インドネシアのエビ市場や人気のエビ料理と飲食店での活用方法

公開
2026/06/26
更新
2026/07/01
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インドネシアでエビは飲食店メニューに向いていますか?

向いています。インドネシアはエビの生産・輸出が盛んな国で、エビはローカルのシーフード店、食堂、カフェ、中華系インドネシア料理店、日本食店などで幅広く使われています。

インドネシアではどのようなエビが多く使われていますか?

代表的なのは、バナメイエビ(udang vaname)とブラックタイガー(udang windu)です。バナメイエビはクセが少なく、価格・調達・加工の面で使いやすいため、日常的な外食メニューに組み込みやすい食材です。一方、ブラックタイガーは見た目の存在感を出しやすく、グリルや高単価メニューにも向いています。

インドネシアでエビを扱う際の注意点は何ですか?

鮮度管理、コールドチェーン、仕入れ先の信頼性が重要です。加えて飲食店では、エビそのものだけでなく、みりん、料理酒、ソース、調理器具の共用、輸入原材料のハラール対応なども確認する必要があります。

飲食店の開業準備を相談する

インドネシアで飲食店を開く際、エビは「使いやすい食材」の一つです。日本食であればエビ天やエビフライ、ローカル向けであればサンバル(唐辛子ペースト)や甘辛いソースを使った料理など、メニュー化の幅が広く、味の調整もしやすいからです。

一方で、エビは鮮度・品質、仕入れ価格、ハラール対応など、実務上の確認点も多い食材です。

単に「インドネシアではエビが人気そうだから出す」という考え方ではなく、現地でどのように食べられているか、どの価格帯で出せるか、どの仕入れ先から安定的に調達できるかまで見ておくことが、飲食店のメニュー設計では重要になります。

インドネシアのエビ市場の現状

インドネシアのエビ料理
Udang Balado(ウダン・バラド:サンバル炒め)

インドネシアにおいて、エビは水産業の中でも重要な品目であり、各地で生産・養殖されています。インドネシア海洋水産省(KKP)は、エビを同国の主要な輸出水産物として位置付けています。

KKPの発表によると、2024年のインドネシアのエビ輸出額は16.8億米ドル(約2,716億円)、輸出量は21万4,580トンでした。またインドネシアは、エクアドル、インド、ベトナム、中国に次ぐ世界第5位のエビ輸出国とされています。輸出先としては米国が大きく、日本も主要な輸出相手国の一つです。

飲食店開業の視点では、国内にエビの生産・加工・流通の基盤があることはメリットになります。ただし、輸出需要が大きい食材でもあるため、サイズや品質によっては価格が変動しやすく、仕入れ先の選定が重要になります。

インドネシアでの飲食店出店では、食材だけでなく、法人設立、許認可、ハラール対応、現地パートナー選定も重要です。進出準備の全体像を知りたい方は、インドネシア進出ハンドブックを無料でダウンロードしてみてください。

【補足】
円表記は、2026年6月26日のレート(1ドル=161.66円)で換算したものです。

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インドネシア産エビの特徴

インドネシアで飲食店が扱いやすいエビとして、まず知っておきたいのがバナメイエビとブラックタイガーです。

淡白で扱いやすいバナメイエビ

バナメイエビは、インドネシア語でudang vaname(ウダン・ヴァナメ)と呼ばれます。白っぽい見た目でクセが少なく、揚げ物、炒め物、スープ、ソース料理などに使いやすいエビです。日本語では「シロアシエビ」とも呼ばれます。

日本食店であれば、エビ天、エビフライ、エビマヨ、エビチリ風、エビ載せラーメンなどに展開しやすいでしょう。ローカル向けであれば、バター炒め、甘酸っぱいソース、サンバル系の味付けとも相性が良い食材です。

存在感があるブラックタイガー

ブラックタイガーは、インドネシア語でudang windu(ウダン・ウィンドゥ)と呼ばれます。サイズ感や見た目の存在感を出しやすいため、グリル、シーフードプレート、殻付きのソース料理など、やや高単価なメニューに向いています。

日常メニューとしての使いやすさはバナメイエビ、見栄えやプレミアム感を重視するならブラックタイガーというイメージです。

インドネシアのエビ養殖

近年、インドネシア政府はエビ養殖の近代化にも力を入れています。

代表例が、スンバ島東部で進められている、統合養殖システム(ISF)によるエビ養殖池の開発です。このプログラムでは、養殖場の生産性を向上させるとともに、地元での大規模な雇用創出が目指されています。

また、中部ジャワ州Kebumen(クブメン)で進められている「地域型エビ養殖(BUBK:Budidaya Udang Berbasis Kawasan)」も挙げられます。クブメンのBUBKでは、水産養殖の適正管理基準(CBIB)、バイオセキュリティ、登録済み飼料の使用、抗生物質不使用、排水処理施設(IPAL)などを取り入れた養殖場運営が行われています。

KKPによると、インドネシアのエビ生産量は2022年の約91.8万トンから2024年には約95.2万トンへ増加しています。政府は今後も、従来型の養殖から、品質・衛生・環境対応を重視した近代的な養殖モデルへの転換を進めていく方針です。

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インドネシア人にとってのエビ

インドネシアでは、魚介類が日常的によく食べられています。エビも、インドネシア人にとって身近な魚介類ですが、イワシ類、コイ、ナマズなどに比べると「少し特別感のある食材」でもあります。

飲食店のメニューとしてのエビは、「ご飯に合う」「辛いソースと合う」「見た目に豪華さを出しやすい」という強みがあります。

また、日本食との相性も高い食材です。インドネシアでは、エビ天やエビフライのようなメニューで「ebi」という日本語由来の表記がそのまま使われることもあります。

日本食店にとっては、ローカル客に説明しやすく、かつ日本食らしさを出しやすい食材と言えるでしょう。「現地で受け入れられやすい」「日本食にもローカル料理にも使いやすい」「国内調達の選択肢がある」という点で、有力なメニュー素材になり得ます。

自社のエビ料理が現地の消費者に受け入れられるかを確認したい場合は、メニュー開発前に小規模な調査を行うのも有効です。弊社では、インドネシア人向けのアンケートやインタビューを含む市場調査サービスを提供しています。詳細はこちらから。

カジュアルにインドネシア進出を試した飲食店様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
  • 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
  • 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。

上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。飲食業であれば、貴社でもそれが可能です。

インドネシアでエビを使った人気の料理

Udang / Lobster Bakar(大型エビ / ロブスターのグリル)
Udang / Lobster Bakar(大型エビ / ロブスターのグリル)

インドネシアで飲食店を開くなら、ローカル店でどのようなエビ料理が食べられているかを把握しておくと、メニュー開発のヒントになります。

Udang Saus Padang(ウダン・サウス・パダン:甘辛ソース和え)

代表的なのが、ウダン・サウス・パダンです。シンガポールのチリクラブのエビ版といったイメージの料理で、赤〜オレンジ色の甘辛いソースをエビに絡めた、インドネシアのシーフード店の定番メニューです。

ローカルのシーフード店らしさが出る味付けで、白いご飯との相性も良い料理です。

Udang Balado(ウダン・バラド:サンバル炒め)

ウダン・バラドも、よく知られたエビ料理です。バラドは西スマトラ・ミナン系の唐辛子ソースで、赤唐辛子、にんにく、トマトなどを使った辛い味付けが特徴です。

辛い料理が好きなインドネシア人にとって、ご飯が進むおかずとして定番の人気メニューです。

Udang Goreng Tepung(ウダン・ゴレン・テプン:衣揚げ)

ウダン・ゴレン・テプンも、ローカル店と日本食店の両方で応用しやすい料理です。衣をつけて揚げたエビは、子どもや辛い料理が苦手な人にも食べやすく、マヨネーズ、甘酸っぱいソース、サンバル、タルタルソースなど、ソースのバリエーションを作りやすいのが特徴です。

ほかにもエビは、オイスターソースやバターを使った炒め物、スープ、ナシゴレン(炒飯)、ミーゴレン(焼きそば)など、さまざまな料理で親しまれています。

番外編:Udang / Lobster Bakar(大型エビ / ロブスターのグリル)

ビーチ沿いや海に近いシーフードレストランでは、バナメイエビのような小~中型のエビだけでなく、大型エビやロブスターを殻ごと焼いて提供するメニューも見られます。

特に有名なのは、バリ島のジンバラン周辺です。エビを炭火で焼き、ライムやサンバルと一緒に食べるスタイルが観光客にも人気の、特別感のあるシェアメニューです。

メニューのバリエーション・展開の例

インドネシアのエビメニューのバリエーション・展開の例

飲食店・メニューのタイプ別にまとめると、次のような方向性が考えられます。

  • ローカル寄り:Udang Saus Padang、Udang Baladoなど
  • 日本食寄り:エビ天、エビフライ、エビマヨ、エビ天丼など
  • ファミリー向け:エビの衣揚げ、甘酸っぱいソース、マヨネーズ系など
  • 観光地・シーフード店向け:大型エビやロブスターのグリルなど
  • 若年層向け:サンバルエビ丼、エビチーズ、サンバルマヨ、エビ入り麺料理など

特にインドネシアでは、辛さ、甘さ、にんにく、バター、サンバル、濃いソースの組み合わせが好まれやすいため、エビ料理でも味付けのローカライズを検討するとよいでしょう。

ただし、日本料理の場合は、無理に現地風の味付けを目指さず、サンバルなどの調味料やソースを別添えにすることで、客側が好みの味を選べるようにする方法もあります。

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エビ料理を出している日本食店

エビ載せうどん

Marugame Udon:天ぷら・うどん・丼で使われるエビ

Marugame Udon(丸亀製麺)では、エビは「天ぷら」メニューの一員です。単品の「Shrimp Tempura」の他、エビ天をトッピングしたうどんや丼ものも提供しています。

牛肉やチキンほど全面に出る主力食材ではないものの、日本食らしさを出すサイド・トッピングとして存在感があります。

回転寿司チェーン:寿司ネタから麺類まで幅広く展開

元気寿司、カッパ寿司、スシローなどの回転寿司チェーンでは、エビは寿司ネタの定番として扱われています。

ゆでエビ、炙りエビ、天ぷらなどが握り寿司や巻き寿司として提供されているほか、エビフライ、エビ天、えび天を載せたサラダ、うどん、丼ものを提供する店もあります。

サーモンやマグロに比べると主役感はやや弱いものの、バリエーションを作りやすい重要な定番ネタと言えます。

HokBen:弁当・キッズメニューで使いやすいエビフライ

インドネシア発の日本風弁当チェーンHokBen(ホック・ベン)では、エビはEbi Furaiとして単品メニューにあるほか、複数のセットメニューのおかずとしても組み込まれています。

HokBenの主力はチキンやビーフ系ですが、エビフライは「少し特別感のある揚げ物」として、弁当の満足度を上げる役割を担っています。また、エビフライはキッズメニューにも入っている点から、辛さに頼らず、子どもやファミリー層にも受け入れられやすい食材として使われていることがわかります。

Ichiban Sushi:ラーメン・揚げ物・期間限定メニューにも展開

ローカルの日本食チェーンIchiban Sushiでは、エビはエビフライロール(巻き寿司)、エビ天ラーメンや天ぷら盛り合わせ、定食のおかずの一部として採用されています。

ここでもエビは、チキン、ビーフ、サーモンに比べると、主役というより「バリエーションの一つ」という印象です。インドネシア発の日本食チェーンでは、エビは主役にも脇役にもできる柔軟な食材と言えます。

インドネシアの日本食店やローカル飲食店の実際のメニュー、価格帯、客層を確認したい方は、現地での視察が有効です。弊社では、店舗視察、通訳、車両手配、商談設定まで含めたインドネシア現地視察支援を行っています。

インドネシアでエビを扱う際の注意点

インドネシアの寿司

鮮度管理・トレーサビリティ

インドネシアでエビを扱う場合、まず重要なのは鮮度管理です。エビは傷みやすく、温度管理の影響を受けやすい食材です。冷凍エビを使う場合でも、仕入れ時の状態、冷凍保管の状態、適切な解凍方法、解凍後の再冷凍防止、調理までの時間管理を徹底する必要があります。

次に、トレーサビリティも確認しておきたい点です。トレーサビリティは、インドネシア国内の資源管理や漁業保護の観点に加え、品質、安全、ブランドイメージの面で、飲食店にとっても無視できないテーマです。仕入れ値ばかりを重視せず、こうした点で信頼できる仕入れ先を確保することが重要と言えます。

ハラール対応

ハラール対応も重要です。未加工の魚介類そのものは一般的にハラール食材として扱われますが、日本食店の場合、みりん、料理酒、アルコールを含むソース、調味料、同じ調理器具での交差接触などが問題になることがあります。

インドネシアでは、食品・飲料分野のハラール認証義務化が進んでいます。飲食店開業時には、ハラール対応を前提にメニュー設計をするか、非ハラール商品を扱う店としての表示や運用を行うかを、あらかじめ決めておく必要があります。

メニュー・価格設計

最後に、価格設計にも注意が必要です。

エビは見栄えが良く、単価を上げやすい一方、原価率も上がりやすい食材です。大きいエビを使えば写真映えしますが、売価が高くなります。小さめのエビを使えば価格は抑えられますが、見た目の満足感が下がることがあります。

中間所得層を含む幅広い消費者をターゲットとする業態の場合、必ずしも高級食材として扱う必要はありません。むしろ、エビ天、エビフライ、エビ載せラーメン、エビ天丼など、わかりやすく、写真映えし、ご飯のお供やセットメニューの一部として組み込みやすい形が向いていると言えそうです。

映像でみるインドネシアのエビ

近代化が進むインドネシアのエビ養殖

近代化が進むインドネシアのエビ養殖

こちらは、インドネシア海洋水産省(KKP)が中部ジャワ州クブメンで進めている「BUBK(地域型エビ養殖)」の様子を紹介する動画です。

KKPによると、2026年5月、クブメンのBUBKでは第8生産サイクルに入り、32区画の池から3回の部分収穫で合計46トンのバナメイエビを収穫しました。

インドネシア政府がエビの養殖の近代化や品質向上に力を入れている点も、日本企業が飲食店出店前に知っておきたいポイントです。

主役級のエビフライメニュー

主役級のエビフライメニュー

こちらの動画は、西ジャワ州チカランの日本食居酒屋「Iro Iro Chisou Japanese Izakaya Restaurant」のエビフライを紹介するものです。

動画では「KING EBI TEMPURA」として、大きなエビフライメニューが紹介されており、エビが写真映えする主役級メニューとして扱われていることがわかります。

チカランは日系企業が多く所在し、工場などで働く購買意欲の高いインドネシア人消費者も多いエリアです。日本食店にとっては、駐在員だけでなくローカル客にも伝わりやすい「大きなエビ」の見せ方が参考になります。

エビは業態とターゲットに合わせて使い分ける

インドネシアでエビは、飲食店のメニューに取り入れやすい食材です。国内ではバナメイエビやブラックタイガーが生産・養殖され、輸出産業としても重要な品目になっています。

ローカル店では、ご飯に合う濃い味付けのエビ料理が親しまれています。日本食店でも、エビ天、エビフライ、エビ載せラーメンなどに展開しやすく、現地消費者にも受け入れられやすい食材です。

一方で、エビは鮮度管理、冷蔵・冷凍、仕入れ先の信頼性、ハラール対応、価格設計など、実務上の確認点が多い食材でもあります。インドネシアで飲食店を開く場合は、人気メニューを真似るだけでなく、自社の業態、価格帯、ターゲット客層に合わせて、エビの使い方を設計することが重要です。

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