インドネシアの介護者の80.8%が高齢者の家族
- 公開
- 2025/12/29
- 更新
- 2026/06/20
- この記事は約3分49秒で読めます。
インドネシアでは、介護は主に家族が担うものと認識されています。近年になって、老人ホームや高齢者向けサービスが増加してきましたが、有料の介護サービスを利用する高齢者はほんの一部です。
はじめに
本記事では、インドネシアの介護者(介護する人)事情について、データや動画をもとに紹介します。
数字でみるインドネシアの在宅介護
介護者の80.8%が高齢者の家族
インドネシアでは二世代、三世代同居の大家族が一般的で、「介護は家族がするもの」という価値観が根強く残っています。
インドネシア保健省の2023年の調査によると、介護が必要な人のうち、80.8%がもっとも近い家族・親戚から介護を受けています。例えば、配偶者、子ども、孫、甥や姪などです。
これに次いで多いのが家政婦で、12.9%。インドネシアでは家政婦やベビーシッターを雇う家も多く、住み込みで働くケースもあります。そのため介護を学んだ経験はなくても、長年家に勤めている家政婦が、家主の介護を引き受けることも多いようです。
さらに、介護士が1.3%、看護師が0.3%、「決まった介護者はいない」が4.7%となっています。
高齢化社会と介護の今後
インドネシアでは2045年には5人に1人が高齢者(60歳以上)になると予測されています。
インドネシアではこれまで、高齢者介護が社会的な課題になりにくい状況でした。それにはいくつかの要因があります。
上述の通り、大家族が多いことも一因です。さらに、2023年時点で男女平均寿命が73.9歳とされるインドネシアでは、介護が必要になる前に病気で亡くなる人も多かったことも挙げられます。
また、失業者が多く、家族の誰かが常に家にいる家庭が多いこと、特に地方では中卒や高卒後、若くして結婚した女性がその後専業主婦になるケースが多かったことも影響しているでしょう。
しかしそうした状況は、徐々に変化しています。
例えば、高齢者が増加し、若年層が減少しています。地方の若者は都市部に移住し、経済的に豊かな子ども世代や孫世代は親世代と同居しない傾向が強まりつつあります。
このような事情もあり、インドネシアでは、介護施設の整備、介護士の育成、誰もが利用しやすい介護制度の構築が求められています。同時に、高齢者自身やその家族が望む限り、家庭で介護を行えるような支援の必要性を指摘する声もあります。
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映像でみるインドネシアの在宅介護
母親を介護する息子

この男性は、母親を介護する様子をTikTokやInstagramで共有し、反響を呼びました。この動画は、母親が亡くなった直後の母の日に寄せたもの。二人の日常の様子がよくわかります。
男性はテレビ番組にも出演し、「母は神のような存在でした。母が怒るなら、神も怒っています。母が喜ぶなら、神も喜んでいます。神に幸せを願うなら、まずは母を幸せにしなければなりません」とコメントしています。
このような男性の投稿や発言は、家族の絆を大切にし、信心深い多くのインドネシア人の心に響いたことでしょう。
増える高級老人ホーム

さまざまな理由から、経済的に困窮しながらも家族のみで介護を担わなければならない家庭が多い一方で、介護サービスを利用する人も増えています。
こちらの動画は、ジャカルタ郊外の都市ボゴールにある高齢者向け住宅地「Rukun Senior Living」の様子を紹介しています。Rukun Senior Livingには50歳以上を対象とした高齢者住宅、認知症の高齢者向けケア施設、デイケア施設などが整備されています。
インドネシアの一般的な老人ホームの利用料金は月額400万ルピア(3万9,200円)程度ですが、Rukun Senior Livingの老人ホームは最も安い部屋でも月額1,950万ルピア(19万1,100円)です。ホテルとしても1日70万ルピア(6,860円)台から利用が可能です。
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家族とのつながりを大切にするインドネシアの介護者
「インドネシア人は家族を大切にする」とよく言われます。「社員が家族の用事ですぐに仕事を休む」といったエピソードは挙げ始めればきりがありません。
一方で、そのような価値観を持つインドネシア人は、介護士に向いていると注目されています。実際に、技能実習制度や特定技能制度を使って日本で働くインドネシア人介護士は年々増えています。
紹介してきたとおり、インドネシア国内では、まだまだ家族が介護を担っています。とはいえ今後は確実に、プロの介護士や多くの人が利用できる介護サービスの需要が、どんどん高まっていくでしょう。
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