インドネシアで飲食店を開業するためのステップと許認可

公開
2026/03/20
更新
2026/03/23
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インドネシアで飲食店を開業するためのステップは、会社を作ればすぐに営業できるわけではなく、建物が飲食店に適しているか、衛生面の条件を満たせるか、地域ごとのルールに対応できるかなど、事前に確認すべきことが多くあります

特に日本企業にとっては、どの順番で何を進めるかを最初に整理しておくことが、開業をスムーズに進めるうえで大切です。

そこで本記事では、インドネシアで飲食店を始める際の全体像を、順を追ってわかりやすく整理します。

インドネシアで飲食店を開業するための全体像

インドネシアで飲食店を開業するための全体像

飲食店開業のステップ

インドネシアで飲食店を開業するためのステップは、大まかには以下のとおりです。

  1. 出店方針の整理(レストラン / カフェ / バー、アルコールの有無、出店エリア)
  2. 物件と建物書類の確認(PBG / SLFの確認)
  3. 法人設立または既存法人・支店の整備
  4. OSS上でのKBLI設定・NIB取得
  5. レストラン営業に必要な認証・衛生対応
  6. アルコールを扱う場合は追加の販売関連許可対応

インドネシアでの飲食店開業にあたってまず把握しておきたいのは、「会社を作る」ことと「店を営業できる状態にする」ことは別の工程だということです。プラットフォームも1つではなく、事業者情報やKBLI(事業コード)の登録は事業許認可の統合システム「OSS」、建物側の許認可や適合性は建築物管理情報システム「SIMBG」を中心に進みます。

なお、物件確認と建物用途の確認(上記2と3)、通常の営業許可とアルコール販売時の追加対応(上記6と7)など、実務上は、状況に応じて同時進行するものもあります。

【補足】
立地や土地利用条件によっては、OSS上でKKPR(空間利用適合性)の確認・手続きが必要になります。

外資系飲食店の「形態」の選択肢

ここで、日本企業がインドネシアで飲食店を開業するにあたって検討できる「形態」の選択肢を簡単に紹介します。

制度上可能な形態はたくさんあるものの、一般的なものとしては以下の4つでしょう。

自社で現地法人を設立して直営

自社で外資系株式会社(PT PMA)を設立する形態です。例えばスシローは、PT Indonesia Sushiro Restaurants を通して展開しており、本部関与の強い現地法人運営の例といえます。

現地パートナーとの合弁

現地企業との合弁企業(JV)を設立する方法です。例えば牛角は、日本のレインズインターナショナルとインドネシアのPT Marindo Boga(マリンド・ボガ)による合弁会社PT Reins Marindo Indonesiaを通じて展開されています。

なお、1%でも外国の資本が入ると、合弁でもPT PMAとして扱われます。

フランチャイズ / マスターフランチャイズ展開

インドネシアでも、飲食店のフランチャイズ制度は整備されており、外資・内資ともに一般的な進出形態の一つです。

このうちマスターフランチャイズは、海外ブランド本体がインドネシアの1社に地域独占的な権利を与え、その会社が自ら店舗を運営したり、さらに下位加盟店へ再展開したりする形です。例としては、丸亀製麺やミスタードーナツが挙げられます。

ブランドライセンス / 運営支援契約型展開

外資企業が現地企業にブランドや商標、レシピ、ノウハウなどの使用を許諾し、現地企業が自社名義で店舗を運営する形態です。例えばCoCo壱番屋は、現地企業PT Abadi Tunggal Lestariがインドネシアでライセンス保有者として展開しています。

【補足】
インドネシア進出の際は、ブランドライセンス型はもちろん、直営の場合でも「自社ブランド名」がインドネシアですでに登録されていないかを確認します。また、自社による商標登録(HAKI)の申請が強く推奨されます。

飲食店開業のための詳細を確認する前にインドネシア進出の全体像を整理したい方は、こちらから「インドネシア進出お役立ち資料3点セット」を無料でご覧いただけます。

インドネシアで飲食店を開業する場合、まず何から始めればよいですか?

まずは法人設立ではなく、出店方針の整理と物件確認から始めるのが基本です。特に、その建物を飲食店として適法に使えるかを早い段階で確認することが重要です。

インドネシアで飲食店を開業するにはどのような手順になりますか?

こちらの無料セミナーにてインドネシアにおける飲食ビジネスの始め方を解説しています。飲食店開業の手順はもちろん、ライセンス取得の注意点や運営のノウハウについても共有いたします。

ポイント① 物件と建物書類

飲食店開業のステップのうち、実務で遅れやすいのは法人設立そのものより、建物用途・図面・現地検査が絡む建物側の工程です。以下では、物件・建物の整備以降のステップについて、ポイントを整理します。

物件の確認

インドネシアでの新規出店では、 「その建物を本当に飲食店として使えるか」 の確認が非常に重要です。厨房、排水、換気、衛生、消防などの設備が関係し、単なる店舗や住宅兼店舗の建物が、そのまま飲食店として使えるとは限らないからです。

物件選定時に最低限見ておきたいのは、次のような資料です。

  • SHM / SHGB(土地・建物権利証)
  • IMB / PBG(建築許可)の用途
  • SLF(使用適格証明)の有無
  • 賃貸契約上、用途変更や改修に所有者が協力するか

これらは、後から許認可を取るための資料になるだけでなく、そもそもその物件で開業できるかを左右します。

出店エリア選びのポイント

インドネシア進出にあたり、「まずはジャカルタ」と考えるのは自然なことです。一方で、近隣都市を含むジャカルタ都市圏(通称JABODETABEK)は広く、人口流入、郊外開発、消費拡大により大きなビジネスチャンスがあります。

実例として、AEONは、2024年3月に開業した東南アジア最大のイオンモールAEON MALL Deltamas(西ジャワ州ブカシ県チカラン)で、日本食レストランの集積を前面に出しました。郊外でも日本食や中価格帯以上の外食需要を見込めることを示す材料といえます。

このように、ジャカルタの都心だけでなく、郊外モール、複合開発・住宅開発エリアも候補に入れると、可能性が広がります。

インドネシアでの飲食店開業手順についてまとめた資料はありますか?

こちらからお問い合わせをいただけましたら、資料や最新情報などを共有いたします。

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ポイント② IMB / PBG・SLFの確認

飲食店開業に向け、重要な許可・証明であるPBGとSLFについて紹介します。

以下ではPBGの用途変更やSLFの確認、不備に対する対処についても説明しますが、これらの対応には手間も時間もかかります。そのため、最初から「飲食店として使用できる物件」を選ぶことが、安全かつ迅速な飲食店開業に繋がります。

建物利用の中核「PBGとSLF」

インドネシアの飲食店開業で詰まりやすいのが、建物の用途と適法性の整備です。ショッピングモールなどの中に店舗を構える場合はあまり問題になりませんが、路面店や独立した建物の場合は念入りに確認する必要があります

PBG(建築許可、旧IMB)は、建物の新築・変更・増改築などに関する建築側の許可で、SLF(使用適格証明)はその建物が機能上適切に使えることを示す証明です。建物制度を定める2021年政令第16号の下で、PBGとSLFは建物利用の許認可の中核になっています。

例えば、物件を確保していても、建物用途が「住居・店」の場合、単に内装を整えて営業開始、というわけにはいきません。飲食店としての用途に合うようにPBG / IMBの用途変更を行い、その後SLF申請に進む、という流れになります。

【補足】
PBGについて、現地では今もIMBという以前の呼び方が残っていますが、制度上はPBGへ移行しています。

カギは建物所有者の協力

この段階で見落としやすいのが、賃貸物件でも建物の法的主体は所有者側にあるという点です。

用途変更や建物関連申請では、所有者名義、所有者の同意、委任状が重要になりやすく、借主だけで完結しないケースが多くなります。このため、建物主体との調整は、飲食店開業に向けて早めに始めるべきステップの一つです。

図面と設備の整合を確認

既存の建物を飲食店へ転用する場合、建物の外観や客席だけでなく、厨房レイアウト、排水・給水、電気容量、換気・排煙、消防設備が重要です。飲食店用途として必要な設備が不足していると、PBGの変更やSLF検査で手戻りが起きやすくなります。

SLFは建物が適切に機能するかどうかを見るものなので、現地検査や是正が入ると時間が延びがちになります。特に、設計図面と実際の工事内容がずれている場合、開業準備が遅れる原因になりやすく、注意が必要です。

電力容量と排水設備(廃棄物管理)

路面店の場合、既存の電力容量が飲食店に不十分なケースが多く、増設に多額の費用と時間がかかる可能性があります。ほかに、グリストラップの設置など、排水・廃棄物管理に関する基準確認が必要になることがあります。

ポイント③ 法人設立とKBLIの取得

代表的なKBLI

この記事の主役は飲食店「開業」なので、一般的な法人設立についての詳細は割愛しますが、ポイントは「会社を作ること」だけではなく「事業内容を正しく登録すること」 が重要ということです。まずは法人設立のフローを知りたいという方は下記の記事を参考にしてください

インドネシアでの法人設立の流れと実務ポイント:定款作成から事業開始まで

外資企業がインドネシアで株式会社(PT)を設立する際の全体像を整理しつつ、各ステップでつまずきやすいポイントや実務上の考え方を解説します。

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インドネシアでは、事業活動は KBLI(事業コード)で管理され、OSS上の許認可やPB UMKU(業種や取扱品目に応じて、NIBのほかに追加で必要になる個別許可)もこのコードに紐づきます。

飲食店が取得する代表的なKBLIとしては、次のようなものがあります。

  • 56101:レストラン
  • 56102:食堂・ワルン
  • 56301:バー
  • 56303:カフェ

見た目が近い店舗でも、事業内容によってKBLIと必要な追加許可が変わることがあります。したがって、日本企業が出店形態を決める際は、「レストランなのか、カフェなのか、バーに近いのか」 を早い段階で決めておくことが重要です。

これは単なる名称の問題ではなく、後の認証、衛生対応、酒類販売の追加許可にまで影響します。OSS上でも、業態ごとに関連PB UMKUが表示されます。

【補足】
KBLIは事業内容に応じて複数取得できます。

外資企業の払込資本金と投資額

外資企業には、設立時に最低25億ルピア(約2,300万円)の払込資本金が求められます

また、外資企業の投資額は、「土地および建物を除いて100億ルピア超(約9,300万円)」と規定されています。投資額は法人の数ではなく、原則としてKBLI(5桁)およびプロジェクト所在地ごとに判断されますが、業種によっては例外的な算定方法が適用されます。

例えば飲食業は、「KBLIの頭から2桁ごと、県・市レベルの立地ごとに、土地建物を除いて同100億ルピア超」とされています。つまり、「56101:レストラン」と「56303:カフェ」の2つのKBLIを取得した場合や、同じ県または市の中で複数の店舗を設立した場合、通常、投資額を追加する必要はありません。

【補足】
円表記は、2026年3月6日のレート(1ルピア=0.0093円)で換算したものです。

飲食業の外資規制

2021年の投資プライオリティリスト(ポジティブリスト)の導入により、インドネシアの飲食業は外資に広く開かれています。法令に則って設立される限り、レストラン、カフェ、バーなどは現行制度上、外資での進出が可能です。

一方、食堂・ワルンや屋台型の飲食は、レストランより小規模業態として運営されることも多いため、国内の小規模・零細事業者保護の関連から何らかの規制の対象になる可能性があります。そのため、実際に使うKBLIや投資規模が外資スキームに適合するかを個別に確認する必要があります。

法人設立や外資規制、必要な資本金などについて詳しく確認したい方は、こちらから法人設立資料をダウンロードしてみてください。

【補足】
ワルンなど小規模な食堂の経営主体は、多くの場合、法人ではなく個人事業主です。法人の飲食店と同様にOSSでNIBを取得しますが、純資産または売上ベースで判断される「零細・小規模事業」に分類され、かつ、「低リスク事業」に該当する場合、手続きは比較的簡略です。

インドネシアでは、NIBを取得すれば飲食店を営業できますか?

いいえ、NIBだけで直ちに営業できるとは限りません。飲食店では一般的に、リスク区分や業態に応じて、事業標準認証や衛生・サニテーション適格証明(SLHS)など、追加の証明や確認が必要になります。

ポイント④ 飲食店営業許可の取得

NIBの取得から飲食店営業開始までに整備する必要がある証明や許認可としては、IMB / PBG、SLFといった建物関連以外に、以下のようなものがあります。

  • 観光分野の事業標準認証
  • 保健当局の衛生・サニテーション適格証明
  • 必要に応じて環境・消防関連の追加対応
  • 必要に応じてアルコール販売の許認可・ハラール認証

NIBだけでは営業できない

インドネシアの飲食店開業で誤解されやすいのが、NIBを取ればすぐに営業できるわけではないという点です。

NIBは事業者の「基本ID」ですが、実際の飲食店営業では、事業のリスク区分や業態に応じて、追加の証明・認証や確認が必要になります。OSSでも、事業許可はリスクベースで整理されており、NIBのほかに標準証明や追加許可が求められる仕組みです。

リスク別に必要な証明・認証

OSSは各事業をリスク別に分類しており、飲食店もその形態や規模に応じて、低リスクから高リスクまで区分されます。また、同じKBLI「56101:レストラン」でも、座席数などに応じてリスク区分が変わります。リスクレベルが高いほど、営業開始前または営業開始後に満たすべき手続きが増える整理になっています。

例えば、KBLI 56101「レストラン」では、低リスクならNIB中心、中リスク以上ではNIBに加えて標準証明や衛生関連証明などが問題になります。また、地域によって運用が異なる場合もあります。

そのうえで、飲食店の開業に際して中心となる認証・証明は、次の2つです。

  • 事業標準認証(Sertifikat Standar Usaha)
  • 衛生・サニテーション適格証明(SLHS)

事業標準認証はOSS上で扱われる証明ですが、リスク区分によっては、その後に追加書類の提出や行政の検証を経て有効な状態になります。

また、衛生・サニテーション適格証明や、そのほかに必要となる認証・証明についても、OSSでの手続きと並行して、地方政府や関係当局による確認・発行が必要になる場合があります。

そのため、飲食店の営業許可プロセスは、OSSに加え、必要に応じて所管部署での手続きや確認を経ながら進みます。単一の「事業許可」があるわけではなく、業態や地域に応じて必要な認証・証明をそろえて営業開始に至る仕組みです。

事業標準認証

飲食店の事業標準は、施設、人材、製造・サービス、経営管理といった要素で構成されるため、箱だけ借りた段階では完結しません。なお、具体的な基準や必要要件は、レストラン、食堂・ワルン、バーなどの業態区分ごとに整理されています。認証取得の前提として、以下のようなものが挙げられます。

  • NIB
  • 自己評価フォーム
  • 内装工事完了
  • 厨房設備完了
  • テーブル・椅子の設置完了

認証を担うのは、レストランなど観光関連事業の標準認証を行う第三者認証機関であるLSUP(観光事業認証機関)やLSPr(製品認証機関)です。企業としては、「NIB取得後に書類を出せば終わる」わけではなく、現地監査に耐える店づくりが必要といえます。

衛生・サニテーション適格証明

衛生・サニテーション適格証明(SLHS:Sertifikat Laik Higiene Sanitasi)は、保健省が管轄し、地方政府が発行する、飲食店の衛生適格証明です。

SLHSの発行にあたっては、文書確認、現地検証・検査、スタッフ教育、必要に応じたサンプル検査などが行われます。

環境・消防・観光関連の追加対応

以上の2つに加え、場合によって追加で対応が必要になる証明・許認可をまとめます。

環境対応(SPPL、UKL-UPL、Amdal)

飲食店でも、事業内容や規模、立地条件によっては、環境対応が必要になります。特に中高リスク・高リスク事業では、環境文書の提出や関係当局での手続きが営業許可の前提になる場合があります。

OSSでは、申請時に環境パラメータを入力し、その結果に応じてSPPL、UKL-UPL、Amdal(それぞれ事業の環境負荷に応じて求められる環境文書・環境手続の区分)のいずれを満たすべきかが表示される仕組みです。

消防関連

飲食店は厨房や電気設備、ガス、来客動線を伴うため、消防安全の確認が問題になることがあります。特に、ショッピングモールなど施設内ではなく、既存の建物を自前で改装する路面店の場合は注意が必要です。

消防安全に関する技術基準は、建物の計画・建設・利用の各段階で火災防護設備や避難設備を備えることを求めています。また、地方自治体によっては火災安全証明書や消防関連の推薦・確認が、建物の適法利用や更新手続きの一部として扱われます。

地域によって必要な観光・PTSP関連の手続き

飲食店の営業許可はOSSだけで完結せず、地域によっては地方政府やワンドア統合サービス(PTSP)、観光分野の認証・確認が関わることがあります。

特に中高リスク以上では、OSSで事業標準認証が発行されても、その後に関係当局の検証を経て正式化される流れになる場合があるため、実務では地域ごとの運用確認が重要です。

例えば、バリ島の観光エリアの飲食店や特定のエリアのバーについては、市や県への登録や許認可の取得が、営業許可発行の要件に含まれるケースがあります。

物件確認から許認可取得、現地での実務対応まで個別に相談したい方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

インドネシアでアルコールを提供する飲食店は、通常の飲食店と何が違いますか?

アルコールを提供する場合は、通常の飲食店営業許可に加えて、SKPL-AやSKPL-B/C、アルコール販売場所許可などの追加対応が必要になります。物件選定の段階から、立地条件や自治体の運用を確認しておくことが重要です。

取得予定のビザについて、以下から詳しい情報を検索できます。

ビザ情報の検索
インドネシア進出の基本が
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●インドネシアの基本情報をまとめた資料
●法人設立の概要とフローをまとめた資料
●インドネシア経済の魅力をまとめた資料
1進出ブック
進出ハンドブック
2法人設立フロー
法人設立フロー
3経済の魅力
経済の魅力

ポイント⑤ アルコールとハラール認証

アルコールを提供する場合の追加対応

飲食店開業の実務上、アルコール提供の有無は最初に決めておくべきポイントです。

アルコール飲料の調達・流通・販売は、政府による管理対象となっており、通常の飲食店営業許可申請に加えて、別系統の確認・申請が必要になるためです。

アルコール販売のPB UMKUの例
  • SKPL-A:アルコール飲料A分類を店内で直接販売するための証明。
  • SKPL-B / C:アルコール飲料B分類・C分類を店内で直接販売するための証明。
  • アルコール販売場所許可:その店舗や場所が、酒類を販売できる場所として自治体等に認められるための許可。

アルコールを販売する飲食店の場合、物件選びの時点から追加要件の確認をしておくことが大切です。アルコールを扱う業態では、OSS上で関連するPB UMKUとしてSKPL-AやSKPL-B/Cが表示され、申請者はその要件に従って追加手続きを進めるようになっています。

【補足】
アルコール飲料のA/B/C分類は、主にアルコール度数によって定められています。

ゾーニング規制

アルコールを扱う飲食店については、宗教施設や学校から一定の距離が必要など、地方条例によっては厳しい立地規制があります。物件選定の段階で「その場所でアルコール販売場所許可を取得できるか」を事前に確認することが重要です。

ハラール / 非ハラール表示の義務

インドネシアでは、飲食料品に対するハラール(ハラル)認証義務が段階的に適用されており、食品・飲料分野では2024年10月18日から制度運用が進んでいます。

事業者区分や取扱内容によって経過措置は異なりますが、特に食品・飲料を扱う事業者は、原則として2026年10月17日が義務化の期限となることを踏まえ、対応を進める必要があります

ハラール認証の取得

飲食店がハラール認証を取得する場合は、特定のメニューだけでなく、提供する食品・飲料、使用原材料、調理・保管・提供の工程全体がハラール基準に適合しているかが確認されます。

したがって、認証店を目指す場合は、メニュー構成だけでなく、調味料や仕入れ先、調理オペレーションまで含めて設計する必要があります。

「非ハラール店」としての運営と明示義務

一方、非ハラールの原材料を使用する商品などは、ハラール認証義務の対象外ですが、非ハラールである旨を明確に表示することが求められます。

そのため、物件選定やコンセプト設計の段階で、ハラール認証の取得を目指すのか、非ハラールを明示して運営するのか を早めに決めておくことが重要です。メニュー設計や仕入れ、酒類提供の有無にも関わるため、後から方針を変えると実務負担が大きくなります。

インドネシアの飲食店開業の注意点

「会社を作れば開業できる」と考えない

もっとも大きな注意点です。前述のとおり、インドネシアの飲食店開業のための要件・準備は、

  • 会社設立
  • NIB・KBLI
  • 建物用途
  • PBG / SLF
  • 事業標準認証
  • 衛生サニテーション適格証明

という風に、複数の層に分かれています。システムもOSSとSIMBGにまたがるため、ひとつの窓口ですべて終わるわけではありません

物件選びと建物適法性確認は最初に

人通りや賃料の検討だけで先に契約してしまうと、後から用途変更が必要、SLF未取得、所有者が非協力的といった問題が出やすくなります。

日本企業の担当者が押さえるべきなのは、「物件がある」ことと「その物件で飲食店を合法的に営業できる」ことは別 だという点です。

詳細は案件ごとに確認する前提で進める

インドネシアでは中央法令の枠組みがあっても、地方政府、認証機関、保健局、建物の個別事情によって運用が変わる部分があります。

特に飲食店は、建物、衛生、観光、必要に応じてアルコール販売が交差するため、法令のストレートな解釈や一般論だけでは進められない場面が出てくる可能性があります。物件・業態・法人形態が固まった段階で、その後の許認可取得プロセスについては、個別確認するのが安全です。

映像でみるインドネシアの飲食店開業

一流店の衛生管理

ジャカルタの一流店の衛生管理

レストラン「August」は、「Asia’s 50 Best Restaurants」に選ばれた実績をもつ、ジャカルタの有名店です。この動画では、厨房を清潔に保つスチュワードチームの様子が紹介されています。シンク、コンロやオーブン、カトラリー、壁、そしてなべの底まで新品のようにピカピカです。

なお、インドネシアでは衛生管理に対する感覚や日常的な清掃習慣に個人差が大きく、日本企業の基準から見るとギャップを感じる場面もあります。飲食店では、現場任せにせず、清掃や衛生管理のルールを明確にしたうえで、スタッフへの教育を丁寧に行うことが重要です。

ショッピングモールのレストランエリア

ジャカルタのショッピングモールのレストランエリア

セントラル・パーク・モールは、大型複合施設「Podomoro City」内にある、西ジャカルタを代表する都市型ショッピングモールです。レストランエリアは広々としており、中庭に面したテラス席がある店舗もあります。

日系の飲食店としては、キムカツ、いしがまやハンバーグ、天丼てんや、いきなり!ステーキなどが出店しています。ショッピングモール内への出店は、建物や設備に関する確認や手続きの負担が軽いというメリットがります。

飲食店開業は「出店場所・許認可・開業準備」を一体で考える

インドネシアで飲食店を開業する際は、法人設立だけでなく、物件の適法性確認、適切なKBLI選択、営業許可、衛生証明、必要に応じた追加許可までを一連の流れとして整理することが重要です。

特に実務では、建物用途や現地検査、地方政府ごと・業態や規模など個別の事情に合わせた運用が開業スケジュールに大きく影響します。

飲食店は「良い物件を見つければすぐ始められる」事業ではなく、建物・営業・衛生・地域ルールが交差する分野です。開業準備では、物件契約や出店判断を急ぐ前に、どの許認可が必要になるかを見極め、順を追って進めることが成功の近道といえるでしょう。

インドネシアで会社を設立する際、予算と目的に合わせた設立方法があります。
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