インドネシアに移住するための主な選択肢と必要な準備
- 公開
- 2025/12/13
- 更新
- 2026/09/06
- この記事は約17分55秒で読めます。
インドネシアに「移住」するためには、渡航の目的に合ったビザを取得し、入国後に滞在許可(ITAS)を取得する必要があります。就労、結婚、投資など、選ぶルートによって要件や更新の仕組み、可能な活動範囲が大きく異なるため、最初に全体像を押さえておくことが大切です。
また、長期滞在では日本側のさまざまな手続も避けて通れません。必要な手続きを忘れたまま移住してしまうと、必要なサービスの利用に支障が出たり、不要な費用を払い続けなければならなくなったりします。
本記事では、主に現地採用やインドネシア人との結婚によりインドネシアに移住する方向けに、出発前後に必要となりやすい手続きを、注意点とあわせて整理します。
【補足】
本記事の円表記は、2025年12月12日のレート(1ルピア=0.0094円、1ドル=155.86円)で換算したものです。
インドネシアへ現地視察する際の注意点
「本当は工場を訪問して機械のメンテナンスをすることが目的だけど、ビザ取得が煩雑そうなので、とりあえず到着ビザ(VOA)でこっそりメンテナンスをしよう」と考える方もいます。
ところが、目的に合ったビザを取得しなかったことでトラブルに巻き込まれるケースを多数見聞きしてきたので、適切なビザを申請して訪問することを強くおすすめします。
「なぜバレるのか」という疑問がわくかもしれませんが、その1つとして宿泊施設と入国管理局(イミグレ)との連携があります。インドネシアでは外国人を宿泊・滞在させるときに、宿泊施設がイミグレに報告する義務があります。そこの連携が原因で目的外の活動をした際に、その行為がバレてしまうのです。
インドネシアに移住する主な選択肢
インドネシアに移住するためには適切なビザと滞在許可(一時滞在許可:ITAS)を取得する必要があります。目的や年齢、家族構成、職業などによって最適な選択肢は異なりますが、ここでは代表的な5つのルートを紹介します。
ビザにはそれぞれ有効期間と、更新できる回数の上限があります。移住を含む長期滞在の場合、ビザを上限まで更新し、その後も滞在を続ける場合はまたビザを再申請(取り直し)して、滞在を続けるのが一般的です(一部例外あり)。
ビザの種類によっては、日本にいる家族(親・子・兄弟姉妹)を帯同ビザで呼び寄せることも可能です。
【補足】
ビザの種類や要件は変更される場合があります。必ず最新情報を確認してください。
① インドネシア人と結婚 → ITAS取得
対象者
インドネシア人と結婚した外国人が対象で、取得ルートは主に次の3パターンです。
- 観光ビザ等で渡航 → 現地で結婚 → ITAS取得
- 海外で結婚 → 配偶者ビザ取得 → 渡航後にITAS取得
- 就労者向けITASなどから配偶者向けITASへ切替
有効期間・更新
一般的に、各種ビザに基づくITASの有効期間はビザの期間に準じます。
一方、インドネシア人配偶者が保証人(スポンサー)となるITASでは、入国時のビザを更新・再申請する必要はなく、ITASと、それに付随する数次出国再入国許可(MERP)を更新するだけで滞在を継続できます。結婚して2年以上になると、定住許可「ITAP」への変更も可能です。
ポイント
インドネシア人の配偶者向けITASの取得は、もっとも安定的に長期滞在できる方法の一つです。ただし、就労するには、別途就労ビザが必要です。
② 就労ビザ+ITAS
対象者
企業がスポンサーになり、インドネシアで働く外国人。
有効期間・更新
ビザの有効期間は6か月・1年・2年のいずれかで、更新可能です。ビザの有効期間に合わせてITASを取得します。
ポイント
インドネシアで働く外国人は、外国企業の駐在員も現地採用の外国人も、所属する企業をスポンサーとする就労ビザを取得します。基本的には、スポンサーがあり、働き続ける限りはビザおよびITASを更新または再取得できます。ただし、退職後もインドネシアに滞在したい場合は、別のビザに切り替える必要があります。
③ 投資家ビザ+ITAS(一般投資家ビザ:E28A)
対象者
事業を設立・運営する投資家、事業オーナー、経営者など。「100億ルピア(約9,400万円)以上の投資または上場企業への出資証明書」という投資要件があります。
有効期間・更新
ビザの有効期間は1年または2年で、更新可能。最長6年間滞在可能です。ビザの有効期間に合わせてITASを取得します。
ポイント
投資家や経営者がインドネシアに移住するためのルートです。E28Aビザを取得することで、投資家はインドネシア国内で現地法人を設立したり、既存の企業での事業運営を行うことができます。
④ 投資家ビザ(ゴールデンビザ:E28Bなど)
対象者
一定の収入・資産を持つ個人、投資家、専門的知識や実績を持つ人材、国際的に活動する人材など。
有効期間・更新
ゴールデンビザは5~10年の長期滞在ができ、ITASの申請不要(自動付与)の特別な投資家ビザです。出入国も簡略化され、空港で優先レーンを利用することができます。
ポイント
所有する株式や資産に関する審査があり、取得ハードルは高いものの、インドネシアでもっとも優遇されるビザの一つです。
⑤ 退職者ビザ+ITAS(リタイアメントビザ:E33F)
対象者
55歳以上の外国人(単身・夫婦可)。配偶者も別途ビザが必要です。就労は不可ですが、会議・商談などは認められています。過去3か月の銀行残高が最低2,000米ドル(約31万1,700円)、年金などの月収が最低3,000米ドル(約46万7,600円)あるという証明が必要です。
有効期間・更新
有効期間は1年で、最長6年まで更新できます。ビザの有効期間に合わせてITASを取得します。
ポイント
リタイアメントビザは海外収入または年金受給を前提としたビザであり、インドネシア国内での収益活動はできません。ただし、海外企業の運営に関する会議や商品購入など、一部のビジネス活動は可能です。
富裕層向け・退職者向けビザとしてはほかに、セカンドホームビザ(E33)やシルバーヘアビザ(E33E)もあります。それぞれ対象年齢や資産要件、有効期間、許可される活動内容が異なります。
一時滞在許可「ITAS/KITAS」と定住許可「ITAP/KITAP」について
ITAS(Izin Tinggal Terbatas)はインドネシアで一定期間暮らすための「一時滞在許可」で、移住を想定する場合は、滞在目的に合うビザとあわせて取得する必要があります。現在のITASはPDF形式で発行されますが、かつてカード型だった名残でKartu(カード)の「K」を冠したKITASという呼び方も残っています。
正式名称ではありませんが、どのビザに合わせたITASかによって、「結婚ITAS」「就労ITAS」などと呼び分けることもあります。
ITAP(Izin Tinggal Tetap)は、条件を満たすとITASから移行できる「定住許可」で、カード型はKITAPと呼ばれます。「定住」といっても最初の有効期間は5年で、引き続き滞在する場合は更新が必要です。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
インドネシア移住前の日本側の手続き(役所手続き関係)
海外転出届(住民票の除票)
海外に1年以上滞在する予定がある場合、海外転出届の提出は必須の手続きです。
提出するタイミングは、渡航日の2週間前〜当日まで。届出をすると住民票が除票され、日本の自治体の住民として扱われなくなります。これにより、国民健康保険・住民税の支払い義務はなくなります。
必要な手続き
市区町村役場へ本人確認書類を持参して転出届を提出します。郵送対応可能な自治体もあります。転出先は国名だけでよく、住所が決まっていなくても問題ありません。
注意点
転出届を早く出しすぎると住民票が除票され、日本国内での各種住所変更手続きや契約更新がしづらくなります。そのため、銀行・スマートフォン・保険など、必要な国内手続きが済んでから、できるだけ出国直前に提出するのが望ましいといえます。
なお、海外へ移住するなら原則住民票を抜く決まりではあるものの、抜かなくても罰則はありません。そのため、頻繁に帰国するので国民健康保険を残しておきたいなどの理由から、住民票を残しておく人もいます。ただしその場合は、国民健康保険料や住民税の支払い義務も残ります。
国民健康保険
国民健康保険(国保)は、「住民票が日本にあること」が加入条件になっています。そのため、海外転出届を提出すると加入資格を失い、脱退手続きが必要になります。住民票を抜くと保険料の支払い義務もなくなる一方、一時帰国時の医療費は全額自己負担になる点に注意が必要です。
必要な手続き
海外転出届を出した後、役場の窓口で国保脱退を届け出ます。これを行わないと、住民票がない状態でも保険料を請求されるおそれがあります。
住民票を残したまま国保に加入し続けるケース
住民票を残すと国保は継続し、保険料の支払いも必要です。「海外療養費支給制度」を利用できる自治体では、海外で支払った医療費の一部を帰国後に申請して受け取ることができます※。
【補足】
※海外療養費支給制度により医療費の一部を受給するための要件は自治体ごとに異なるため、事前確認が必要です。
注意点
一般的に、海外転出届だけで国民健康保険から自動的に脱退するわけではありません。自治体の案内に合わせ、必要に応じて忘れずに手続きしましょう。
国民年金
海外転出届を提出すると、国民年金の加入は「任意」になります。将来の受給額への影響も踏まえて、支払いを継続するかどうかを判断することが重要です。
必要な手続き
海外転出届を出すと、窓口で「国民年金に任意加入するかどうか」を確認されます。加入を続ける場合、国内の預貯金口座からの引き落とし、または家族などの協力者による納付方法が選べます。
なお、すでに年金を受け取っている人は、海外居住開始時に届け出れば、受給を継続できます。
注意点
年金納付期間が将来の受給額に影響するため、よく考えてから加入・脱退の判断をしましょう。まずは脱退し、後から支払いを再開する選択肢もありますが、未納期間が増える点に注意が必要です。任意で加入を続ける場合は、支払い手段を確実に確保しておきましょう。
マイナンバー
2024年5月27日以降、日本国籍の人であれば海外へ移住してもマイナンバーカードを継続利用できるようになりました。ただし、出国前の手続きを行わないとカードは失効してしまうため、移住準備の段階で仕組みを理解しておくことが重要です。
必要な手続き
市区町村役場の窓口で、マイナンバーカードと「個人番号カード国外継続利用申請書」を提出し、継続利用の申請を行います。申請の際は、パスポートも持参します。
この手続きにより、カードに「国外転出 ○年×月△日」と記載されます。また、ICチップ内の住所情報が海外用に書き換えられ、国外転出者向け電子証明書が付与されます。
注意点
出国前に継続利用手続きをしなかった場合、カードは転出日に失効します。失効してしまった場合は、国外転出後に「国外転出者向けマイナンバーカード」として新規申請する必要があります(2015年10月5日以降に転出した人が対象)。
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インドネシアの健康保険に日本人も加入できますか?
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インドネシアでは、ITASを所持する外国人も、国民健康保険制度「BPJS Kesehatan」に加入できます。6か月以上インドネシアに滞在する外国人は加入することになっており、就労者は会社経由で加入するのが一般的です。ただし、地域やBPJS事務所により運用に差があり、特に個人で加入する場合は、窓口で確認する必要があります。
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インドネシアに移住する際に、日本で済ませておくべき予防接種はありますか?
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インドネシアに滞在する前には、A型肝炎、B型肝炎、破傷風の予防接種が推奨されます。また、犬や野生動物との接触が予想される場合は狂犬病、農村部に滞在する場合は日本脳炎の予防接種も検討してください。最新情報・詳細は、厚生労働省のWebサイトなどで確認できます。
インドネシア移住前の日本側の手続き(その他)
銀行口座
インドネシア移住時、日本の銀行口座については「解約」「非居住者向けサービスへの切替」「代理人登録」など銀行ごとに対応が異なるため、出国前に必ず確認しましょう。
必要な手続き
住民票を抜くと非居住者扱いとなり、口座の解約を求められたり、一部手続きが制限されたりする場合があります。銀行によって扱いが大きく異なるため、出国前に確認が必須です。
就労ビザでインドネシアに滞在する方の場合、企業の給与振り込み先を確認しておきましょう。日本の口座の場合は、海外ATMで使えるデビットカードの準備や、オンライン送金の環境整備が欠かせません。
注意点
非居住者向けサービスがない銀行の場合、住民票を抜くと口座が利用できなくなる可能性があります。そのため、銀行関係の各種手続きは、海外転出届前にしておくことをおすすめします。また、非居住者向けサービスに申込期限がある場合もあるため、早めにリサーチしておきましょう。
利用予定がなければ解約も選択肢に入りますが、公共料金やクレジットカードの支払いが残っているケースもあります。また、インドネシアに銀行口座を持っていない段階ですべての預金を引き出すというのも現実的ではありません。
実際には、明らかに不要な口座は整理しつつ、「インドネシアでの生活が安定するまで、万が一に備えて日本の口座も1〜2つ残す」「将来の解約に向け、時間をかけて段階的に準備する」というのが現実的でしょう。
郵便
日本郵便では海外住所への転送はできないため、海外移住時は国内での管理方法を事前に決める必要があります。
必要な手続き
国内転居届(転送届)を提出すると、郵便物を国内の転送先(実家など)に1年間転送できます。これにより、帰国時に大切な書類を受け取れない事態を防げます。なお、e転居サービスを通じて転送期間の延長手続きも可能です。
クレジットカード
インドネシア移住時、日本で作ったクレジットカードを残すかどうかは、住民票と銀行口座の扱いで大きく変わります。
住民票を日本に残す場合は、そのまま利用できるケースが多い一方、海外転出届を出して住民票を除票すると、銀行口座が使えなくなり、それに紐づくカードも利用不可・解約となる可能性があります。
1年以上の長期滞在ではこのリスクが高まるため、「今のカードを移住後も使えるか」を出国前にカード会社へ確認しておくことが重要です。また、そもそも手持ちのカードが海外でも使えるかについても、確認する必要があります。
必要な手続き
まずはクレジットカード会社・紐づく金融機関に、非居住者でも利用を継続できるか確認することが重要です。解約しない場合は、登録住所を変更する必要があります。新しいカードや重要書類の発送先として、実家など日本で郵便物を受け取れる住所に変更しておきましょう。
なお、カードの有効期限が近い場合、更新を前倒しできるケースもあります。クレジットカード会社に確認してみましょう。
海外で使用できるクレジットカードを持っていない場合は、日本で新しいクレジットカードを作っておくのも選択肢の一つです。特定のカードが使えないケースを想定し、最低2枚のクレジットカードを持っていると安心です。
注意点
一般的に、日本発行のカードを海外利用すると手数料がかかるため、移住を含めた長期滞在では現地発行カードを併用した方が負担を抑えやすいといえます。海外で使用できる日本のクレジットカードをキープしつつ、将来的にはインドネシアでのカード発行を視野に入れるとよいでしょう。
なお、銀行口座と同じく、海外で利用できないクレジットカードでも、解約しないことにより罰則が発生することは基本的にはありません。そのため、特に年会費無料のカードの解約は急がず、様子を見ながら判断しても問題ありません。
一方で、もともと必要以上に多くのカードを所有している場合は、インドネシア移住を機に整理すると、将来の手間が省けます。
【補足】
民間の保険に加入している場合、同様に、今の保険に海外移住後も加入し続けられるかや、非居住者でも加入できる保険があるかを確認し、必要に応じて契約・解約を検討しましょう。
携帯電話 / スマートフォン
インドネシア移住時、日本で使っていたスマートフォンや電話番号をどう扱うかは、費用と利便性の両面で重要な検討事項です。日本のSIMカードを海外で使い続けると通信料が非常に高額になるため、基本的には解約・休止・番号保管などを検討する必要があります。
必要な手続き
現地のSIMカードを使うにはSIMフリー端末が必要です。契約中のキャリアでSIMロックを解除するか、SIMフリー端末を購入しましょう。
日本の電話番号が不要であれば、解約すれば毎月の費用がゼロになります。ただし、一度解約してしまうと、帰国後に同じ番号を再取得できません。番号を残したい人は、解約ではなく「休止」や「番号保管」を選ぶと安心です。
注意点
日本のスマートフォンの契約を残したまま海外で使うと、通信料が高額になる恐れがあります。日本にいるうちに様々な選択肢を検討しましょう。
一方で、端末自体の処分や買い替えは急ぐ必要はありません。現地のSIMカードが使えなくても、WiFi接続限定の端末として引き続き使うことはできます。
昨今は、SNSや通話アプリの普及で、日本の回線を止めても困らないケースが多くなっています。日本との接点があまりなくなる場合は、現地購入の端末とSIMカードがあれば、インドネシアでの生活に不自由することはありません。移住の目的や連絡手段に合わせて、解約・休止・保管のどれが最適かを、事前に整理しておくことが大切です。
【補足】
インドネシア国外で購入した携帯端末を90日以上SIMカードを入れて利用する場合、IMEI登録が必要です。IMEI登録は、税関のWebサイトからオンラインで可能です。
運転免許
日本の免許は帰国後にも必要になることが多く、また、日本での身分証明書としての機能もあるため、失効させないための管理が重要です。更新期間は誕生日の前後1か月と限られているため、移住時期と重なると更新できず、再取得が必要になるケースもあります。
必要な手続き
海外赴任・移住など「やむを得ない理由」がある場合、通常の更新期間より前でも免許更新が可能です。警察署や免許センターで、渡航予定を示す書類を提示して手続きします。
更新後は、優良・一般運転者は「更新日から5回目の誕生日+1か月」、違反・初回更新者は「3回目の誕生日+1か月」まで有効となり、長期間の海外滞在中も失効を避けられます。次にいつ帰国できるかが不確かな場合は、出国前更新が安心です。
なお、一時帰国のタイミングでも、更新期間前の免許更新が可能です。滞在先が免許記載住所と異なる場合は、実家などの滞在証明が必要です。もし失効していても、6か月以内であれば試験免除で再取得でき、3年以内でも「やむを得ない理由」が認められれば同様に免許試験が免除されます。
注意点
運転免許に関しては、うっかり更新期間を過ぎて失効させないことが最重要です。次の更新がいつなのか、早めに確認しておきましょう。
なお、日本の運転免許はインドネシアでは使用できないため、現地で運転する予定がある場合は別途インドネシアの免許手続きが必要です。
渡航前に準備するインドネシア側の手続き
ビザの取得
インドネシアに移住する場合、まずは、入国するために滞在目的に合ったビザを取得する必要があります。就労ビザ、投資家ビザ、リタイアメントビザなど種類は多岐にわたりますが、いずれもインドネシア入国管理局のオンラインシステムから申請します。
申請時に一般的に必要となる書類は次のとおりです。
- パスポート(残存期間:最低6か月以上)
- 証明写真
- 経済証明(残高証明など。ビザにより異なる)
- 招聘状・保証人情報(企業・配偶者など。ビザにより異なる)
パスポートは有効期間が1年未満であれば日本で更新できるため、6か月以上残っていても更新しておくと、移住直後に現地の大使館・領事館で更新手続きをする手間が省けます。
注意点
ビザ申請を勤務先などが代行してくれる場合は、求められた書類を提出するだけで済みますが、個人で準備する場合は注意が必要です。システムエラーや書類不備、祝日に伴う処理遅延などで、申請から承認まで1か月以上かかることもあるため、早めの準備が必須です。
正直、初めてのビザ申請を個人ですべて完結させるのは難易度が非常に高いです。ビザ申請に失敗して、入国できなくては元も子もありません。ご心配の方はここから必要なビザを確認して、弊社までご相談ください。
なお、ビザは発行後90日以内に入国しなければ無効となるため、スケジュール管理に注意してください。
滞在場所の確保
現地で住まいを探す予定がある場合、まずは1ヶ月ほど滞在する一時的な宿泊先を確保しておく必要があります。
インドネシアでは物件の写真と実物のギャップが大きいことが多く、また、騒音・渋滞・治安など、周辺環境は実際に見ないと判断できません。そのため、会社が手配してくれるケースや配偶者の家に住む場合など、既に住まいが決まっている場合を除き、現地で内見しながら決めるのが理想です。
宿泊先は、Expedia、Agoda、Booking.comなどの旅行予約サイトから簡単に予約できます。チェックイン時には次のような対応を求められることが多いため、準備しておくと安心です。
- 10万ルピア(約940円)程度のデポジット(現金またはクレジットカード)
- 支払いに使ったカードの提示
- パスポートの提示
インドネシア到着直後の移動が不安な場合は、宿泊予約と合わせて空港送迎を手配できるかどうかも確認してみましょう。
活動資金の準備
インドネシアでは、ITASを取得すれば銀行口座を開設できるようになります。口座開設後はWiseなどを利用して日本の銀行から送金できるため、長期的な資金管理もスムーズに行えます。
しかし、渡航直後〜口座開設までの期間は、日本側のカードや現金を使って生活費を確保する必要があります。この時期の主な資金調達方法は次のとおりです。
- 海外ATM対応のデビットカード・キャッシュカードで現金を引き出す
- クレジットカードを店舗で利用する
- 少額の日本円を持ち込み、必要に応じて両替する
多くの日本の銀行カードはインドネシアのATMでも利用できますが、「海外利用停止」の設定になっている場合もあります。事前に海外利用可否・限度額を確認しておきましょう。
現地では、クレジットカードに対応していない店や、反対に現金決済に対応していない店があるため、現金とカードの両方を用意できると安心です。
― ビジネス最前線の声
インドネシア到着後にすべきこと
住まい探し
無事にインドネシアに着いたあと、安定した生活の第一歩は、住まい探しです。
前述のとおり、日本にいながら条件に合う物件を探すのは難しく、セキュリティや設備については一度現地で誰かが確認しないと危険な場合もあります。
ある程度インドネシアに慣れている人の場合は、入国初日に何件か内見し、その場で契約してその日から住み始めるケースもありますが、到着後しばらくはホテルや一時滞在先に泊まりつつ、内見しながら決めるのが現実的です。
日本語話者がいないエリアでは、会社のインドネシア人スタッフやエージェントに候補をピックアップしてもらうと安心です。ある程度土地勘がある人は、事前に住宅情報サイトなどでリサーチしておくと、現地についてから効率的に探せます。
主な賃貸住宅のタイプ
コス:日本の賃貸アパートに近い下宿タイプの住宅
- 家賃は安め
- 1か月単位で滞在期間を決められる
- キッチンは共有がほとんど
アパートメント:賃貸マンション
- コスより家賃は高め
- ジムやプール付きの物件も多い
- 家具付きで、1年分家賃をまとめて支払うケースも一般的
サービスアパートメント
- 家賃は高め
- セキュリティ・サービス・施設が充実
- 日本語対応スタッフがいる物件もあり
同じタイプでも、エアコンやWiFiの有無など設備やサービスには大きな差があります。気になることがあれば事前にまとめておき、内見の際に質問できるようにしましょう。
滞在許可の申請
繰り返しになりますが、移住を見越した長期滞在の場合、適切なビザを使ってインドネシアに入国したあとは、滞在許可であるITASを取得する必要があります。入国後30日以内に手続きする必要があり、過ぎると罰金が科されます。
ITASの申請は、ビザ申請と同じオンラインシステムで行うことになっています。ビザ申請時に登録したアカウントが使用できるため、改めてのアカウント登録は不要です。
なお、ITASの場合、書類の提出から支払いまではオンラインで可能ですが、その後は写真撮影や指紋採取のために居住地域を管轄する入国管理局事務所へ出向く必要があります。
住民登録
ITAS所持者はあくまでも「一時的な滞在者」という扱いですが、居住地証明(SKTT)を居住地の県役所・市役所で取得する必要があります。申請は、ITASの発行日から14日営業日以内に行います。地域によっては申請がオンライン化されており、かえって時間がかかるケースがあるため、早めに着手しましょう。
SKTTの対象は17歳以上または既婚者です。SKTTの有効期間は、取得したITASの有効期間と同じです。ITASを更新する際は、SKTTも更新します。
在留届
海外に3か月以上滞在する日本人は、在留届の提出が法律上の義務となっています。提出しなくても日常生活は送れますが、緊急時の支援を受けられなくなるため、速やかに済ませましょう。
在留届は、現地の大使館・領事館に直接提出することもできますが、オンラインが便利です。オンラインの場合、到着90日前から提出できます。
在留届の目的とメリット
在留届は、現地でのトラブルや災害時に日本大使館・総領事館が安否確認や支援を行うための基礎情報になります。提出しておくことで次のようなメリットがあります。
- 現地の安全情報・生活情報がメールで配信される
- 事件・事故・災害時の迅速な支援を受けられる
- 在外選挙人名簿登録など領事窓口サービスの利用がスムーズになる
なお、在留届は、住所が決まっていなくても提出できます。
銀行口座の開設
インドネシアでの口座開設のための基本書類は、 有効なITAS(またはITAP)とパスポートの2点です。外国人への対応は支店ごとに差があり、ある支店で断られても別の支店では問題なく開設できることもあります。
口座は多くの場合当日中に開設できますが、カードの受け取りやモバイルバンキングの利用開始は翌日以降になることがあります。
口座開設後は、日本からWiseなどを利用した低コスト送金が可能になり、さらにQRIS(インドネシア全国共通のQR決済)を使えるようになると、買い物や食事の支払いが非常に便利になります。
インドネシアの主要銀行にはBRI、BNI、Mandiri、BCAなどがあります。いずれもモバイルバンキングサービスを提供しているため、一度設定してしまえばいつでもどこでも送金・支払いなどが一通り可能です。
注意点
モバイルバンキング登録には現地SIMカード(現地の電話番号)が必要なケースが多いため、まずはSIMカードを用意しておきましょう。
また、インドネシア語のやりとりや書類に不安がある方は、信頼できるインドネシア人に同行してもらうと安心です。
その他の手続き
以上のほか、必要に応じて以下のような手続きを行います。
スマートフォン・SIMカードの購入 / 開通
インドネシアでの生活では、オンライン手続きやQRコード決済が中心になるため、スマートフォンおよびSIMカードは、最初に整えるべきものの一つです。現地のSIMカードを使える端末を持ってプロバイダー(Telkomsel・XL・Indosat など)の店舗に行くと、スタッフが設定まで手伝ってくれます。
交通手段の利用準備
交通手段は地域によりますが、GojekやGrabといった配車アプリは使えると便利です。通勤や子どもの通学などに必要な場合、ドライバーを雇うことも選択肢に入ります。
BPJS健康保険への加入
会社員は、会社を通して加入します。その他のステータスで長期滞在する人も、個人で加入できます。最寄りのBPJS事務所で聞いてみましょう。
公共サービスの契約
住宅契約時に、電気代や水道代の支払い方法を確認しましょう。インドネシアでは上下水道の整備状況に地域差があり、水道料金はかからない地域も多くなっています。
また、料理に使うガス(ボンベ交換式が一般的)やミネラルウォーターをどこで手配するかも、早めに把握しておく必要があります。
お客様の声
インドネシア移住準備の注意点
ここまで紹介してきたインドネシア移住準備に関わる注意点のうち、特に重要なものをまとめます。
ビザ・滞在許可
- ビザ申請は早めの準備が安心。
- ビザは発行後90日以内に入国しないと無効になるので、発行タイミングと渡航日程の管理が重要。
- パスポートは残存期間6か月以上が必要だが、1年未満になったら日本で更新しておくと、現地での更新手続きの手間を減らせる。
- 就労ビザがない外国人の就労・収益活動は原則不可。
- 就労ビザの場合、退職後は別のビザに切り替える必要がある。
- ITASは入国後30日以内に申請しないと罰金の対象になる。
住民票・国保・年金・マイナンバー
- 海外転出届を出すと住民票が除票され、国民健康保険・住民税の支払い義務はなくなる一方、一時帰国時の医療費は全額自己負担になる。
- 国民健康保険は、海外転出届を出したあと脱退手続きが必要。
- 国民年金は、海外転出届を出すと任意加入になるため、加入を続けるかやめるかを慎重に検討する必要がある。
- マイナンバーカードは、出国前に「国外継続利用」の切替をしないと、転出日に失効する。
銀行口座・クレジットカード・郵便
- 日本の銀行口座は、非居住者の扱いが銀行ごとに異なり、住民票を抜くと解約・利用制限の対象になる場合があるため、事前確認が必須。
- 公共料金やクレジットカードの支払いが残っている場合、安易に口座を解約すると決済に支障が出るリスクがある。
- 日本郵便と多くのクレジットカード会社は海外への転送サービスをしていないため、実家など国内の別の住所を登録しておく必要がある。
- クレジットカードは、海外で利用できるか確認する。
通信・スマートフォン
- 日本のスマートフォンをそのまま海外ローミングで使うと、通話・データ通信が非常に高額になる。
- 現地SIMを使うには、SIMフリー端末またはSIMロック解除が必要。現地購入も検討。
運転免許
- 海外渡航が「やむを得ない理由」にあたる場合、更新期間前でも前倒し更新が可能だが、渡航予定の証明書類が必要。
- 日本の免許はインドネシアでは使えないので、現地で運転したい場合は別途インドネシアの免許が必要。
映像でみるインドネシア移住準備
ジャカルタ郊外の「アパートメント」

こちらは南ジャカルタの隣町、デポック市のアパートメントの内見の様子です。本記事で紹介したとおり、インドネシアで「アパートメント」とは、日本でいうところのマンションを指します。
こちらの新しいアパートメントは、ジャカルタへのアクセスがよい立地と、プール、ジョギングコース、コワーキングスペース、カラオケブース、プレイルーム、ジムなど、充実した設備が自慢。広い敷地内には大きなモスクもあります。
動画では、順番に、「子供部屋が2つの間取り」「寝室が2つの間取り」「スタジオタイプ(ワンルーム)」が紹介されています。賃貸住宅情報サイトによると、寝室2つの部屋の家賃は1か月3万5,000円前後。スタジオタイプは1万5,000円前後でした。
モバイルバンキングでATM利用

こちらの動画で紹介されているように、インドネシアの多くの銀行では、モバイルバンキングを使ってATMから現金を引き出せるようになっています。
インドネシアではキャッシュレス決済が普及しており、特に都市部では「現金をまったく持ち歩かなくなった」という人もいます。
そうなると、いざ現金が必要になったときに困るもの。少し前は、「近くにいる同僚や友人にモバイルバンキングからお金を振り込み、現金をもらう」という手段を取る人も多かったようですが、それももはや必要なくなりつつあるようです。
インドネシアで銀行口座を開設する際は、モバイルバンキングの設定もお忘れなく。
準備万端でインドネシア移住をスムーズに
インドネシア移住は、ビザの選択と更新の考え方を理解したうえで、日本側の手続きを計画的に進めることが成功のカギになります。海外転出届の提出タイミングを誤ると国内の各種手続きがしづらくなるため、銀行・スマートフォン・保険などを整理してから出国直前に行うのが基本です。
国保や年金、マイナンバーについてはよく考えたうえで、脱退や継続利用の申請を忘れないようにしましょう。
あなたのインドネシアでの新たな人生が、スムーズにスタートしますように。
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