インドネシアのタコ市場や人気のタコ料理と飲食店での活用方法

公開
2026/07/04
更新
2026/07/04
この記事は約9分14秒で読めます。
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インドネシアでタコはよく食べられていますか?

インドネシアではタコは、エビやイカ、魚ほど日常的な食材ではないものの、シーフード料理、日本食、韓国料理、屋台系メニューなどで使われています。

インドネシア産タコにはどのような特徴がありますか?

インドネシア産タコは天然漁獲が中心で、主要種としてOctopus cyanea、いわゆるワモンダコが挙げられます。輸出量も多く、欧米やアジア向けの需要があります。

インドネシアで飲食店がタコを扱う場合、どのようなメニューが向いていますか?

ローカル向けには、焼き・辛味・甘辛ソース系の料理が向いています。日本食店ではたこ焼き、タコ唐揚げ、タコ寿司、たこわさなどが考えられますが、ハラール対応の有無によって使える調味料やメニュー設計が変わります。

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インドネシアにおいて、魚介類は多くの人に親しまれています。中でもタコは、日本食の「たこ焼き」や寿司を通じて、多くのインドネシア人がイメージしやすい食材です。また、辛味料理、シーフードグリルなどのローカル料理や韓国風の辛味炒めにも展開できます

一方で、漁期や産地によって品質・価格・サイズが変わりやすい点には注意が必要です。

本記事では、インドネシアのタコ市場の現状、現地での印象、人気料理、日本食店での使われ方、飲食店が扱う際の注意点を整理します。

【補足】
本記事の円表記は、2026年7月1日のレート(1ドル=162.67円、1ルピア=0.0091円)で換算したものです。また、各店舗情報は記事執筆時点のものです。

インドネシアのタコ市場の現状・特徴

インドネシアの刺身

輸出量は世界トップ10

インドネシア語でタコは「gurita」と呼ばれます。タコは、エビやマグロほどではないものの、輸出向け水産物としては一定の存在感があります。

インドネシアは、タコ類の漁獲量において世界10位以内に入ると言われています。また、輸出も盛んで、海洋保全NGOのBlue Venturesによると、年間約1万9,000トン、約9,000万米ドル(約146億4,030万円)規模の輸出があります(2020年時点)。輸出先としてはイタリア、米国、中国などが挙げられています。

インドネシア海洋水産省(KKP)の統計では、タコは「Cumi-Sotong-Gurita(イカ・コウイカ・タコ)」カテゴリーに含まれます。そのため、タコ単独の数値は確認しづらいものの、カテゴリー全体では、エビ、マグロ・カツオ・ソウダガツオ類に次いで輸出額が大きい、主要な水産輸出品の一つです。

インドネシア産タコは輸出向けに高く売れる食材でもあるため、高品質なものは輸出に回りやすく、国内の流通価格も国際市場の需給に引っ張られやすい構造があります。

主要種はワモンダコ

インドネシアで漁獲されるタコの中でも主要なのは、Octopus cyanea(ワモンダコ / シマダコ)です。ワモンダコは、日本でも沖縄や小笠原など南方海域で見られるタコです。

ワモンダコはマダコに比べるとサイズが大きく、肉が厚く、味にコクがあるのが特徴です。インドネシア産タコを日本式のタコ料理に使う場合、そのサイズや味・食感の特徴に合わせて、メニューや調理方法の調整が必要になる可能性があります。そのため、現地で仕入れる際は、サイズや食感、加熱後の硬さ・縮み方を確認することが重要です。

なお、ワモンダコのほかに、マダコやイイダコ類も流通しています。

小規模な漁が主流

インドネシアのタコ産地としては、東ヌサトゥンガラ、中央スラウェシ、東ジャワなどが挙げられます。

インドネシアのタコの産地

漁獲量の多くは小規模漁業者によって支えられています。伝統的な手釣り(疑似餌を使用)や水中銃(素潜り漁)、手作りのトラップなどを使って、環境に配慮しながら1匹ずつ丁寧に獲る手法が守られている地域もあります。

このことは、天然資源の保護、漁の持続可能性や伝統文化の確保という点では非常に重要です。一方で、インドネシアのタコは、現状では、地域ごとの漁業・水揚げ・流通に左右されやすい天然食材だということに注意する必要があるでしょう。

弊社では、インドネシアでの飲食店開業をゼロからサポートしています。具体的な計画に入る前の要件・課題の整理から市場調査、現地視察、許認可の取得や現地パートナー企業探しまでお手伝いできますので、まずはお気軽に、こちらからお問い合わせください。

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インドネシア人にとってのタコ

やや珍しい・特別感のある食材

インドネシアでは、タコはエビ、魚、イカのような「誰でも日常的に食べる定番食材」とまでは言いにくいものの、シーフード料理や外食メニューの中では十分に受け入れられる食材です。

特に海沿いの地域、観光地、シーフードレストラン、日本食店、韓国料理店などでは、タコを使った料理を見かけることがあります。

食感が好かれる

タコの特徴は、やはり食感です。

インドネシア語では、弾力のある食感を「kenyal(クニャル)」と表現します。「kenyal」はポジティブに使われることが多い言葉で、例えば、現地で人気の肉団子「bakso(バッソ)」、フィッシュケーキ「pempek(ペンペック)」、タピオカ、mochi(大福などの餅菓子)などは、「kenyal」であることがアピールポイントになる食品の代表例です。

タコの食感・歯ごたえも、適切に仕込めば「kenyalでおいしい」と受け止められる可能性があります。

韓国料理のイメージ

近年は、韓国料理ブームとの相性も見逃せません。インドネシアではK-POPや韓国ドラマの影響もあり、韓国料理への関心が広がっています。

韓国料理の中には、チュクミポックム(イイダコの辛味炒め)のような料理があり、ジャカルタ周辺でも小型タコを使った韓国風メニューを提供する飲食店が見られます。例えば、南ジャカルタのJJU-DOは、「Korean Spicy Octopus & BBQ」と銘打った人気店です。

タコをローカル向けに出す場合、日本食だけに寄せる必要はありません。むしろ、インドネシア人が親しんでいる甘辛ソース、韓国風の辛味炒め、SNS映えする丸ごとの「ベビーオクトパス(小型タコ)」など、現地の食文化や若者トレンドと組み合わせることで、メニューの幅が広がります

現地の消費者の好みや価格帯を確認したうえでメニューを作りたい場合は、事前調査が重要です。弊社では、インドネシア人向けのアンケート調査やヒアリングにも対応しています。市場調査サービスの詳細は、こちらからご覧ください。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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インドネシアでタコを使った人気の料理

ローカル店を前提にすると、タコは「焼く」「辛いソースで炒める」「甘辛く煮絡める」といった調理法と相性が良い食材です。

Gurita Bakar(グリタ・バカール:焼きタコ)

代表的な料理の一つが、グリタ・バカールです。これは焼きタコのことで、シーフードグリル系のメニューとしてわかりやすく、サンバル(唐辛子ペースト)や甘辛いソースと合わせやすい料理です。

Gurita Saus Padang(グリタ・サウス・パダン:甘辛ソース和え)

サウス・パダン(パダンソース)は、カニ、エビ、イカ、貝などのシーフードでよく使われる甘辛くスパイシーなソースです。シンガポールのチリクラブのように、濃いソースを魚介に絡めて食べるイメージで、白いご飯との相性も良い味付けです。

Gurita Rica-Rica(グリタ・リカリカ:スパイス炒め)

リカリカは、北スラウェシ州の州都マナドを代表する辛味料理として知られています。唐辛子、香味野菜、ハーブの風味が強いのが特徴です。タコのしっかりした食感と、辛味・香りの強いソースは相性が良く、ローカル寄りの居酒屋風メニューにも使えます。

Gurita Balado(グリタ・バラド:サンバル炒め)

グリタ・バラドも、インドネシアらしいタコ料理です。バラドは西スマトラ・ミナン系の唐辛子ソースですが、ジャカルタなど他の地域でもポピュラーで、魚、卵、鶏肉、エビなど幅広い食材に使われます。タコの場合も、白いご飯に合う惣菜・定食系メニューとして展開しやすいでしょう。

たこ焼き

日本食として認知度が高いのは、やはりたこ焼きです。ただし、インドネシアの大衆向けたこ焼きでは、コストを抑えるためにタコではなく、イカ、カニカマ、ソーセージ、チーズなどが使われる例もあります。

そのため、日系飲食店が「本物のタコを使ったたこ焼き」「大ぶりのタコ入り」と訴求することは、それだけで差別化になります。価格は上がりますが、品質感、日本らしさ、プレミアム感を出しやすいポイントです。

日本からは、銀だこがすでにインドネシア進出を果たしています。また、ローカルのたこ焼き専門店も増えています。

カジュアルにインドネシア進出を試した飲食店様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
  • 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
  • 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。

上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。飲食業であれば、貴社でもそれが可能です。

タコ料理を出している日本食店

インドネシアの寿司

現地系の日本食・寿司チェーン

インドネシアの日本食店でも、タコを使ったメニューは見られます。シンガポール発祥の日本食レストランチェーンSushi Tei(すし亭)や、インドネシアのIchiban Sushiは、たこ焼きや中華風イイダコを提供しています。店舗・時期によっては、茹でタコの握りも見られます。

日系回転寿司チェーン

元気寿司、かっぱ寿司、スシローといった日系の回転寿司チェーンでも、中華風イイダコはよく見られるメニューです。

また、茹でタコの握りが提供されているのも日系チェーンらしい点ですが、刺身はあまり見かけません。大衆向けの日本食店におけるタコメニューとしては、たこ焼きと中華風イイダコが中心と言えます。

生の魚介類を食べない人も多いインドネシアでは、寿司チェーンでも刺身メニューは多くありません。だいたいはサーモンかマグロで、タコはまだ、刺身としては一般的ではないようです。

居酒屋・日本食店

インドネシアでは、サーモン、マグロ、エビなどに比べると存在感が薄いタコですが、専門店ではメニューのバリエーションも広がります。

代表的な業態として、居酒屋が挙げられます。日本の居酒屋風の飲食店はジャカルタなどインドネシアの都市部でも人気で、「Izakaya」を店名に冠する店もあります。こうした居酒屋では、たこわさ、タコぶつ、酢の物などのおつまみがよく提供されています。

また、日本人など生の海鮮を食べられる層をターゲットとする店では、タコの刺身が提供されている例もあります。もちろん、中華風イイダコやたこ焼きも定番です。

例えば、ジャカルタとチカランに3店舗を展開するSUMIBI Japanese Restaurantでは、タコの刺身、和え物、「たこ焼き天ぷら」などが提供されています(メニューは店舗ごとに異なる)。

ここまで見てもわかるとおり、ソースや具をアレンジできるタコ焼き以外では、日本のタコ料理のローカライズはまだあまり進んでいません。日本料理は日本風のまま、特定の客層向けに細々と提供されている印象です。

  • 参考:SUMIBI Japanese Restaurant Instagram

インドネシアでの飲食店開業準備を進める際は、ぜひ現地に足を運んでみてください。弊社では、飲食店候補地、商業施設、競合店舗、現地パートナー訪問などを含むインドネシア現地視察の手配をサポートしています。

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インドネシアでタコを扱う際の注意点

インドネシアのたこ焼き

仕入れの安定性の確保

インドネシアでタコを扱う際、まず注意したいのが仕入れの安定性です。タコは天然漁獲が中心であり、産地、季節、天候、輸出需要によって価格と品質が変わりやすい食材です。

また、インドネシアのタコ漁は小規模漁業が中心であることを踏まえ、仕入れ先がどのようなサイズ基準や漁獲管理を行っているかを確認できると安心です。

通年メニューとしてタコを使う場合は、現地産の生鮮品だけに頼るのではなく、冷凍品、複数産地、サイズ違い、輸入品、代替メニューも含めて設計しておく方が現実的です。特にジャカルタなど都市部で飲食店を運営する場合、地方産地からの物流コストや冷凍品質が価格に反映されます。

コールドチェーンの確認

次に、コールドチェーンの確認が重要です。タコは仕込みによって食感が大きく変わるため、納品時の温度や包装状態から加熱後の状態まで、自社で確認することが重要です。

水産加工業者を確認する際は、「SKP」「HACCP」への対応状況も参考になります。SKPは、インドネシア海洋水産省(KKP)が発行する水産加工施設の適格性に関する証明書です。HACCPは国際的な衛生管理手法で、インドネシアの水産分野ではKKPがHACCP関連の認証を扱っています。

品質・食感を踏まえたメニュー設計

インドネシアの飲食店でタコを提供する場合、誰にどのような料理として提供するかを設計する必要があります。

タコを使ったメニューを考える際は、「日本式のタコ料理をそのまま出す」のではなく、ターゲットに合わせて見せ方を変えることが重要です。

ローカル層やファミリー層には、たこ焼き、タコ唐揚げ、焼きタコのほか、Saus PadangやBaladoのような味がはっきりしていて食べ方がわかりやすいメニューが向いています。調理の際は、硬くなりすぎないよう下処理や加熱時間の調整が必要です。

一方、日本人駐在員や日本食に慣れたインドネシア人、アルコールを楽しむ層を狙う場合は、たこわさ、タコぶつ、酢の物など、居酒屋のおつまみメニューが展開しやすくなります。刺身も選択肢に入るでしょう。

さらに若年層向けには、韓国風の辛味炒めや、丸ごとの小型タコを使ったSNS映えするメニューも候補になります。

出店エリア、客単価、ハラール(ハラル)対応の有無に合わせて、どの切り口でタコを見せるかを決めることが大切です。

ハラール対応

ハラール対応も重要です。タコを含む生の魚介類そのものは、一般的にハラール扱いで認証不要です。しかし、飲食店では、個別の食材やメニューではなく、店自体がハラール対応を求められます。

特に注意が必要なのが、調味料や料理工程です。みりん、料理酒、しょうゆ、アルコールを含むソース、ゼラチン、乳化剤、だし、調理器具や揚げ油の共用などが確認ポイントになります。

インドネシアではハラール認証義務化の流れにより、豚肉やアルコール類を提供する「非ハラール」飲食店以外はハラール対応が必要になります。

インドネシア進出の計画段階で、ハラール対応の店にするのか、規定に則り「非ハラール」表示をしたうえで豚肉やアルコール類を提供するのかを決めておく必要があります。

映像でみるインドネシアのタコ

SNSで話題のたこ焼き店

SNSで話題のたこ焼き店

Takoyaki Cornerは、ジャカルタとその周辺都市で展開する、たこ焼きを中心とした日本風スナックの店舗です。SNSでも話題になっており、店舗によっては行列ができるほどの人気を集めています。

動画は、西ジャワ州ボゴール(Bogor)のショッピングモール内にある店舗を紹介したものです。同店では、たこ焼きのほか、お好み焼きや餃子も提供されています。

たこ焼きは4個入り1万5,000ルピア(約137円)、7個入り2万ルピア(約182円)で、味はもちろん、安さも人気の理由です。具材はタコのほか、スモークビーフ、カニカマ、ミックスなども選べます。

白っぽく見えるソースは、インドネシアでよく使われる甘みのあるマヨネーズです。インドネシアの大衆向けタコ焼きのソースは、この白いマヨネーズと、チリソースの組み合わせが一般的です。

巨大焼きタコ屋台

巨大焼きタコ屋台

こちらは西ジャワ州Purwakarta(プルワカルタ)にあるGurita Bakar(焼きタコ)の屋台を紹介する動画です。Gurita Jumbo(巨大タコ)が8万ルピア(約728円)で販売されており、好みのソースを選んで味わうスタイルになっています。紹介者はお店のおすすめでSaus Padang(パダンソース)を選びました。

動画内では、紹介者が食べた直後に「kenyal」とコメントしています。Kenyalは、弾力がある、もちもち・コリコリしているといった意味で、食感を肯定的に表す言葉です。

タコの歯ごたえは、硬すぎないように仕込めば、インドネシアの消費者にとって魅力的な特徴として受け止められることがわかります。

タコ活用は仕入れとメニュー設計が鍵

インドネシアでタコは、エビや魚ほど日常的な主役食材ではないものの、シーフード料理、日本食、韓国料理、屋台メニューなどに展開しやすい食材です。インドネシア産タコは輸出向けにも扱われる高付加価値水産物であり、Octopus cyanea(ワモンダコ)を中心に天然漁獲が多い点が特徴です。

一方で、価格は国際需要に左右されやすく、産地・季節・冷凍品質によって仕入れの安定性も変わります。

飲食店で扱う場合は、ローカル料理に加え、韓国風の辛味炒め、たこ焼き、タコ唐揚げなどの展開が可能ですが、現地の味覚に合わせたメニュー設計が重要です。また、ハラール対応の有無によって、使える調味料やメニューの幅も変わります。

仕入れ先の衛生管理、コールドチェーン、解凍時の品質、食感の調整まで確認することで、タコはインドネシアの飲食店にとって差別化しやすい食材になります。

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