インドネシア抹茶市場の現状と日本産抹茶の輸出チャンス

公開
2026/06/29
更新
2026/06/30
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最も多いお悩みと回答

インドネシアで抹茶の需要は伸びていますか?

はい。インドネシアでは2022年頃から抹茶への関心が高まり、現在はカフェチェーン、抹茶専門店、ホテル、ベーカリー、日本食レストランなど幅広い業態で採用が進んでいます。

日本産抹茶はインドネシア市場で売れる可能性がありますか?

あります。ただし、低価格帯では中国産抹茶や業務用抹茶との競争が厳しいため、日本産抹茶は品質・産地・ストーリーを訴求できるプレミアム市場での展開が現実的です。

インドネシアで求められる抹茶はどのようなものですか?

高級店向けにはセレモニアルグレードなど高品質な抹茶が求められます。一方、カフェチェーンやマス向け商品では、鮮やかな色、甘みとの相性、価格と品質のバランスが重視されます。

抹茶輸出を相談する

インドネシアでは、抹茶が単なる日本風フレーバーではなく、カフェ・スイーツ・ホテル・高級飲食店まで広がる一つの飲食カテゴリーになりつつあります。

一方で、すべての抹茶が同じように受け入れられるわけではありません。マス向けには甘さや色味、価格とのバランスが重視され、高級店では産地や等級、ストーリー性が評価されるなど、狙う市場によって求められる条件は大きく異なります

本記事では、インドネシアで抹茶がどのように浸透しているのかを、業態・メニュー・消費者層の視点から整理します。輸出前の市場理解や、現地バイヤーとの商談準備にお役立てください。

【補足】
なお、本記事では輸出レギュレーション(検疫・関税・許認可手続きなど)には触れません。あくまでも「インドネシアで抹茶がどのように受け入れられているか」という市場感の理解を目的としています。

インドネシアにおける抹茶市場の現状

Google Trendsが示す需要の急拡大

Googleトレンドのデータ(インドネシア、2016年6月〜2026年5月)を確認すると、「matcha」という検索語の関心度は2022年頃から急上昇しています。ドバイチョコレートのような一時的なバズとは異なり、抹茶は数年にわたって上昇トレンドを持続している点が特徴的です。

Googleトレンドのデータから見る「matcha」の関心度

抹茶関連商品の広がり

ジャカルタでは現在も毎月のように話題の抹茶専門店が登場しており、地元フードメディアのNibble.idが2026年2月に掲載した記事「16 Cafe Matcha di Jakarta」では、16店舗の抹茶専門カフェが紹介されています。こうした専門店の増加は、抹茶がすでにニッチな流行を超えて市民権を得た選択肢であることを示しています。

飲料や菓子にとどまらず、抹茶ラーメンや抹茶を使った食事系メニューを提供する飲食店も登場しており、抹茶の用途はスイーツ・ドリンクの枠を超えて広がりつつあります。

インドネシアでは、抹茶が一部の日本好き向け商品ではなく、都市部の飲食・カフェ市場に広く浸透しつつあります。自社商品がどの業態に合うかを見極めるには、現地での売られ方や価格帯を確認することが重要です。インドネシア現地視察支援サービスの詳細は、こちらのページをご覧ください。

都市部と地方部の需要の違い

現時点では、抹茶人気は主にジャカルタ、バンドゥン、スラバヤといった大都市圏を中心に浸透しています。

一方、地方都市でも大手カフェチェーンやIndomaret、Alfamartに代表されるミニマート内の店内カフェを通じて抹茶ドリンクは提供されています。今後地方でも「こだわりのある抹茶専門店」が広がっていくかどうかは見どころでしょう。

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インドネシアで抹茶を採用している主な業態と人気メニュー

インドネシアの抹茶ドリンク

カフェチェーン——もはや抹茶のない店を探す方が難しい

低価格帯から高価格帯まで、カフェチェーンにおける抹茶の採用はほぼ当然のものとなっています。Kopi Kenangan、Fore Coffeeといった国内大手チェーンでは、抹茶ラテが定番メニューとして定着しています。

王道メニューは抹茶ラテですが、抹茶エスプレッソ、抹茶ヤクルト、抹茶ココナッツなど、インドネシアならではの組み合わせも多く見られます。フラッペや抹茶ソフトクリーム、「Sundae」と呼ばれるトッピング付きソフトクリーム、さらにはケーキ・ドーナッツなどのスイーツ類にも抹茶フレーバーが広く普及しています。

抹茶専門店——富裕層・知識層を対象にしたプレミアム市場

ジャカルタ市内には多数の抹茶専門カフェが存在します。

SCBD(スディルマン中央ビジネス地区)のUKI Matcha、GandariaCityモールのMatchaya、Kemang(クマン)のHakuji Tearoom(抹茶専門ではないが抹茶ドリンクで有名)など、個性的なスタイルを持つ専門店が各エリアに点在しています。

特に注目したいのが、南ジャカルタのASHTA District 8モールにあるMatcha Tokyoです。通常メニューは1杯7万5,000〜9万5,000ルピア(約668〜846円)ですが、GOLD BLENDと呼ばれる高級抹茶を使用したメニューは1杯23万5,000ルピア(約2,092円)と、日本の高級抹茶カフェ顔負けの価格帯です。

こうした店舗に足を運ぶ客層の中には、産地や等級を意識した「抹茶通」も少なくなく、日本人顔負けの抹茶知識を持つ消費者も存在します。

ジャカルタで見聞きする範囲でも、「インドネシアの抹茶は甘すぎる」「日本本来の抹茶は苦みがある」と認識している旅慣れた消費者に出会うことがあります。こうした層は、将来的な日本産プレミアム抹茶の有力な顧客候補となるでしょう。

【補足】
円表記は、2026年6月19日のレート(1ルピア=0.0089円)で換算したものです。

日本食レストラン・居酒屋

ジャカルタ市内の日本食レストランや居酒屋では、抹茶スイーツはすでに当たり前の存在です。抹茶アイス、抹茶パフェ、抹茶ティラミスなどがデザートメニューに並ぶのは一般的な光景となっています。飲食店向けに販売されるReady to Eat商品でも、抹茶商品はもはや定番でしょう。

ベーカリー・スイーツショップ

ベーカリーやスイーツ専門店での抹茶採用も盛んで、抹茶を軸にスイーツを厚めに展開する例もあります。

Feel Matchaは2026年2月時点でインドネシア国内に約22店舗を展開しており、ミルクレープ・チーズケーキなどで「first grade Japan ceremonial matcha(1等級日本産セレモニアル抹茶)」を使用しています。抹茶スイーツの需要の高さを示す事例の一つと言えるでしょう。

ホテル・高級飲食店

ホテルや高級レストランでも、デザートやアフタヌーンティーに抹茶を取り入れる店舗は少なくありません。特に外資系高級ホテルや日系ホテルでは、品質への要求水準が高く、日本産の高品質抹茶との親和性が高い業態と言えます。

食事系への展開——抹茶ラーメンという新潮流

スイーツ・ドリンク以外の用途として、抹茶を使ったラーメンを提供する店舗もジャカルタに登場しています。鶏白湯スープに抹茶を溶かし込んだスタイルが主流で、南ジャカルタTebet(テベット)のRoku Ramen、Kebayoran Baru(クバヨラン・バル)のRamen for the Soul、Grand IndonesiaモールのRamen Girlなどが代表例として挙げられます。

食事系への展開は現時点では限定的ですが、抹茶という食材の汎用性がインドネシアでも認識されつつあることを示す興味深い動向です。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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インドネシア市場で求められる抹茶の特徴

高級抹茶と業務用抹茶二極化する需要

インドネシアの抹茶需要は大きく二つの層に分かれます。

一方は、セレモニアルグレードや高等級の抹茶を求めるプレミアム層です。前述のMatcha Tokyo GOLD BLENDの例にあるように、富裕層・準富裕層を対象とした店舗では、品質を最優先に調達先を選ぶ傾向があります。

もう一方は、カフェチェーンや屋台系の移動販売店が使用する業務用抹茶です。この層が求めるのは価格と品質のバランスです。具体的には、鮮やかな緑色・適度な香り・甘みとのなじみやすさといった特性が重視される一方、苦みや旨味はマス層には「強すぎる」と感じられる場合もあります。

日本人が試せば「抹茶らしさが足りない」と感じるような甘みの強い商品が、インドネシアのマス向け市場ではちょうどよい塩梅とされていることは、生産者として認識しておきたいポイントです。

ハラール認証の必要性

インドネシアはイスラム教徒が人口の約9割を占め、世界最大数のイスラム教徒を抱える国家です。食品・飲料を大手取引先(カフェチェーン、ホテル、量販店など)に卸す場合、ハラール(ハラル)認証の取得は事実上必須の条件となります。

日本産の抹茶パウダーでもハラール認証済みの製品はすでに一般的です。例えば、伊藤園はBtoB向けにハラール認証付きの日本産抹茶パウダーを提供しています。ハラール認証の取得については輸出前に確認すべき重要な要件ですが、日本企業にとっても対応実績が蓄積されている分野です。

インドネシアでは、同じ抹茶でも高級店向けとマス向けで求められる品質・価格・味の設計が大きく異なります。自社製品の販売可能性やターゲット層を確認したい方は、弊社の市場調査サービス資料をこちらからダウンロードできます。

カジュアルにインドネシア進出を試した飲食店様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
  • 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
  • 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。

上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。飲食業であれば、貴社でもそれが可能です。

日本産抹茶はインドネシア市場で競争力があるのか

インドネシアの抹茶チェーンFeel Matcha

「JAPAN」ブランドの強み

インドネシアにおいて抹茶は「日本のもの」というイメージが強く定着しており、「日本産」という表記はそれ自体がブランド価値を持ちます。

前述のFeel Matchaが「日本産セレモニアル抹茶使用」を明記してマーケティングに活用しているように、産地の明示は消費者への訴求力に直結します。プレミアム市場においては、この「日本産」というラベルが価格設定の根拠にもなり得ます。

中国産抹茶との競合

一方で、現実的な課題もあります。インドネシア市場では消費財から農産物まで幅広いカテゴリーで「日本産を装った中国産製品」が流通しており、抹茶粉も例外ではないと考えられます。産地への関心が低い価格重視層に対しては、日本産であることの付加価値が伝わりにくく、低価格帯での競争は難しいと言わざるを得ません。

この傾向は今後さらに加速する可能性もあり、日本産抹茶が勝負すべき土俵は「産地・品質・ストーリーを重視する層」にあると考えるのが現実的ではないでしょうか。

プレミアム市場の可能性

インドネシアの人口は約2億8,000万人にのぼります。仮に富裕層・準富裕層が総人口の数%であっても、絶対数では数百万人規模の市場となります。

1杯2,000円超の抹茶ドリンクを購入できる消費者が都市部を中心に一定数存在するこの国では、日本の生産者でさえ自国市場で販売しにくいような高価格帯・希少品種の抹茶が受け入れられる可能性もあります。

ジャカルタの高級抹茶専門店を訪れる客層の中には、産地・農家・品種へのこだわりを持つ「抹茶通」が一定数いることを実感します。このような顧客と接点を持つバイヤー・ディストリビューターを見つけることが、プレミアム戦略の第一歩となるでしょう。

弊社ではインドネシアへの輸出販売ビジネス開始に向けた、現地パートナー企業候補とのマッチング・商談セッティングをお手伝いします。詳しくはこちらから。

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ぜ抹茶はインドネシアで定着したのか

インドネシアの抹茶ドリンク

インドネシアは、コーヒー大国としても広く知られています。スマトラ島のマンデリン、スラウェシ島のトラジャなど、世界的に評価される産地を持ち、国内では古くから日常的にコーヒーが飲まれてきました。

近年はサードウェーブコーヒーの影響を受け、Kopi Kenangan、Fore Coffeeといったスペシャルティ寄り×低価格な国内チェーンが急成長しており、グルメコーヒー市場としての成熟も進んでいます。

そこにミルクティー文化が加わりました。

元々Chattimeに代表されるミルクティーチェーンはインドネシア全土に浸透し、「甘いお茶系ドリンク」を日常的に飲む習慣が若年層を中心にすでに定着していました。さらに近年はChagee、Sanchaといった高価格帯のお茶系ドリンクブランドも都市部への進出を加速しており、飲料市場全体の「プレミアム化」も進んでいます。

こうした背景と並行しながら抹茶も登場。

コーヒーやお茶系ドリンクを多様な飲み方で日常的に飲む国。こう考えると、抹茶が新たな飲料カテゴリーとして受け入れられやすい土壌を元々持っていた市場と言えるのかもしれません。抹茶が一過性のブームにとどまらず定着しつつある背景には、こうした飲料文化の厚みがあるのでしょう。

日本産抹茶はプレミアム市場を狙える

インドネシアの抹茶市場は、Google Trendsのデータが示すとおり2022年以降に急拡大し、現在も高水準で推移しています。カフェチェーンから高級ホテル、ベーカリー、そして食事系メニューまで、抹茶の採用業態は多岐にわたります。

日本産抹茶にとっての主戦場は、価格で中国産に勝負するマス市場ではなく、品質・産地・ストーリーを価値として伝えられるプレミアム市場です。人口2億8,000万人の国でその層だけをターゲットにしても、十分な市場規模が存在します。

ハラール認証の取得と、現地プレミアム市場に精通したバイヤー・パートナーとの関係構築が、参入への現実的な第一歩となるでしょう。

インドネシア市場への参入を検討される際は、弊社のような現地視察や現地パートナー探しを支援している会社を活用いただくことも、一つの選択肢としてご検討ください。

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