インドネシアの輸入食品に必要なBPOM登録の対象・手続き・必要書類と注意点

公開
2026/04/04
更新
2026/04/13
この記事は約13分0秒で読めます。

インドネシアに食品を輸出して現地で販売する場合、早い段階で押さえておきたいのがBPOM登録です。

日本では普通に販売できている加工食品でも、インドネシアではそのまま輸入・販売できるとは限りません。成分や添加物、ラベル表示、書類の形式、輸入時の手続きなど、確認すべきポイントが多く、実務では制度がいくつも重なっていることが原因で手戻りになるケースが少なくありません。

特に輸入加工食品では、

  • OSSでの事業ライセンス整備
  • BPOMでの製品登録
  • e-BPOMや税関を通じた輸入手続き

が別レイヤーで動くため、どこまで終われば販売できるのかが分かりにくいのが実情です。

この記事では、インドネシアの輸入食品に関するBPOM登録について、対象食品、手続きの流れ、必要書類、注意点、さらにハラールや生鮮食品との関係まで含めて、実務のイメージが湧く形で整理します。

インドネシアの輸入食品に必要なBPOM登録とは

BPOM登録済みの日本のチョコレート菓子
BPOM登録済みの日本のチョコレート菓子

BPOMの役割

BPOM(Badan Pengawas Obat dan Makanan:食品医薬品監督庁)は、インドネシアで医薬品や食品の監督を担う政府機関です。

医薬品、健康補助食品(サプリメントなど)、加工食品など特定のカテゴリーの製品をインドネシアで流通・販売させるためには、その製品をBPOMに登録する必要があります。

食品については、BPOMの基準上「加工食品」に分類され、インドネシア国内で一般流通向けに小売包装の状態で販売される輸入加工食品は、原則としてBPOM登録(流通許可)が必要です。一方、試験用・見本用や、小売包装されない業務用原料などは対象にならない可能性があるため、個別確認が必要です。

【補足】
BPOMは、加工食品を「一定の方法または手法による工程を経て製造された食品または飲料であり、添加物の有無を問わない」と定義しています。

BPOM登録の目的

BPOM登録は、製品の安全性を保証し、インドネシア国内で合法的に流通させるための重要な手続きです。

BPOMに登録された加工食品に対しては、「流通許可(izin edar)」が発行され、企業は製品のパッケージにその番号を記載します。

流通許可番号を持つことにより、その製品がBPOMの許可の下で流通していることを証明できる仕組みで、一般流通向けの加工食品はすべてBPOMに登録する必要があります。

インドネシアに食品を輸出する場合、BPOM登録は必ず必要ですか?

一般消費者向けに小売包装された加工食品をインドネシアで販売する場合、BPOM登録が必要です。一方で、業務用原料や試験用サンプルなどは扱いが異なるため、個別に確認する必要があります。

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BPOM登録が必要な食品

食品のなかでもBPOM登録の中心になるのは、加工食品です。加工食品そのものに加え、関連する食品添加物(BTP)も含まれます。小売包装された完成品、つまり一般消費者がスーパーやコンビニでそのまま買うような食品は、ほぼ間違いなくBPOM登録の対象となります。

例えば、次のような製品は典型的な対象候補です。

  • スナック菓子・ビスケット・チョコレート・キャンディー
  • 即席麺
  • シリアル
  • レトルト食品
  • 缶詰・瓶詰食品
  • ソース・ドレッシング・調味料
  • 乳飲料・清涼飲料・ジュース
  • 茶飲料・コーヒー飲料
  • 冷凍加工食品

なお、食品添加物を単体で輸入する場合、完成品とは別の非常に厳しい規格への適合証明が必要になります。

加工食品BPOM登録の例外

一方で、食品原材料として使うものや一般消費者に直接売られない大容量包装品については、最終製品と同じ扱いにならないことがあります。

例えば、日本から大袋のソース原料を輸出して、現地で業務用に詰め替えて使うケースでは、完成した小売品として輸入する場合と要件が変わり、BPOM登録の対象とならない可能性があります。

また、加工食品のようだが、成分や用途の特徴から健康補助食品など別のカテゴリーに分類される可能性がある製品についても、個別に確認が必要です。

【補足】
生鮮食品は原則BPOM登録は不要ですが、BAPANAS(Badan Pangan Nasional:国家食糧庁)を含む管理当局の規則に則った別の枠組みの輸入・流通関連手続きが必要です。

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食品BPOM登録の全体像

BPOM登録が必要な加工品を初めてインドネシアへ輸出(インドネシア側から見ると輸入)する場合、

  1. OSSで事業体制を整える
  2. BPOMで製品登録する
  3. e-BPOMや税関で輸入ごとの手続きを進める

という三段階で考える必要があります。

食品輸入の申請主体

上記のプロセスは、主にインドネシア側でBPOM対応の窓口となる主体が進めます。

輸入品では、一般的に、現地の輸入者・ディストリビューターなど、インドネシア側で製品を流通させる事業者がBPOM登録やその後の対応を担当します。日本からの輸入品の場合、日本側メーカーは製品情報や各種証明書の準備を担い、現地側の輸入者など責任主体が申請・番号管理・流通後対応を担います。

インドネシアに現地法人を設立するなどして自社で輸入事業を手掛けるケースでは、まず前提として、事業許認可オンラインシステム「OSS」で適切なKBLI(事業コード)を登録し、API(輸入ライセンス)として機能するNIB(事業基本番号)を取得しておく必要があります。

輸入者が手続き・流通の中心

このように、BPOM登録や実際の輸入手続き、通関、現地流通の準備は、基本的に輸入者が関与して進めることになります。

そのため、輸出者・製造業者としては、必要書類の準備を進めることは重要ですが、実際の販売開始に向けた手続きの多くは、輸入者が確定してからでなければ動かしにくい面があります。特にBPOM登録は、インドネシア側の申請主体が必要になるため、輸入者が決まっていない段階では進めにくい手続きの代表例です。

また、インドネシアでは輸入業者とディストリビューターを同じ企業が兼ねているケースも少なくありません。食品分野では、輸入ライセンスを持つ会社が、そのまま現地流通や小売・外食向け販売まで担うことも一般的です。

そのため、パートナー候補を探す際には、「輸入できる会社か」だけでなく、「どの販路に強いか」「流通まで一体で担えるか」といった点もあわせて確認することが重要です。

弊社では、業務提携先の紹介や商談設定までサポートしていますので、具体的な進め方についてはこちらのサービスページを参考にしてください。

輸入ごとのBPOM手続きと税関手続き

BPOM登録が終わっただけでは、輸入通関は完結しません。

製品登録のあと、その製品を輸入する際には、オンラインシステム「e-BPOM 4.0」を用いた手続きが必要になります。

e-BPOM 4.0では、BPOMが関与する品目について、輸入ごとの輸入承認書(SKI) などの手続きを行います。そこに加えて、税関側のPIB(輸入申告書)など、一般の輸入通関手続も別途必要になります。

【補足】
インドネシアに輸入される加工食品は、入港時点で原則として「全賞味期間の3分の2以上」の残存期間がなければならないという通関ルールがあります。

BPOM登録をすれば、日本の加工食品をそのままインドネシアに輸入して販売できますか?

いいえ、BPOM登録だけでは輸入や販売は完結しません。インドネシアの輸入ライセンスを持つ事業者と協力し、輸入ごとにe-BPOMや税関での輸入手続きを行います。

食品BPOM登録の流れ

食品BPOM登録の流れ

ここでは、日本からインドネシアへの製品の輸入と流通を現地法人が担うケースについて、BPOM登録の流れを見ていきます。

加工食品のBPOM登録には、オンラインシステムEreg RBA(e-Registration RBA)を使います。おおまかなプロセスは以下のとおりです。

①アカウント登録

まずは、申請主体となる現地側事業者のアカウント登録が必要です。

加工食品の登録では、前述のとおりEreg RBAを使います。BPOMのシステムはOSSと連携しているため、アカウント登録の前提として、OSSで適切なKBLIを登録し、NIBを取得しておく必要があります。

アカウント登録時には、NIB、会社情報、工場情報、KBLI、各種許認可資料などをアップロードします。この段階で OSS側の情報とBPOM側で入力する情報がずれていると、その後の審査や申請で手戻りが起きやすい点に注意が必要です。

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②製品登録申請

アカウントが承認されたら、次に製品ごとの登録申請に進みます。

ここでは、製品名、食品カテゴリー、原材料・成分、製造者情報、ラベル案、必要に応じた品質・安全性関連資料などを入力・提出します。

加工食品では、製品のカテゴリーやリスク区分(後述)によって、必要資料やその後の扱いが変わることがあります。そのため、申請前の段階で、どの食品カテゴリーにあたるか、どのリスク区分に入りそうかをある程度整理しておくと進めやすくなります。

続いて、対象分野・申請区分に応じてPNBP(国庫納付手数料)を支払います。手数料額は製品カテゴリーなどによって異なります。支払い後は案件に応じて、審査またはコミットメント確認のプロセスに進みます。

コミットメント:申請内容が基準に適合していることを事業者が保証し、その適合性が後から確認される制度

③登録完了(流通許可番号の取得)

審査や確認で問題がなければ、最終的に流通許可番号が発行されます。

加工食品では、こうしてBPOM登録(流通許可)を取得して初めて、インドネシア国内で販売できる状態になります。このあとは前述のとおり、輸入関連の手続きに進みます。

食品BPOM登録に必要な主な情報・書類

登録に必要な情報

加工食品のBPOM登録には、以下のような情報が必要です。

  • 会社アカウント登録情報
  • 加工食品登録情報
  • 配合・添加物計算
  • 整合性がとれたデータ・文書
  • ラベル要件

BPOM登録では、製品カテゴリーや申請区分に応じてシステム上で入力・提出が求められる必須項目や書類があります。ただし、すべての製品に共通する一律の「必要書類リスト」があるというよりは、上記のような項目を裏付ける資料を、案件ごとに整理して準備するというイメージです。

登録のための準備

BPOM登録のために準備しておきたい主な情報・書類は、例えば次のとおりです。

製品情報

  • 製品名
  • ブランド名
  • カテゴリー
  • 包装形態
  • 内容量
  • 保存方法
  • 賞味期限
  • 原産国 など

例えば、日本では単に「クッキー」と呼んでいる製品でも、現地ではビスケット類のどのカテゴリーに入るか、個包装か外装のみかで扱いが変わることがあります。

成分・配合情報

  • 原材料リスト
  • 食品添加物(BTP)使用の有無
  • 栄養表示の基礎データ など

日本語の原材料表示をそのまま渡すだけでは足りず、どの添加物がどの機能で入っているか、現地の規格と照合できる形にしておくと安全です。

製造者情報

  • 製造者名
  • 所在地
  • 製造施設情報
  • GMPなどの品質管理資料 など

輸入食品では、日本側で発行されている製造証明や品質証明がそのまま使えるとは限らず、インドネシア側で求められる発行主体や認証形式、記載内容を満たしていない場合、書類が受理されないことがあります。

したがって、「証明書があるかどうか」だけでなく、「どのような形式で証明されているか」まで含めて事前に確認しておくことが重要です

ラベル情報

  • インドネシア語ラベル案
  • 表示内容
  • 必要に応じた栄養表示やアレルゲン表示 など

ラベル要件は、BPOM登録の重要なポイントの一つです。規則に従った正しいラベルにするため、早い段階から準備を進めるとよいでしょう。

輸入関連情報

  • 輸入者情報
  • 製品同一性が確認できる情報
  • HSコード

輸入フェーズでは、BPOM側の情報と税関側の情報がずれると、登録そのものが済んでいても輸入プロセスが止まりやすくなります。上記のような情報が、インボイスや船積書類と整合していることが重要です。

アポスティーユと書類認証

インドネシアでは2022年6月から、アポスティーユの利用が可能になりました。

ただし、「アポスティーユがあるなら、今後は全部それで足りる」わけではありません。書類によってはその他の形式の認証が必要になる可能性があるため、BPOMからの最新情報や、現地輸入者の案内に沿って個別に確認するのが安全です。

BPOM登録に必要な情報整理や現地基準の確認は、実務でつまずきやすいポイントです。弊社では市場調査や現地調査、手続き支援まで対応していますので、自社製品の展開を検討中の方はこちらからお気軽にご相談ください。

BPOM申請の取得にはどれくらいの期間がかかりますか?

申請内容やリスク区分によって大きく異なります。3ヶ月や6ヶ月で終わることもあれば、1年以上続くこともあります。詳しくは対象となる商品詳細をお伝えいただければと思います。

取得予定のビザについて、以下から詳しい情報を検索できます。

ビザ情報の検索
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●法人設立の概要とフローをまとめた資料
●インドネシア経済の魅力をまとめた資料
1進出ブック
進出ハンドブック
2法人設立フロー
法人設立フロー
3経済の魅力
経済の魅力

輸入食品のリスク区分とは

リスク区分主な特徴製品例手続きの傾向
低リスク製品リスクが比較的低い食品一般的な加工食品の一部確認項目が比較的少ない
中低リスク一般向け・無クレーム・標準的な食品ビスケット、スナック、通常飲料などラベルや基本情報の確認が中心
中高リスク規格適合や追加確認が必要な食品高pH飲料水、コーンスターチなど書類の簡易的な審査
必要に応じ関連証明
高リスク特殊用途・特殊工程・高リスク食品乳児用食品、医療用途食品、GMO食品など厳格な書類審査
必要に応じ製品・ラベル・分析評価

前述のとおり、加工食品では、登録手続きの難度に製品のリスク区分が関わります

リスク区分は製品カテゴリーやHSコードで一律に判断できるものではなく、最終的には登録申請過程で確認することになりますが、リスク区分の種類と大まかな条件を把握しておくことで、手続きを進めやすくなります。

リスク区分の確認

加工食品のリスク区分は、対象消費者、クレーム(食品の効果や特徴を示す表示)、製造工程、添加物の使用など複数の要素をもとに総合的に判断される仕組みとなっています。区分は「高・中高・中低・低」の4段階に分かれ、それぞれで必要な審査内容や手続きが異なります。

ただし、リスク区分の判断条件は複雑で、事前に一覧で一律に確認できるものではありません。

そのため、事前に見当をつけたい場合は、BPOMのWebサイト、ハンドブック、シミュレーション機能など複数の資料を組み合わせて確認することになります。この時点での確定は難しいものの、「SNI義務対象の加工食品は中高リスク以上」というように、ある程度の線引きは可能です。

最終的には、Ereg RBAを使った製品登録申請のプロセスのなかで、申請者が製品情報を入力し、その内容とBPOMの処理によってリスク区分が確定されていき、必要な資料や追加要件の可否などが分かれます。

4つのリスク区分の判断基準

BPOMのWebサイトの記述を参照し、4つのリスク区分について、主な判断基準を紹介します。ただし、これらの条件に当てはまるか否かで完全にリスク区分を確定できるわけではありませんので、参考情報としてご覧ください。

低リスク

低リスクは、一般に通常の加工食品のうち、製品リスクが比較的低く、評価項目が限定的なものが想定されます。この区分の製品登録は、他のリスク区分の製品に比べて要件が少なく、簡便な手続きになります。

含まれうるものとしては、特別なクレームがなく、特殊な製造工程も伴わないシンプルな加工食品が考えられます。例えば、乾燥食品や一部の菓子類が考えられます。

ただし、同じカテゴリーの食品でも、クレーム表示や添加物の使い方によって中低リスク以上に上がることがあるため、あくまで目安として捉えるのが安全です。

中低リスク

中低リスクは、一般向けの通常の加工食品で、クレームがなく、特定用途向けでもなく、食品添加物(BTP)の使い方も比較的標準的なものが中心になると考えられます。このリスク区分の製品登録は、ラベルや基本情報を中心に、事業者による申告内容を前提とする簡略的な確認で手続きが進む仕組みになっています。

主な判断の目安としては、以下のような点が挙げられます。

  • 特定の対象消費者向けではない
  • 健康・機能性などのクレームを付していない
  • 特殊な製造工程を用いていない
  • 使用する食品添加物や原材料が一般的な範囲に収まる

具体的な製品としては、一般的なビスケット、スナック菓子、清涼飲料、調味料、一部のレトルト食品などがイメージしやすいでしょう。ただし、同じ菓子や飲料でも、対象消費者や表示内容によって区分が上がる可能性があります。

中高リスク

中高リスクは、一定の規格適合や追加確認が必要になる加工食品が想定される区分です。この区分では低・中低リスクよりも確認事項が増え、標準規格や関連証明の有無が重要な食品が入ります。

主な判断の目安としては、以下のような点が挙げられます。

  • 一定のクレーム表示がある
  • 特定の原材料や食品添加物の使用に追加確認が必要
  • SNI(インドネシア国家規格)の義務対象になっている
  • 通常食品よりも文書確認の重要性が高い

具体的な製品としては、SNI適合義務対象の加工食品(ミネラルウォーター、コーンスターチ、魚の缶詰など)が代表例です。これらはBPOM登録に加えて規格適合証明が必要となるため、通常の加工食品よりも手続きが複雑になる点に注意が必要です。

高リスク

高リスクは、安全性・品質・表示の面で特に慎重な評価が必要な加工食品が入る区分です。この区分では製品評価、ラベル評価、必要に応じた分析結果の提出が求められる可能性があります。

主な判断の目安としては、以下のような点が挙げられます。

  • 特別な栄養用途を持つ
  • 特定の対象消費者向けである
  • 特殊な製造工程を伴う
  • 遺伝子組み換え(GMO)、放射線照射、商業的無菌化など特別な管理が必要
  • アルコール飲料など製品自体のリスクが高い

具体的な製品としては、乳児用食品、医療用途食品などの特別用途食品、GMO食品、放射線照射食品、商業的無菌食品、アルコール飲料などが代表例です。一般的な菓子や飲料とは異なり、通常より厳格な書類・資料の評価が前提になる区分といえます。

食品BPOM登録に関する注意点

ラベル対応は後回しにしない

まず最重要なのは、ラベル対応は後回しにしないことです。

輸入加工食品のBPOMの登録ではラベル要件が重要構成要素の一つになるため、ラベルの適合性は製品登録と並んで非常に重要です。

そのため、成分表示、保存方法、アレルゲン表示、必要に応じた調理方法や栄養表示などは、申請後にまとめて直せばよいものではなく、最初から構成を決めておく方が安全です。

ラベル表示のルール

登録時に提出するラベル案は、法令に則って作成します。BPOMが食品カテゴリーごとに要件を出しているため、まずはカテゴリーを確定させる必要があります。

カテゴリーに関わらず適用されるラベル案の主なポイント・注意点としては、以下のようなものがあります。

  • ラベル案は、正面だけでなく、側面・背面などを含めた包装の全側面が分かる形で提出する
  • 包装が複数ある製品は、原則それぞれの包装ごとにラベル案が必要
  • 輸入食品は実際の製品写真も必要
  • 英語以外の外国語表記は、宣誓翻訳者(インドネシア政府に認定された公式翻訳者)による翻訳が必要

成分規制と添加物規制

次に、成分規制・添加物規制です。日本で問題なく流通している製品でも、インドネシア基準でそのまま適合するとは限りません。

2023年BPOM規則第22号では、加工食品の禁止原料や、食品添加物として禁止される物質の整理が示されています。したがって、配合検討の段階でこの規程との照合が必要です。

微生物規格

微生物規格についても注意が必要です。BPOMは加工食品中の微生物汚染から国民を保護するため、必要に応じて規格改正を行います。古い社内基準や以前使った規格表をそのまま流用せず、登録時点だけでなく、継続的な適合確認が必要になります。

情報不適合時のリスク

申請時に提出したラベルや成分、製品仕様が、BPOMの基準や実際の製品内容と一致していない場合、回収、廃棄、業務停止、輸入者推薦の凍結などの行政措置が取られる可能性があります。

単に「その商品が売れなくなる」だけではなく、輸入事業そのものに影響が及ぶ可能性があるため、注意が必要です。

【補足】輸入規制がある食品・個別確認が必要な食品の例

ハラールマーク・BPOM流通許可番号・SNIマークが印刷された袋麺のパッケージ
ハラールマーク・BPOM流通許可番号・SNIマークが印刷された袋麺のパッケージ

ハラール認証・表示の義務化

輸入食品では、BPOM登録のほかにも、ハラール義務化の動きが大きく影響します。インドネシアでは飲食料品について2024年10月17日から段階的に義務化が進んでおり、輸入品についても、原則遅くとも2026年10月17日までに、ハラール認証の取得が必要になります。

ハラール義務化:国内で流通させる特定カテゴリーの製品(食料品など)は原則ハラール認証が必要で、非ハラール製品(禁忌成分に由来する製品)には非ハラールである旨の表示をする必要があります。

SNI(インドネシア国家規格)への適合が必要な食品

加工食品の中には、ミネラルウォーター類やでんぷん製品など、SNI(インドネシア国家規格)への適合が必要になるものがあります。これらの製品はBPOM登録とは別に、規格適合証明が必要です。

また、前述のとおり、SNIの義務対象となる加工食品は、BPOM登録上も「中高リスク」として扱われます。

特別用途食品(乳児用・医療用途など)

乳児用食品、低アレルゲン食品、病者向け栄養食品などは「特別な栄養用途の加工食品」に分類されます。

これらの製品は一般的な加工食品とは別枠で扱われ、独立した規制対象になっています。BPOMの分類では高リスク食品に入り、追加要件や、より厳格な資料提出が必要になる可能性があります。

境界があいまいな製品

機能性を強くうたう食品は、境界が曖昧になりやすいため、注意が必要です。

例えば、健康食品として売りたい商品は、効能の出し方や成分によって、一般食品ではなく健康補助食品(サプリメント類)や、場合によっては医薬品・伝統医薬品に近い扱いになる可能性があります。

製品カテゴリーが違うと登録申請の方法も違ってくるため、あいまいな点をそのままにせず、最初に「加工食品のこのカテゴリーの製品だ」ということを確定させて手続きに入ることが重要です。

映像でみるインドネシアの食品BPOM登録

輸入食品が豊富なスーパー

輸入食品が豊富なインドネシアのスーパー

こちらは、西ジャワ州バンドンの商業施設Sumbersari Junction(スンベルサリ・ジャンクション)のスーパーマーケットです。このスーパーマーケットでは国別に輸入食品売り場が設けられていることがわかります。スナック類を始め、インスタントやボトル入りの飲料、お茶、インスタント麺、調味料などが所狭しと並んでいます。

飲食料品の大規模展示会

ジャカルタの飲食料品の大規模展示会

こちらはジャカルタ・インターナショナルエキスポで開催された、飲食料品の国際展示会の様子です。日本を含め、さまざまな国から輸入された飲食料品が幅広く展示・販売されています。

いくつかの製品のパッケージには、BPOMの登録番号などが記載されたラベルが貼られていることがわかります。

輸入食品のBPOM登録は全体設計が重要

インドネシアに加工食品を輸入事業は、「BPOM登録を取れば終わり」ではありません。

OSSでの事業体制整備、製品カテゴリーの確認、リスク区分の見極め、ラベルや成分の適合確認、輸入時のe-BPOM・税関手続まで含めて全体を設計することが重要です。

特に、同じ加工食品でも、カテゴリー、用途や表示、成分、規格の有無によって必要書類や手続きの難度が変わるため、日本で販売できている実績だけで判断するのは危険です。

輸入食品のBPOM対応では、制度を個別に追うだけでなく、「誰が申請主体になるのか」「どの区分で進めるのか」「どの書類形式が求められるのか」を早い段階で整理しておくことが、手戻りを減らす近道になります。

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