インドネシアの「Koperasi(協同組合)」の定義、目的、種類
- 公開
- 2025/10/08
- 更新
- 2026/06/20
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インドネシアの「Koperasi(コペラシ:協同組合)」は、個人や法人が会員となり、相互扶助の精神に基づいて生活や事業を支え合うことを目的とする組織です。営利を目的とせず、組合員の福祉と地域経済の発展を目指す点が特徴で、農業・漁業・工芸・金融など多様な分野で活動しています。
本記事では、地域社会の経済活動を支える重要な仕組みとして機能するインドネシアのKoperasiについて、定義、目的、種類、事業内容などを紹介します。
インドネシアのKoperasiとは
Koperasiの定義
インドネシアでは、「Koperasi(コペラシ:協同組合)」と呼ばれる事業体が、社会や地域経済の中で大きな役割を担っています。Koperasiは、個人や法人が会員となり、組合員の経済的利益と福祉を向上させることを目的に設立される組織です。
Koperasiの制度を定めているのは1992年協同組合法で、同法によるとKoperasiはパンチャシラ(建国五原則)、1945年憲法第33条※、そして相互扶助や連帯意識を活動の基盤としています。
Koperasiは「組合員のニーズを満たすために活動し、利益を主目的としない」点が特徴です。例えば、日用品を安価に販売したり、資金を組合内で循環させて融資したりするなど、営利企業とは異なる性格を持ちます。
【補足】
※1945年憲法第33条は、インドネシアの経済が家族主義の原則に基づく共同の努力によって構成されることを明記しています。
Koperasiの原則
Koperasiの運営には、次のような原則が掲げられています。
- 会員資格は自由かつ公開(誰でも任意で加入できる)
- 民主的な運営
- 事業余剰金の公平な分配(貢献度に応じて)
- 出資金に対する配当は限定的
- 自主独立
- 協同組合教育の推進
- 協同組合間の協力
これらの原則は、Koperasiを単なる「小規模事業者の集まり」ではなく、持続的に成長しうる社会的経済運動として位置づけています。
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インドネシアのKoperasiにはどのような意義がありますか。
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インドネシアのKoperasi、つまり協同組合には、零細事業者や消費者などが集まり、利益を追求せず、組合員の福祉向上や経済的自立の促進など共通の目的の達成を目指すという意義があります。特に、立場の弱い零細事業者が多い一次産業分野では、地域の事業者がKoperasiを組織し連帯することには、大きな意味があります。
Koperasiの活動
Koperasiの目的
協同組合法第3条によれば、Koperasiの目的は大きく2つに整理できます。
- 組合員の福祉向上
- 社会全体の福祉と国民経済の発展
Koperasiの主たる目的は組合員自身の生活を豊かにすることです。その先に、活動を通じて社会全体の福祉や経済の基盤を強化することが期待されています。
Koperasiの機能と役割
法律に定められた協同組合の機能には、以下のものがあります。
- 組合員や社会全体の経済的・社会的福祉を高める
- 人々の生活の質を向上させる
- 国民経済の強化と安定に寄与する
- 家族主義と民主主義に基づく経済を実現する
さらに、具体的な役割としては、地域における雇用創出、地域産業の発展促進、教育支援、経済的自立の促進、経済民主主義の実現などが挙げられます。Koperasiは「地域社会の経済インフラ」として、多面的に機能しているのです。
Koperasiの種類と事業
インドネシアの協同組合「Koperasi」は、会員構成や事業内容によって以下のように分類されます。
会員構成による分類
- 一次協同組合(Koperasi Primer):20人以上の会員で設立
- 二次協同組合(Koperasi Sekunder):3つ以上の協同組合が連合して設立
事業内容による分類
- 村落協同組合(Koperasi Desa)
村民を会員とし、生活必需品の販売や貯蓄貸付を行う。 - 農業協同組合(Koperasi Pertanian)
農地所有者や農業労働者が会員。資金や資材を提供し、農産物を共同販売する。 - 畜産協同組合(Koperasi Peternakan)
畜産業に従事する事業者や労働者が会員。乳牛組合が乳製品を共同販売する例などがある。 - 漁業協同組合(Koperasi Perikanan)
漁業従事者や漁具所有者が会員。漁獲物や漁業資材の取引を共同で実施する。 - 工芸・産業協同組合(Koperasi Kerajinan/Industri)
製造業や工芸業の事業者・労働者が会員。伝統工芸品のほか、廃材を利用した製品を製造・販売する例もある。 - 貯蓄貸付協同組合(Koperasi Simpan Pinjam)
信用事業に関心のある人々が会員。資金を貯蓄し、低金利で融資する。市場商人による市場協同組合などがある。 - 消費協同組合(Koperasi Konsumsi)
消費活動に関わる人々が会員。生徒や教師が会員となり、制服や文房具を提供する学校協同組合などがある。
Koperasiはインドネシアの社会・経済に深く組み込まれており、農業や漁業といった一次産業から、工芸・教育・信用事業まで幅広い分野で活動しています。農業や工芸のKoperasiの中には、地元の産物や工芸品の輸出で実績をあげているところもあります。
日本の生協(生活協同組合)や農協(農業協同組合)に似ていますが、金融サービスの比重が比較的重い点が、インドネシアのKoperasiの特徴の一つといえます。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
映像で観るインドネシアのKoperasi
パイナップル協同組合

こちらは、南スマトラ州Prabumulih(プラブムリー)市の「Koperasi Miwa Pineapple(ミワ・パイナップル協同組合)」の様子です。国営エネルギー企業Pertamina(プルタミナ)の子会社であるPertamina Gas(プルタミナ・ガス)がCSR活動の一環で支援する同協同組合は、これまで農園の不要物として捨てられていたパイナップルの葉の有効利用に取り組んでいます。
ここでは1日におよそ500kgのパイナップルの葉が加工され、12.5kgの高品質なステープルコットン(短繊維)へと生まれ変わっています。このステープルコットンは、バッグや衣類、手工芸品の材料となります。さらに、抽出の過程で出る不要な部分は、家畜の飼料として再利用されています。
メラ・プティ協同組合

こちらは、中部ジャワ州のBawang(バワン)群に設置された「Koperasi Desa/Kelurahan Merah Putih(メラ・プティ協同組合)」の様子です。メラ・プティ協同組合は、インドネシア政府が推進する国民経済強化プログラムの一環として、プラボウォ大統領の指揮により設立された村・区単位の協同組合(村落協同組合)です。
2025年7月に発足式が行われたメラ・プティ協同組合は、モデル地区での設置および既存のKoperasiの再編・転用から始まり、全国約8万の村・区で段階的に設置される計画です。各地域の実情に合わせ、生活必需品の販売、農産物の流通、貯蓄・融資、医療・福祉サービスなどを統合的にてがけます。
メラ・プティ協同組合は、地域住民の参加と協力によって、所得向上と貧困削減を図る「地域経済の拠点」として期待されています。
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Koperasi Desa/Kelurahan Merah Putih(メラ・プティ協同組合)は、インドネシアのKoperasiの分類のうち、どれにあたりますか。
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プラボウォ大統領の指揮で2025年に設置が始まったメラ・プティ協同組合は、村民を会員とし、生活必需品の販売や貯蓄貸付を行う「村落協同組合(Koperasi Desa)」に分類されます。最初はモデル地区と既存の協同組合を活用できる地域でスタートし、段階的に全国約8万の村・区に設置することを目指します。
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ビジネス面でも重要なプレイヤー「Koperasi」
インドネシアのKoperasiは、単なる小規模事業体ではなく、国家の経済運営においても重要な意味を持つ社会的な組織です。
Koperasiは地域の中小零細事業者の経済活動を支える「拠点」であり、外資企業が農業資材、消費財、サービスを提供する際に取引先や販売チャネルとなることがあります。特に農業・漁業・畜産の分野では、協同組合を介した取引が一般的です。
また、事業が地域密着型であればあるほど、信頼形成という点でKoperasiとの連携が欠かせない場合があります。
取引や連携を目指す際は、Koperasiが営利目的の企業ではなく、組合員の福祉が最優先の組織であることに注意が必要です。価格設定や契約条件に「相互扶助」の論理が影響しやすいことを理解し、戦略的に関わっていくとよいでしょう。
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