インドネシアの外国人従業員雇用計画書(RPTKA)とは?目的と注意点を解説
- 公開
- 2025/11/23
- 更新
- 2025/12/13
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インドネシアで外国人を雇用する企業にとって、外国人従業員雇用計画書(RPTKA)の提出は、最も重要な手続きの一つです。外国人は「特定の職務」「特定の期間」に限って就労が認められるため、企業は雇用前に必ずRPTKAを作成し、政府の承認を受ける必要があります。
RPTKAは、外国人の役職、給与、契約期間、インドネシア人への知識移転計画などが詳細に記載され、就労ビザ取得の前提となる重要書類です。制度の理解不足は行政処分や罰金のリスクにもつながるため、最新の規則や運用を把握することが不可欠です。
外国人従業員雇用計画書(RPTKA)とは
RPTKA(Rencana Penggunaan Tenaga Kerja Asing)は、企業が外国人労働者(TKA)を雇用する際に作成・提出する「外国人従業員雇用計画書」です。
インドネシアの法律では、外国人は「特定の職務」に「特定の期間」に限って配置されることになっています。RPTKAは企業が外国人を雇用する際、この規定に則っていることを示すためのものです。
RPTKAの目的・用途
RPTKAは、外国人の役職、給与水準、契約期間などを記載する計画書であり、就労ビザを発給し外国人従業員を雇うための必須条件となっています。RPTKAの作成・提出には、以下のような目的があります。
- 外国人労働者の役職、給与、契約期間の明確化
- 外国人を雇用する正当性の証明
- 外国人が従事できる業務範囲の裏付け
RPTKAが承認されると、就労ビザ発給のプロセスが開始されます。
RPTKAの種類
RPTKAには、以下の4つの種類があります。
- 一時的な業務向けRPTKA
- 6か月を超える業務向けRPTKA
- 非DKPTKA(補償基金免除)のRPTKA
‐政府機関、外国公館、国際機関、社会団体、宗教団体、および教育機関における特定職務のために外国人を雇用するためのRPTKA - 特別経済区(KEK)向けRPTKA
「一時的な業務向けRPTKA」は6か月までの短期就労者向けで、延長はできません。「6か月を超える業務向けRPTKA」および「非DKPTKAのRPTKA」は最長2年間、「KEK向けRPTKA」は最長5年間付与され、延長が可能です。延長申請は、期限が切れる前に行います。
また、KEK向けRPTKAのうち取締役または監査役に関するものは、一度付与されると、その外国人が当該役職に在任する限り有効です。
RPTKAの申請義務者
RPTKAの申請義務者は、外国人労働者を採用または雇用し、インドネシアで事業を行うすべての企業です。内資系企業でも外資系企業でも、RPTKAがない状態で外国人を雇用することは禁止されています。また、企業は「Pemberi Kerja TKA(外国人雇用者)」として、外国人の労働活動を管理する責任を負います。
RPTKAの対象と対象外
RPTKAの対象となるのは、就労ビザ(E23またはE24 )を取得しインドネシアで就労する外国人労働者(TKA)です。一方、対象とならない者については、以下のように規定されています。
- 一定の株式を保有する取締役または監査役、または法令の定めに従う株主
- 外国公館に勤務する外交・領事職員
- 緊急事態により停止した生産活動、ビジネス訪問、特定期間の研究活動を行う外国人
- 職業訓練、技術系スタートアップ企業での業務を行う外国人
職業訓練、技術系スタートアップ企業での業務を行う外国人について、雇用主はオンラインで外国人のデータを提出する必要があります(簡易申請)。期間は最長で3か月で、3か月を超える場合はRPTKAが必要になります。
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会議のため1週間インドネシアに滞在する日本人従業員がいる場合、RPTKAの作成は必要ですか?
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外国人従業員雇用計画書(RPTKA)の対象者は、原則、就労ビザを取得する従業員であり、会議、商談、視察などのためビジネスビザで短期間滞在する人は対象外です。
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インドネシアのビザ申請に必要な資料を教えてもらえますか?
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どのビザを希望されているのかこちらから教えていただけたら、そのビザの取得に必要な資料についてメールでお送りします。
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C2ビザ(工場訪問)
フリーランスのエージェント
フリーランスのビザエージェントに依頼しましたが、途中から連絡が取れなくなり手続きは完全に停滞。提出済み書類の扱いも不明で大きな不安を抱える羽目に。結局別のビザ会社に依頼し直し、余計な時間と費用を失いました。最初から信頼できる会社を選ぶべきだったと痛感し、二度と同じ失敗は繰り返さないと決めました。
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E23ビザ(就労)
安かろう悪かろうのビザ会社
就労ビザを格安のビザ申請代行会社に依頼したところ、報連相は遅く曖昧で必要書類の誤りも多発。訂正や追加提出を何度も求められ、そのたびに時間と労力を浪費しました。結果的に大幅な遅延と余計な費用まで発生し、安かろう悪かろうを痛感。最初から信頼できる専門会社にお願いすべきだったと強く後悔しました。
外国人従業員雇用計画書(RPTKA)の提出方法・必要書類
RPTKAの提出方法

RPTKAは企業が作成し、必要書類とともに承認申請を行います。申請にはオンラインシステム「TKA Online」を使います。
まずアカウントを登録し、企業情報の入力・外国人情報の登録・書類アップロードと進めて申請します。書類に不備がなければ、2営業日後には承認が得られます。審査結果は、システム内やメールで通知されます。
RPTKAの承認は、就労ビザ取得のための最初のステップになります。承認後、TKA Onlineにアップロードされた情報が入国管理総局に通知され、その後就労ビザ発行のプロセスに入ります。
必要書類
RPTKAの提出の際に必要な書類は、以下のとおりです。
企業関連書類
- Surat Permohonan:申請書
- NIB(事業者番号)および / または事業許可証
- Akta Pendirian:会社の設立証書・変更証書(あれば)
- SK Pengesahan / SK Kemenkumham:設立または定款変更の承認書
- 労働報告義務(Wajib Lapor Ketenagakerjaan)の証明
- Rancangan Perjanjian Kerja:雇用契約または他の契約の草案
- 会社の組織図
- インドネシア人補佐者の任命誓約書
- インドネシア人向け研修(教育・訓練)を実施する誓約書
- 外国人労働者(TKA)にインドネシア語教育を提供する誓約書
外国人本人の書類
- 学歴証明
- 資格証明または経験証明
- 雇用契約書
- 銀行口座明細
- 保証誓約書(スポンサー(雇用主)からのレター)
- パスポートなど
必要に応じて、追加書類が必要になる場合があります。追加書類を要求された場合、期限内に修正・再提出が必要です。
- 参考:Database Peraturan「Peraturan Pemerintah (PP) Nomor 34 Tahun 2021 Penggunaan Tenaga Kerja Asing|BAB III」
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インドネシアで外国人を雇用する際に外国人従業員雇用計画書(RPTKA)の提出時に必要な「インドネシア人補佐者の任命誓約書」とは何ですか。
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外国人労働者を雇用する企業には、インドネシア人労働者への技能移転・研修を行う義務があります。その一環として、外国人と業務をともにし知識移転を受ける役割を担う「インドネシア人補佐者(Tenaga Kerja Pendamping)」を配置する義務があり、それを約束するのが任命誓約書です。
インドネシアへ現地視察する際の注意点
「本当は工場を訪問して機械のメンテナンスをすることが目的だけど、ビザ取得が煩雑そうなので、とりあえず到着ビザ(VOA)でこっそりメンテナンスをしよう」と考える方もいます。
ところが、目的に合ったビザを取得しなかったことでトラブルに巻き込まれるケースを多数見聞きしてきたので、適切なビザを申請して訪問することを強くおすすめします。
「なぜバレるのか」という疑問がわくかもしれませんが、その1つとして宿泊施設と入国管理局(イミグレ)との連携があります。インドネシアでは外国人を宿泊・滞在させるときに、宿泊施設がイミグレに報告する義務があります。そこの連携が原因で目的外の活動をした際に、その行為がバレてしまうのです。
ビザの種類と目的はこちら
外国人従業員雇用計画書(RPTKA)に関する注意点
RPTKAに関する重要な注意点は、「外国人の業務はRPTKAに記載された範囲に限られる」ということです。RPTKAなしで外国人を雇用した場合や、RPTKAに記載された場所・期間・内容を超えて外国人を就労させた場合、企業は行政処分・罰金などの対象となります。
在インドネシア日本大使館によると、商談のため訪れた地方の取引先企業に入管の査察が入り、違反を指摘されたケースや、所属先企業内での人事異動後に登録された役職を変更していないことを査察時に指摘されたケースが報告されています。
これらのケースでは、該当者のパスポートを一時取り上げられたり、企業が罰金を科されたりしています。なお、業務場所については、一定の条件を満たせば、RPTKAに後から追加することができます。
- 参考:在インドネシア日本国大使館「【注意喚起】インドネシアにおける就労許可の登録内容」
映像でみる外国人従業員雇用計画書(RPTKA)
RPTKA手続きに関する恐喝・贈収賄が発覚

2025年、RPTKA手続きに関し、労働省職員による恐喝・贈収賄が行われていた疑いが発覚しました。
この事件で汚職撲滅委員会(KPK)は、10月までに合計9名を逮捕。容疑者はすべて労働省(特に外国人労働者管理部門)に所属する職員で、主任レベルから部門コーディネーター、元事務総長まで含まれていました。
容疑者たちはRPTKA申請者(企業・代理店)に対し、承認の早期化を名目に恐喝し、書類の不備を口実とした遅延や面談時の金銭要求を行っていたとされています。こうして2019~2024年にかけて集められた金額は、総額約53.7億ルピア(約4,940万円)にのぼります。
この件に関する調査と関係者の処罰を通してシステムや現場の改革が実施され、今後の外国人雇用手続きの透明性や公平性が改善することが期待されます。
- 参考:
KPK「KPK Kembali Tahan 4 Tersangka Korupsi Terkait Pengurusan Tenaga Kerja Asing di Kementerian Ketenagakerjaan」
ANTARA「Kasus RPTKA, begini kronologi penetapan eks Sekjen Kemenaker sebagai tersangka」
【補足】
円表記は2025年11月17日のレート(1ルピア=0.0092円)で換算したものです。
入国管理局が外国人雇用に関する説明会を開催

西ジャワ州Bekasi(ブカシ)の第1種入国管理局(非TPI / 地域入国管理局)は2025年8月、同年5月に新たに施行された入国管理総局長通達(IMI-417.GR.01.01)に関する説明会を開催しました。本説明会では、Bekasi市およびBekasi県で外国人を雇用する企業や外国人投資家を対象に、滞在許可、入国管理関連の公共サービス、ビザ政策、外国人労働者に関する規定についての情報が提供され、質疑応答の時間も設けられました。
新しい入国管理局長通達は、インドネシア国内のすべての外国人について、ITAS(一時滞在許可)の延長申請時に入国管理局へ直接赴き、写真撮影および面接を受けることを義務付けています。
● 家族帯同ビザ(E31B):120,000円(税別)
● セカンドホームビザ(E33):200,000円(税別)
● リタイアメントビザ(E33f):120,000円(税別)
RPTKAは外国人雇用の第一歩
RPTKAは、インドネシアで外国人を雇用する際に不可欠となる法的な基礎書類で、外国人が従事できる業務範囲や契約条件を明確化し、適切な人材配置と法令遵守を保証する役割を果たします。
申請手続きはオンライン化が進み、以前より効率化されています。一方で、インドネシアの入国管理局は違法な滞在・就労の取り締まりを強化しており、企業にとっては、ますます注意が必要です。
インドネシアで事業を展開する企業は、規則の改定や違反企業の摘発事例など最新情報に注目しつつ、RPTKAの提出から始まる外国人従業員の雇用プロセスについて、正しく理解することが欠かせません。
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