インドネシアの事業基本番号「NIB」とは?用途やメリットを紹介
- 公開
- 2025/11/16
- 更新
- 2026/01/01
- この記事は約4分20秒で読めます。
インドネシアで事業を始める際、取得すべき重要な情報の1つに「NIB(Nomor Induk Berusaha:事業基本番号)」があります。
NIBは、企業や個人事業主が合法的に事業活動を行うための「公式ID」であり、政府のOSS(オンライン・シングル・サブミッション)システムを通じて発行されます。
かつては複数の許可証を個別に取得する必要がありましたが、現在はこのNIBが事業登録の中核となり、法人登記や税務手続き、輸出入許可など、各種行政手続きの基礎情報として機能しています。
インドネシアの事業基本番号「NIB」とは
NIBの概要
NIB(Nomor Induk Berusaha:事業基本番号)とは、インドネシアで事業を行う企業や事業主が取得しなければならない事業者の公式IDであり、同時に事業活動を行うための登録証明でもあります。
NIB制度は、政府規則第24号(2018年)、第5号(2021年)、および2025年の第28号政府規則によって、事業のリスク区分に応じた許認可の仕組みとして整備されています。近年、従来の複雑な許可制度が一本化され、企業はオンラインで効率的に手続きを進めることが可能になりました。
また、NIBは、以前は別々に取得していた会社登録証(TDP)や輸入者識別番号(API)、税関アクセス権など複数の登録や番号を統合・連携する役割を持ち、法人設立や事業運営における基礎情報として機能します。
外資企業にとっても、NIBは極めて重要です。法人設立や投資登録など主要な行政手続きと密接に連携し、実務上はその中心的な出発点となるからです。正式な法人・商業活動を行う企業は、NIBを取得しなければ法的に営業できません。
NIBの取得方法
NIBは、OSS(オンライン・シングル・サブミッション)システムを通じて発行されます。
OSSシステムを通したNIBの申請は、法人設立過程において、法務人権省から法人設立承認書(SK Pengesahan Badan Hukum / SK Kemenkumham)が発行されたあとに行います。OSSシステム上でNIBを含むすべての手続きが済むと、事業者は正式に営業許可を得たことになります。
NIBの有効期限と更新
NIB自体には有効期限の定めはありません。一度発行されれば、会社が存続する限り有効です。
ただし、会社情報に変更が生じた場合は、OSSシステム上でデータの更新を行うことが義務づけられています。
OSSで更新が求められる主な変更事項には、次のようなものがあります。
- 会社基本情報(住所・連絡先など)
- 定款(社名・資本金の変更など、要公証)
- 技術情報(事業拠点や生産プロジェクトの所在地など)
- 投資ステータス(内資企業=PMDNから外資企業=PMAへの変更など)
OSSシステムに登録されたデータは、今後の許可申請や更新、政府入札など、すべての手続きの基礎情報として参照されます。そのため、データが古いままだと新しい許可申請が拒否されるなどのトラブルにつながります。適切なデータ更新は、NIBの法的効力を維持するために欠かせない手続きです。
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インドネシアの企業が、企業情報に変更が生じたにもかかわらず、OSSシステムに登録されている情報を更新しない場合、どうなりますか。
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NIB申請の際にOSSシステムに登録した企業データが古いままだと、新しい許可申請が拒否されるなどのトラブルにつながります。また、登録情報が実際の会社情報と一致していない場合、法令違反とみなされる可能性があり、政府による営業許可の一時停止や取り消しを受けるリスクがあります。
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事業基本番号「NIB」の用途と取得のメリット
1. 事業者の信頼性を確保できる
NIBは、企業がインドネシア政府に正式に登録されたことを証明する法的アイデンティティです。これを取得することで、企業は「合法的に事業を行う存在」として認められ、対外的な信頼性が飛躍的に高まります。
特に外資企業の場合、NIBの有無は投資家・取引先・銀行などからの信用判断に直結します。
また、OSSシステム上のデータは政府システムと連携しており、税務申告や監査の際にも参照されます。そのため、データが正確かつ最新であれば、法令遵守と社会的信頼の証となります。
一方で、NIBを持たないまま活動を行うと、無許可事業として行政処分や罰金の対象になる可能性があります。法的に整備された状態で事業を進めることは、トラブル防止と企業ブランドの信頼維持の両面で不可欠です。
2. 各種許可申請を効率化できる
NIBは、あらゆる事業許可や営業許可を申請するための前提条件です。
従来は省庁や自治体ごとに複数の許可を個別申請する必要がありましたが、NIBの導入により、そのほとんどをオンラインで一括申請・管理できるようになりました。
OSSシステムでは、会社設立情報・税務番号(NPWP)・社会保険(BPJS)などのデータも自動的に連携されるため、煩雑な入力を繰り返す必要がありません。
また、リスク区分が「低リスク」と判定された事業については、原則NIBの取得のみで営業開始が可能です。この仕組みにより、行政手続きが迅速化され、事業開始までの時間とコストが大幅に削減されました。
3. 資金調達や政府支援を受けられる
NIBを保有する企業は、政府の支援制度や補助金、融資へのアクセスが容易になります。銀行融資や投資を受ける際には、NIBが「会社の正当性を示す証拠」となります。NIBを持たない企業には、投資家が資金を提供しないというケースも多く見られます。
また、低リスクの小規模・零細事業者の場合、NIBがインドネシア国家標準(SNI)やハラル(ハラール)認証の自己宣言(保証声明)としても機能するため、取り扱う製品の信頼性を保証し、事業を拡大するのにも役立ちます。
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インドネシアの事業基本番号「NIB」は、すべての事業者が取得しなければなりませんか。
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NIBを取得していないと、商業登記を必要とする事業活動を行うことはできません。一方、インフォーマルセクターや小規模な個人事業主では、NIBを持たなくても限定的に活動可能なケースがあります。
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映像でみるインドネシアの事業基本番号「NIB」
ラマダンイベントでNIB発行サポートサービス

2025年3月、西ジャワ州Bogor(ボゴール)市庁舎広場で開催されたBalkot Ramadhan Fest 2025(バルコット・ラマダン・フェスト2025)には、地元中小零細事業者を含む260以上のテナントが出店しました。
Bogor市の投資・ワンストップ統合サービス局は、これらの事業者にNIB発行サポートサービスを提供。こちらの動画では、担当者が各ブースに出向き、サービスを案内している様子が紹介されています。NIBを申請していない事業者はこの機会に、その場でサポートを受けながらNIBを取得しました。
インドネシア各地の投資・ワンストップ統合サービス局は、中小零細事業者のNIB取得率向上を目指し、このようなイベントや無料の講習会を頻繁に開いています。NIBの取得事業者を増やすことには、行政が地域の事業実態を正確に把握できるようにする目的に加え、中小零細事業者が支援制度などの行政サービスを利用しやすくする狙いがあります。
NIB申請のオンラインサポート

西ジャワ州Bandung(バンドン)市の投資・ワンストップ統合サービス局は、Google Meetを使ったNIB申請の無料オンラインサポートを実施しています。
こちらの動画は、ベンチで横になりいびきをかいている男性に女性が近づき、「怠けてばかりで、どうやってビジネスを成功させるの!」と説教する場面から始まります。
男性が「許認可を取るのに街(役所)へ出ないといけないだろ」と文句を言うと、女性は「今どき、小規模・零細事業者はNIBさえあれば各種申請は簡単で、街へ出る必要はない」と説明。最後にオンラインサポートも受けられると伝え、早速試しています。
動画の最後では、男性がオンラインサポートの担当者にWhatsApp(電話)番号を聞こうとして、女性に耳をつねられるというオチがついています。
インドネシアでの事業に不可欠なNIB
法人設立後、その事業体が正式に事業を開始するにあたり必要なのが、事業基本番号「NIB」です。インドネシアで事業を行う企業にとって、NIBは、法的アイデンティティであり、信頼性の証でもあります。
NIBの取得を含む許認可の手続きを効率化したOSSシステムは、中小企業から外資企業まで幅広く活用されています。データ更新を怠らず正確に維持することで、各許認可が法的効力を保ち、将来的な事業拡大や資金調達の基盤を強化することができます。
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