコ包装といった環境配慮型ビジネスが拡大しています。環境対応は企業のブランド価値や信頼性の向上にも直結しており、グリーンテックは今後の持続可能な成長分野として注目されています。
教育 / エドテック(EdTech)
オンライン教育やリスキリング需要の高まりを背景に、教育分野のデジタル化も急速に進んでいます。特に地方や遠隔地での教育へのアクセス改善において、エドテック企業が果たす役割は大きく、動画授業やAI学習支援ツールの導入が拡大中です。
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インドネシアで人気のデジタルウォレットは何ですか。
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2024年の各種調査によると、インドネシアでユーザー数の多いデジタルウォレット1位はGojekのGoPayで、2位と3位はDANAかOVOです。4位はECプラットフォームShopeeのShopeePayとなっています。
- 参考:
JUBELIO BLOG「Survei Dompet Digital Paling Favorit di Indonesia [2025]」
inilah.com「Data: 10 Aplikasi E-Wallet Terpopuler di Indonesia」
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映像でみるインドネシアの成長企業
Kopi Kenanganの新ブランド

こちらの動画で紹介されているのは、Kopi Kenanganが2023年にオープンさせた、新ブランド「Kenangan Signature」の店舗です。
テイクアウトに重点を置き、小規模でシンプル、カウンターのみの店舗も多い従来のKopi Kenanganに対し、こちらは広々とした空間と上品で明るい内装が特徴です。
また、安さ・手軽さが魅力のKopi Kenanganに比べると、Kenangan Signatureのコーヒーメニューの価格は2倍以上。豊富なティーメニュー、ペストリー、サンドイッチ、ナシゴレン(インドネシアのチャーハン)やスパゲッティなどの食事メニューも揃う、高級志向のカフェになっています。
Kenangan Signatureはジャカルタから地方都市にも広がり、2025年1月時点で12店舗まで増えています(系列ブランドKenangan Heritageを含む)。
DANAの移動サポート車

DANAは2025年6月、「Posko Bantuan Keliling(移動サポート拠点)」を導入しました。これは、車両で各地を巡回し、デジタル取引の安全性に関する教育と、顧客に対する直接的な支援を行うサービスです。
移動サポートは、首都圏をはじめ、西ジャワ、東ジャワ、北スマトラ、南スマトラなど全国16都市を巡回。アプリを定期的に更新すること、パスワードを適切に保護すること、詐欺検知機能「Scam Checker」の利用などを呼び掛けています。
また、拠点に足を運べない人のために、Instagram、TikTok、DANAアプリ上でライブ配信も実施し、ユーザーの質問や悩みにリアルタイムで答えています。
DANAは移動サポートプログラムを通じて、対面で5万人、オンラインで100万人の利用者を支援することを目標としています。
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成長企業からみるインドネシア経済の未来
多様な分野で事業を拡大するインドネシアの成長企業は、デジタル技術と市場ニーズを結びつけながら、新しい経済のかたちを築いています。国内需要の拡大に加え、アジア各国への進出も活発化しており、インドネシア発のブランドやサービスが国境を越えて評価される時代が到来しました。
経済発展や人口増加を背景に、今後も新しい成長企業が次々に登場するでしょう。インドネシア経済の未来を映す鏡として、これらの企業の動向から目が離せません。
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