インドネシアのブリッジングビザの対象者・対象ケース・注意点
- 公開
- 2025/12/04
- 更新
- 2026/09/15
- この記事は約4分27秒で読めます。
インドネシアで在留手続きを進める外国人にとって、滞在許可の更新や種類変更は避けて通れない重要なプロセスです。しかし実務では、申請から承認までに時間がかかり、既存の滞在許可の期限が先に切れてしまうケースが少なくありません。そのため、一度出国して再入国する「ビザラン」が必要になることもありました。
こうした課題を解消するために導入されたのが、「移行滞在許可(ブリッジングビザ)」です。この制度を活用すれば、滞在許可を切り替える際、インドネシア国内に滞在したまま手続きを継続できます。
本記事では、インドネシアのブリッジングビザの対象者、利用できるケース、注意点などを紹介します。
インドネシアへ現地視察する際の注意点
「本当は工場を訪問して機械のメンテナンスをすることが目的だけど、ビザ取得が煩雑そうなので、とりあえず到着ビザ(VOA)でこっそりメンテナンスをしよう」と考える方もいます。
ところが、目的に合ったビザを取得しなかったことでトラブルに巻き込まれるケースを多数見聞きしてきたので、適切なビザを申請して訪問することを強くおすすめします。
「なぜバレるのか」という疑問がわくかもしれませんが、その1つとして宿泊施設と入国管理局(イミグレ)との連携があります。インドネシアでは外国人を宿泊・滞在させるときに、宿泊施設がイミグレに報告する義務があります。そこの連携が原因で目的外の活動をした際に、その行為がバレてしまうのです。
インドネシアのブリッジングビザとは
2024年に導入されたブリッジングビザ(Bridging Visa)は、正確には移行滞在許可(Izin Tinggal Peralihan)という名称の、インドネシアの滞在許可の一種です。
ブリッジングビザ導入の経緯
インドネシアで長期滞在を希望する外国人が、所持している滞在許可の種類を切り替える場合、申請から承認までに想定以上に時間がかかる場合があります。既存の滞在許可の有効期限が切れると、従来は、いったん国外へ出国してから再入国して手続きを続ける必要がありました。
また、新しい滞在許可が旧許可の期限切れ後に承認された場合、たとえ申請が完了していたとしてもオーバーステイの扱いとなって罰金を科される場合があり、外国人にとって大きなリスクとなっていました。
こうした状況を改善するため、インドネシア政府は法務人権省規則2024年第11号を通じて、ブリッジングビザを導入しました。
ブリッジングビザの特徴・対象
ブリッジングビザは、既存の滞在許可(VOA / ITAS(KITAS) / ITAP(KITAP))が失効してから新しい許可が承認されるまでの移行期間を埋めるための、暫定的な滞在許可です。有効期間は60日間で、延長はできません。インドネシア国内にいる申請者のみが利用できる点も特徴です。
これにより、滞在許可移行期間中のインドネシア滞在を合法的に保証し、オーバーステイの罰則を回避しつつ、手続きの連続性を保つことができます。
対象者は、到着ビザ(VOA)※、一時滞在許可(ITAS)、定住許可(ITAP)のいずれかを所持し、インドネシア国内に滞在している外国人です。別の種類の滞在許可へ切り替える手続き中に、旧許可の期限が切れてしまう可能性がある場合、移行期間をつなぐためにブリッジングビザを申請します。
たとえば、就労ITASから配偶者ITASへの変更、就労ITASのスポンサー企業変更、ITASからITAPへの変更、ITAS / ITAPからゴールデンビザ(投資家ビザ)への変更などのケースが想定されます。また、「VOAから就労ITAS」のように制度上は原則認められない滞在許可への切り替えを希望する際にも、ブリッジングビザが使えるケースがあります。
【補足】
VOA:VOA(Visa on Arrival、到着ビザ)で入国した際には訪問滞在許可(ITK)が自動的に付与されるため、滞在許可扱いになっています。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
インドネシアのブリッジングビザでできること・できないこと
インドネシアで新しく導入されたブリッジングビザでは、どのような活動が許可・禁止されているのかをまとめます。
ブリッジングビザでできること
- 観光に関連する活動
- 友人・家族の訪問
- VOA / KITAS / KITAP から他の種類の滞在許可への変更手続き
ブリッジングビザでできないこと
- 有償の就労
- インドネシアを出国・再入国すること
- 滞在許可の有効期限後の滞在
ブリッジングビザは滞在許可なので、観光や友人・家族訪問は通常通り可能です。一方で、あくまで「滞在の空白期間を埋めるための許可」であるため、有効な就労ビザがない場合、就労は認められません。
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ブリッジングビザでインドネシアに入国できますか。
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ブリッジングビザは出国した時点で無効になるため、再入国はできません。
ブリッジングビザの費用
| INDEX | 目的 | 滞在期間 | 取得日数目安 | 料金 |
|---|---|---|---|---|
| ブリッジングビザ | 滞在許可の切り替え | 60日 | 約15営業日 | 20,000円 |
※招待元企業(機関)が申請用のビザアカウントを保有していない場合、新規アカウントの作成に約2週間程度かかります。
※インドネシア側のビザ申請・承認プロセスの所要日数には、インドネシアの祝祭日が影響する場合があります。
【補足】
ブリッジングビザを取得し、次の滞在許可を申請するには、ブリッジングビザの有効期間が30日以上残っていることが条件となるケースがあります。ブリッジングビザを取得できたら、すぐに次の滞在許可の申請を始めると安心です。
インドネシアのブリッジングビザの申請方法
ブリッジングビザは、既存の滞在許可の期限が切れる3日前までに申請し、期限切れまでに料金を支払う必要があります。申請はインドネシア入国管理局の公式eVisaサイトから行います。
【必要書類】
- 有効なパスポート
- 最新のカラー写真
- 有効なE-ITK(VOA) / E-ITAS(KITAS) / E-ITAP(KITAP)
- 記入済みの誓約書
- スポンサーの身分証明書(KTP)※スポンサーがいる場合
申請者はすでにインドネシア国内に滞在している必要があり、国外からの申請や、ビザ失効後の申請は受け付けられません。
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インドネシアのブリッジングビザは申請から発行まで何日かかりますか。
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インドネシアのブリッジングビザは申請後5営業日程度で発行されるとされていますが、eVisaサイトを使用するのが初めての場合は、アカウント登録が必要です。また、書類に不備があるなどして申請が差し戻される可能性もあるため、早めの申請をおすすめします。
― ビジネス最前線の声
インドネシアのブリッジングビザの注意点
有効期間内に手続きする
ブリッジングビザを利用するうえで特に重要な点は、60日間の有効期間内に新しい滞在許可の手続きを完了させる必要があるという点です。加えて前述のとおり、有効期間が30日以上残っていることが求められるケースもあります。
ブリッジングビザは延長できないため、手続きが遅れると、滞在資格が途切れるなどトラブルにつながる可能性があります。
ブリッジングビザは出入国・就労不可の「一時的な滞在許可」
ブリッジングビザを利用してインドネシアを出入国することはできないため、手続き中は日本への一時帰国や海外出張などはできません。
また、ブリッジングビザは一時的な滞在を許可するものであり、就労許可を伴うものではありません。たとえ新しい滞在許可の申請中であっても、正式な許可が発給されるまで有償の労働は行えません。
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ブリッジングビザを取得しましたが、新しいビザに切り替える前に急遽日本へ一時帰国する必要が出てきました。一時帰国することで、ブリッジングビザが失効されることは理解しましたが、何か罰則金のようなものはありますか。
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特に罰則金などはありません。ただし、弊社の過去の経験談として、イミグレに確認した際に「空港で罰則金を支払う必要がある 」と回答した担当者が複数名いましたが、実際には空港などで罰則金を支払うことはありませんでした。
お客様の声
映像でみるインドネシアのブリッジングビザ
ブリッジングビザに関する説明会

こちらの動画は、西ジャワ州Depok(デポック)市の入国管理局事務所が主催したブリッジングビザに関する説明会の様子を紹介するものです。説明会には、同事務所の管轄区域内に所在する企業や大学の代表者が参加。参加者は申請方法や実務上の注意点を、講師から直接学びました。
説明会では、ブリッジングビザの制度の趣旨や運用方法に加え、ゴールデンビザとの関連性についても解説されました。
入国管理局は、企業や大学などを対象としたこのような説明会を国内各地で開催しています。
「賢い外国人になる方法」

こちらは、「how to become a pro foreigner in Indonesia」つまり、「インドネシアで賢い(スマートな)外国人になる方法」と題された動画です。外国人の男性が現地の生活にしっかりと馴染んでいる様子が、
「Buleはスラングを使える」
「Buleは手でご飯を食べられる」
「Buleは噂話ができる」
「Buleはダンドゥット(インドネシアの大衆音楽)を踊れる」
「Buleはコーヒーを飲んでリラックスできる」
という言葉とともに映し出されます。
そして最後には「Bule bisa buat eVisa sendiri(Buleは自分でビザを作れる)」という言葉が表示され、スマホ1本でどこでもビザや滞在許可を申請できる入国管理局の公式Webサイト「eVisa」が紹介されます。
なお、「Bule」とは外国人(特に白人)を意味します。
正確なスケジュール管理で安全なインドネシア滞在を
ブリッジングビザ(移行滞在許可)は、インドネシアの滞在許可を切り替える際に生じる「空白期間」を埋めるために導入された、実務的かつ重要な制度です。
到着ビザ由来のITK、ITAS(KITAS)、ITAP(KITAP)のいずれかを保有する外国人が、新しい滞在許可の承認を待つ間に旧許可の期限が切れてしまう場合、この許可を取得することで最大60日間合法的に滞在を続けられます。
ただし、出国・再入国は不可で、就労も認められないため、利用には正確なスケジュール管理が求められます。長期滞在者や企業担当者は、この制度を理解しておくことで手続き上のリスクを大幅に減らすことができます。
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