特定技能「建設分野」の技能試験の試験内容、試験会場、申込方法など

公開
2025/01/26
更新
2025/02/08
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建設は、特定技能1号で特に多くの外国人が従事する分野の一つです。そのほとんどが元技能実習生で、現状では70%近くがベトナム人です。一方でインドネシア人も徐々に増えており、約10%を占めます。

そこで本記事では、特定技能1号「建設分野」の資格取得に必要な試験のうち技能試験について、その概要、試験内容、受験状況、申込方法などを、インドネシアの事情も織り交ぜながら紹介します。

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特定技能「建設分野」とは

特定技能「建設分野」の概要

2019年に開始された新たな外国人材の受入れのための在留資格「特定技能」は、深刻化する人手不足に対応するため、改善の取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れる制度です。

建設分野も、特定技能外国人の受け入れができる分野の一つです。

2024年6月時点で、3万1,853人の外国人が、特定技能1号「建設分野」の在留資格を持ち、日本で働いています。これは特定技能全体の人数の12.7%を占め、飲食料品製造業分野、工業用品製造業分野、介護分野に次いで多くなっています。

特定技能「建設分野」で働くインドネシア人

特定技能1号「建設分野」の3万1,853人のうち、66.8%にあたる2万1,291人がベトナム人です。次いで多いのはフィリピン人の3,206人、3番手がインドネシア人の3,075人で、全体の9.7%となっています。

建設分野は、介護分野、飲食料品製造業分野、農業分野、工業製品製造業分野に次いで、インドネシア人が5番目に多い分野です。また、インドネシア人が特に増えている分野でもあり、2022年6月からの2年間でその人数は5.2倍となっています。

参考:出入国在留管理庁
「特定技能在留外国人数の公表等|令和6年6月末特定技能1号在留外国人数第1表、第2表、第3表」/「特定技能1号在留外国人数第7表」
「特定技能在留外国人数の公表(令和4年以前)|令和4年6月末【概要版】」

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特定技能「建設分野」の試験の種類

特定技能1号「建設分野」の在留資格を取得するためには、以下の2つの試験に合格する必要があります。

  • 技能試験(土木、建設、ライフライン・設備)
  • 日本語試験(日本語能力試験(JLPT)のN4レベル以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic A2))

建設分野には、「土木」、「建設」、「ライフライン・設備」の3つの区分があり、それぞれに技能試験(建設分野特定技能評価試験)が設けられています。例えば「土木」の試験に合格し、在留資格を取った人は、「土木」の区分で認められた範囲の仕事に従事できますが、「建設」には携われません。

日本語試験は他の産業分野と同様、JLPT N4以上またはJFT-Basic A2のいずれかに合格する必要があります。

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特定技能「建設分野」の技能試験の試験内容

試験の水準

国土交通省は特定技能1号「建設分野」の技能試験の水準について、「技能検定3級相当の水準とし、図面を読み取り、指導者の指示・監督を受けながら、適切かつ安全に作業を行うための技能や安全に対する理解力等を有する者で、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識を問うものとする。」としています。

技能検定3級は、技能実習2号修了者が受験する試験です。これに合格することが、「技能実習2号を良好に修了した」と評価される条件の一つになっています。

試験の方式と内容


特定技能1号「建設分野」の技能試験は、試験会場のコンピュータを使用したコンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式で実施されます。問題数は合計50問(学科試験30問、実技試験20問)、試験時間は100分(学科60分、実技40分)です。出題形式は、真偽法および選択肢2~4つの選択問題です。

受験資格

特定技能の技能試験の受験には、試験実施日時点で「インドネシア国籍者の場合は18歳以上(ほかは17歳以上)」という年齢制限があります。

新しく在留資格を取得する人は、自国で試験を受けることになります。一方、すでに他の在留資格を有する人が新たに特定技能の資格を取得する場合は、日本国内で受験できます。土木区分で働いている人が建設区分の資格を追加で取得する場合なども、国内で受験できます。

試験免除

技能実習2号を良好に修了した外国人については、技能試験および日本語試験が免除されます。技能実習3号の修了者も、技能実習2号を良好に修了したことを前提としているため、試験免除となります。

現状では、インドネシア人を含め、特定技能1号「建設分野」に従事する外国人のほとんどが、試験が免除される元技能実習生です。

合格基準

特定技能1号「建設分野」の技能試験の合格基準は、以下の通りです。学科試験と実技試験それぞれが、合格点に達している必要があります。

  • 学科試験:合計点の65%
  • 実技試験:合計点の65%

参考:出入国在留管理庁「試験実施要領(分野別)|4建設分野」

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特定技能「建設分野」の技能試験の会場と日程

日本の試験会場

2025年1月時点で、日本では以下の都道府県において、政令指定都市を中心に試験会場が設置されています。毎月いずれかの会場で試験が実施されていますが、毎回すべての会場で受験できるわけではありません。

  • 東京都、愛知県、大阪府、福岡県、岡山県、栃木県、北海道、広島県、宮城県

1年間の試験実施予定は、建設分野特定技能1号評価試験公式ホームページ(https://jac-skill.or.jp/exam/)で確認できます。

インドネシアの試験会場

インドネシアでは、2023年7月から技能試験が開始され、以降はほぼ毎月実施されています。2023年度に試験が実施された都市は、以下の通りです。

  • ジャカルタ首都特別州
  • バンドン(西ジャワ州)
  • メダン(北スマトラ州)
  • スマラン(中部ジャワ州)
  • スラバヤ(東ジャワ州)
  • ジョグジャカルタ特別州
  • バリ島 ※2023年8月から

技能試験の試験会場や開催頻度はまだ限られていますが、国内外ともに会場の新設が進むなど、試験ルートでの採用を拡大していく動きもみられます。日本国外で試験がもっとも頻繁に行われているのはインドネシアとフィリピンで、他に、カンボジア、ネパール、タイ、ウズベキスタンなどでも実施されています。

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特定技能「建設分野」の技能試験の受験者数と合格率

日本の試験会場

  • 受験者数合計:1,287人
  • 合格者数合計:430人
  • トータルの合格率:33.4%

土木区分

実施月受験者数合格者数合格率
2023年4月30人11人36.7%
2023年5月28人9人32.1%
2023年6月20人7人35.0%
2023年7月18人 5人27.8%
2023年8月22人5人22.7%
2023年9月44人18人40.9%
2023年10月39人9人23.1%
2023年11月41人14人34.1%
2023年12月21人4人19.0%
2024年1月33人8人24.2%
2024年2月41人7人17.1%
2024年3月51人13人25.5%
受験者数合計:388人合格者数合計:110人全体の合格率:28.4%

建設区分

実施月受験者数合格者数合格率
2023年4月 54人21人38.9%
2023年5月47人16人34.0%
2023年6月46人17人37.0%
2023年7月52人22人42.3%
2023年8月44人18人40.9%
2023年9月53人22人41.5%
2023年10月55人23人41.8%
2023年11月75人18人24.0%
2023年12月53人14人26.4%
2024年1月52人15人28.8%
2024年2月56人15人26.8%
2024年3月57人12人21.1%
受験者数合計:644人合格者数合計:213人全体の合格率:33.1%

ライフライン・設備区分

実施月受験者数合格者数合格率
2023年4月23人8人34.8%
2023年5月24人14人58.3%
2023年6月 16人 10人 62.5%
2023年7月19人12人63.2%
2023年8月23人11人47.8%
2023年9月11人4人36.4%
2023年10月20人7人 35.0%
2023年11月25人7人28.0%
2023年12月 19人7人36.8%
2024年1月24人10人41.7%
2024年2月17人3人17.6%
2024年3月34人14人41.2%
受験者数合計:255人合格者数合計:107人全体の合格率:42.0%

インドネシアの試験会場

  • 受験者数合計:259人
  • 合格者数合計:98人
  • トータルの合格率:37.8%

土木区分

実施月受験者数合格者数合格率
2023年7月2人2人 100.0%
2023年8月5人 2人40.0%
2023年9月1人0人0.0%
2023年10月13人5人38.5%
2023年11月8人1人12.5%
2023年12月7人3人42.9%
2024年1月5人1人20.0%
2024年2月2人2人100.0%
受験者数合計:43人合格者数合計:16人全体の合格率:37.2%

建設区分

実施月受験者数合格者数合格率
2023年7月19人10人52.6%
2023年8月 36人11人30.6%
2023年9月8人3人37.5%
2023年10月9人1人11.1%
2023年11月6人3人50.0%
2023年12月44人23人52.3%
2024年1月9人2人22.2%
2024年2月25人10人40.0%
2024年3月18人7人38.9%
受験者数合計:174人合格者数合計:70人全体の合格率:40.2%

ライフライン・設備区分

実施月受験者数合格者数合格率
2023年7月1人0人0.0%
2023年8月11人5人45.5%
2023年12月9人0人0.0%
2024年1月15人5人33.3%
2024年2月2人1人50.0%
2024年3月4人1人25.0%
受験者数合計:42人合格者数合計:12人全体の合格率:28.6%

参考:出入国在留管理庁「試験実施状況報告書|令和5年度建設分野特定技能評価試験実施状況報告書」

インドネシアで人材ビジネスを行う上での投資規模感と設立形態

※右にスクロールできます

最低投資額
リスクの高低
準備期間
主な目的
1億円以上
4〜5ヶ月
本格的な進出
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1,000万円以上
3ヶ月前後
変則的な進出
こちら
100万円前後
1ヶ月以内
簡易的な進出
こちら

特定技能「建設分野」の技能試験の申込方法と受験料

申込方法と申込期限

日本の試験会場

日本国内で実施される技能試験を受ける場合は、試験の主催者団体である一般社団法人建設技能人材機構(JAC)が提供するスマホアプリ「JAC Members」で申し込みます(2025年1月から)。

キャンセルは試験の前日まで可能です。試験結果の確認や合格証の送付申請も、アプリ内で行えます。アプリの利用マニュアルはJACのWebサイトに掲載されています。

インドネシアの試験会場

インドネシアなど日本国外で技能試験を受験する場合は、プロメトリック株式会社のWebサイトを利用します。まずはIDを取得し、ログインすると試験申込ページが表示されます。申込ページから、現在申し込める試験日程や空席状況を確認できます。

申し込みや予約の変更は、試験日の59日前から試験日の3営業日前の23時59分(日本時間)まで可能です。試験日が土・日、日本の祝日の場合は、4営業日前までとなります。なお、試験受験後、45日間は次の受験ができません。

試験結果は、試験を実施したパソコン画面に表示されるほか、試験後5営業日以内に、試験を実施するプロメトリック社の専用Webサイトから確認できます。

受験料

特定技能1号「建設分野」の技能試験の受験料は、日本の会場が2,000円、インドネシアの会場が21万ルピア(2,040円)となっています(2024年度)。インドネシアの会場の受験料は、変更になることがあります。

【補足】
円表記は、2025年1月25日のレート(1ルピア=0.0097円)で換算したものです。

まとめ

建設現場で働く外国人は、技能実習生から特定技能外国人に移ってきています。本記事でも紹介した通り、今後は各国で試験を受け、特定技能外国人として初めて日本で働く人材も増えていくことが予想されます。現状ではベトナム人がその多くを占めますが、若者人口が多いインドネシア人材の活躍も、ますます期待されます。

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特定技能1号「建設分野」の外国人は何人いますか。

特定技能1号「建設分野」の在留資格をもち日本で働く外国人は、2024年6月時点で3万1,853人です。

特定技能1号「建設分野」のインドネシア人は何人いますか。

特定技能1号「建設分野」の在留死資格をもち日本で働くインドネシア人は、2024年6月時点で3,075人です。

特定技能1号「建設分野」の技能試験はインドネシアで受験できますか。

特定技能1号「建設分野」の技能試験は、2023年7月よりインドネシアでも受験できるようになりました。

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