インドネシアで公文書提出時に求められる「アポスティーユ」とは
- 公開
- 2025/12/13
- 更新
- 2026/09/06
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自国で作成した文書を海外の機関に提出する場面では、「アポスティーユ」という手続きが必要になることがあります。アポスティーユは、ハーグ条約に基づき公文書の真正性を国際的に証明する制度で、加盟国間では追加の領事認証を省略できるのが特徴です。
日本とインドネシアはいずれも条約加盟国であり、両国が発行した公文書に対してアポスティーユを付与できる体制が整備されています。
本記事では、日本およびインドネシアのアポスティーユ制度の概要、対象となる文書、そして実務上の注意点について整理します。
インドネシアへ現地視察する際の注意点
「本当は工場を訪問して機械のメンテナンスをすることが目的だけど、ビザ取得が煩雑そうなので、とりあえず到着ビザ(VOA)でこっそりメンテナンスをしよう」と考える方もいます。
ところが、目的に合ったビザを取得しなかったことでトラブルに巻き込まれるケースを多数見聞きしてきたので、適切なビザを申請して訪問することを強くおすすめします。
「なぜバレるのか」という疑問がわくかもしれませんが、その1つとして宿泊施設と入国管理局(イミグレ)との連携があります。インドネシアでは外国人を宿泊・滞在させるときに、宿泊施設がイミグレに報告する義務があります。そこの連携が原因で目的外の活動をした際に、その行為がバレてしまうのです。
アポスティーユとは
アポスティーユとは、1961年ハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)に基づき、公文書の真正性を証明する国際的な制度です。
本来は制度の名称ですが、実務では、この制度により真正性を証明された文書に添付される証明書のことを指すこともあります。本記事でも、アポスティーユ制度による証明書の意味でも「アポスティーユ」という言葉を用います。
アポスティーユにより認証された文書は、相手国の大使館・領事館による追加の領事認証を省略でき、提出先国で公的に使用できます。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
日本とインドネシアのアポスティーユ制度
日本外務省は、海外の提出先機関の求めがあった場合、戸籍や住民票などの公文書に対してアポスティーユを発行しています。ただし、提出先が条約加盟国であっても、機関の判断によりアポスティーユではなく領事認証(公印確認+提出先国大使館の認証)を求められる場合があります。
一方のインドネシア政府も、2022年の法務人権大臣規則6号により、アポスティーユの発行体制を整備しました。これにより、インドネシア国内で発行された公文書に対してアポスティーユを付与し、ハーグ条約加盟国で利用することが可能となりました。
同規則では、申請手続きとして、法務人権省のオンラインシステムを利用し、申請者情報・文書の種類・文書を使用する国名・発行機関名・署名者名などを入力し、必要書類をアップロードすることが定められています。担当者による審査と申請者による費用の支払いが終われば、申請手続きは完了。その後、地域の法務人権省事務所でアポスティーユが発行されます。
また、インドネシアでアポスティーユの発行体制が整備されたということは、他の締約国で適法に付与されたアポスティーユ付き公文書を、インドネシアでも受け入れる前提が整ったことを意味します。つまり、日本の書類をインドネシアに提出する場面で、アポスティーユで対応可能なケースが増えたということになります。
日本でアポスティーユを利用できる文書の種類
日本の外務省によると、以下の機関が発行する文書については、アポスティーユの発行が可能です。
- 国等の機関(登記簿謄本、犯罪経歴証明書、医薬品・農薬登録証明書、居住者証明書など)
- 地方自治体(戸籍謄(抄)本、住民票、納税証明書など)
- 公証人認証書
- 公立高等学校・中学校・小学校など
- 国公立病院(診断書など)、赤十字病院(健康診断書)
さらに、アポスティーユを受けるには、これらの公文書が以下の3点を満たしている必要があります。
- 発行日付が記載されていること(原則発行日から3か月以内のもの)
- 発行機関(発行者名)が記載されていること
- 個人印や署名ではなく、公印が押されていること
申請は、郵送または東京の外務本省窓口で行います。
在インドネシア日本国大使館は、日本のアポスティーユがインドネシア側から求められる可能性があるものとして、「警察証明」を挙げています。警察証明は、インドネシアでの永住または帰化申請、銀行の役員就任手続きなどの際に必要になるケースがあります。
ほかに、法人設立時などにも、日本のアポスティーユ証明付き文書が必要になるケースがあります。
なお、私文書については、公証役場で公証人の認証を受け、その公証人の所属する(地方)法務局長による公証人押印証明がなされれば、外務省にアポスティーユを申請することができます。
個別の手続きについては、各提出先機関の指示に従うようにしてください。
- 参考:
外務省「公印確認・アポスティーユとは」 / 「海外渡航・滞在申請手続きガイド」
在インドネシア日本国大使館「各種証明手続|警察証明 (Police Clearance Certificate)」
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インドネシアでアポスティーユを利用できる文書の種類
上述の法務人権大臣規則によると、インドネシアでアポスティーユ付与の対象となる文書は以下のとおりです。
- 学歴証明書(卒業証書など)
- 出生証明書
- 婚姻証明書
- 離婚証明書
- 商業関連文書
- 翻訳文書
- 住民関連文書
- 検疫関連文書
- SKCK(警察証明書)
- 健康関連文書
- 許認可関連文書
- 知的財産権関連文書
- 公証役場文書
- 各種証明書
- その他の法的文書
インドネシアでは国内で発行されたこれらの文書について、条約加盟国で使用する際にアポスティーユを取得することができます。ただし、日本人がインドネシアでアポスティーユ申請が必要になるケースは、多くありません。
- 参考:Kantor Wilayah Kementerian Hukum Provinsi Jawa Timur「Apostille」
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日本とインドネシアでアポスティーユが付与されるのは、どのような文書ですか?
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アポスティーユの対象となるのは、どちらの国でも、原則、公的機関が発行した文書です。民間企業や個人が発行した私文書でも、公証人による公証など条件を満たせば、アポスティーユの発行が可能なケースがあります。
映像でみるインドネシアのアポスティーユ
アポスティーユの発行手順

こちらの動画は、オンラインシステムでアポスティーユ申請を行ったあと、実際に法務人権省の地域事務所(この動画は北スマトラ州の事務所)に出向いてアポスティーユを受け取る場面を紹介したものです。これによると事務所でのアポスティーユの発行は、以下の流れで進みます。
- 書類(申請書類・支払証明・代理申請の場合は委任状)を担当者に渡す
- 担当者がアポスティーユを印刷する
- 印刷されたアポスティーユに担当者が証明スタンプを押し、書類に添付する
- 申請者が受領、署名をする
アポスティーユに関する説明会

西カリマンタン法務人権省地方事務所は、2025年10月、同事務所内の講堂にてアポスティーユサービスの周知イベントを開催しました。このイベントはオンラインとオフラインで実施され、地方事務所の管理職・職員、公証人、高校・大学の事務担当者、生徒・学生などが参加。若い世代に対する国際的な法手続きへの理解を促す機会になりました。
イベントでは、アポスティーユ制度の導入やシステムのデジタル化により、インドネシアの公文書を海外で使用する際の手続きが簡素化された点が強調されました。
- 参考:ANTARA KALBAR「Kanwil Kemenkum Kalbar dorong literasi hukum internasional lewat sosialisasi layanan apostille」
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インドネシアではオンラインでアポスティーユの申請ができますか?
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インドネシアではアポスティーユの申請をオンラインで行えます。ただし現状では、申請・支払い後に地域の法務人権省事務所へ出向く必要があります。
アポスティーユについて知っていましたか?
アポスティーユ制度により、日本とインドネシアの公文書を海外で利用する際の手続きは大幅に簡素化されていますが、提出先機関の運用によってはアポスティーユではなく領事認証を求められる場合もあります。
どの証明が必要かは提出先ごとに異なるため、実際の申請にあたっては必ず事前確認を行うことが重要です。
両国の制度の特徴と対象文書を理解しておくことで、海外での手続きをスムーズに進めることができるでしょう。
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