インドネシアで鶏肉が人気な理由を宗教・価格・食文化で解説

公開
2026/03/08
更新
2026/03/08
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インドネシアで最も身近な食肉といえば、鶏肉です。

その背景には、

  1. イスラム教徒多数の国で豚肉が日常の選択肢になりにくいという宗教的な要因
  2. 牛肉より手頃な価格で買いやすいという経済的な要因
  3. 屋台からファストフード、家庭料理まで「ご飯と鶏肉」の組み合わせが生活に深く根付いているという食文化の要因

があります。

本記事では、インドネシアで鶏肉が人気な理由を「宗教・価格・食文化」の3つの視点から解説しつつ、代表的な鶏肉料理や日常の食べられ方も紹介します。

数字でみる鶏肉大国インドネシア

インドネシアは、鶏肉の供給力が非常に大きい国です。NFA(国家食料庁)の需給見通しでは2025年の鶏肉生産が約425万トン、一方で総消費必要量は約387万トンとされ、国内需要を上回る「余剰」が生じています

これを日本と比べると、農畜産業振興機構の資料(2023年)では、日本の鶏肉生産は170万トン、推定出回り量は230万トン(うち輸入約60万トン)。単純比較でも、インドネシアは日本の2倍超の生産規模になります。

一方の国民一人あたりの消費量は、庶民の経済力や食文化などの影響で、日本よりインドネシアが少なくなっています。

それでも、国内供給が厚い鶏肉がインドネシア人の主要なたんぱく源の一つであることは確かです。家でも外食でも鶏肉は当たり前の選択肢であり、インドネシアで鶏肉料理が広く親しまれる背景の一つといえるでしょう。

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インドネシアで鶏肉が選ばれやすい理由

インドネシアの鶏肉の供給力の背景には、もちろん需要があります。インドネシアで鶏肉が選ばれやすい主な理由としては、宗教と経済的な要因があります。

宗教(イスラム教)の影響で豚肉が日常の選択肢になりにくい

インドネシアではイスラム教徒が人口の大多数を占め、食の選択にイスラム教の戒律が強く影響します。豚肉はイスラム教で禁忌(ハラム)に位置づけられるため、そもそも多数派の食卓や外食の標準メニューとして広がりにくいのが現実です。

もちろん地域やコミュニティによっては豚肉文化もありますが、全国規模で見ると「誰にでも出せる・買える」肉としては採用しづらいといえます。ソーセージ、シュウマイ、餃子、肉まんなど、日本であれば豚肉(または牛肉)が使われそうなものでも、インドネシアでは主に鶏肉が使われます。

結果として、ハラール(ハラル、許されているという意味)であるという点で扱いやすい鶏肉が、家庭から外食まで共通の選択肢として入り込みやすくなります。

鶏肉は牛肉よりも安価

もう一つの大きな要因が価格です。

商業省のモニタリングによる全国小売価格(2026年1月)の例では、牛肉(後ろもも)が1キログラムあたり約14万ルピア(約1,300円)、鶏肉(ブロイラー)が約4万1,000ルピア(約380円)とされ、牛肉が鶏肉の約3.4倍という水準が示されています。

日々の献立では、同じ肉でも家計への負担が違うため、自然と無難で買いやすい鶏肉の登場頻度が高くなります。この価格差が、鶏肉人気を支える土台になっています。

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【補足】
円表記は、2026年2月27日のレート(1ルピア=0.0093円)で換算したものです。

インドネシアで鶏肉がよく食べられるのはなぜですか?

イスラム教徒が多数派のため豚肉は日常の選択肢になりにくく、牛肉は相対的に高価になりやすい一方で、鶏肉はハラール面で扱いやすく価格も手頃なため、家庭・屋台・外食まで幅広く浸透しています。

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インドネシアの鶏肉料理のバリエーション

インドネシアの鶏肉人気の理由として、3つ目に食文化の要因が挙げられます。因果関係としては、「入手しやすいから鶏肉を食べる文化が浸透した」のかもしれませんが、いずれにしても、インドネシアの鶏肉料理はとても多様です。

インドネシア語で鶏はayam(アヤム)といい、鶏肉を入れた料理は「〇〇アヤム」という名前になります。代表的なものをみていきましょう。

【揚げ鶏・焼き鶏】アヤム・ゴレン / アヤム・バカール

アヤㇺ・ゴレン
アヤㇺ・ゴレンのプレート

アヤム・ゴレン(揚げ鳥)は下味を付けた鶏肉を揚げる定番料理で、にんにく、コリアンダー、ターメリックなどの香辛料や塩で味を入れ、外はカリッと中はジューシーに仕上げます。素揚げが基本ですが、粉を薄くつけて揚げたものもあります。

派生形としては、アヤム・ゴレンを軽く潰して食べやすくし、サンバル(唐辛子ソース)をたっぷり添えてご飯と一緒に食べるayam penyet(アヤム・ペニェッ)が人気で、専門店もあります。

アヤム・バカール(焼き鶏)は香辛料+甘み(ケチャップマニスと呼ばれる甘だれが定番)を効かせて焼いたものです。

【焼き鳥】サテ・アヤム

焼き鳥、サテ・アヤム
サテ・アヤㇺとロントン

サテ・アヤム(焼き鳥)は鶏肉を一口大に切って串に刺し、炭火で香ばしく焼くインドネシア式焼き鳥です。地域によって味付けやソースは異なりますが、ジャカルタでは甘じょっぱいタレで味をつけ、ピーナッツソースで仕上げたものをよく見かけます。

付け合わせはロントン(米をバナナの葉(または筒状の包装)で包んで蒸し固めたもの)や白ご飯、きゅうり・玉ねぎのピクルス風(アチャール)が定番で、屋台から専門店まで幅広く出会えるメニューです。

【チキンカレー】オポール・アヤム / カリ・アヤム / グライ・アヤム

チキンカレー:オポール・アヤム、カリ・アヤム、グライ・アヤム
断食明け大祭の食事。手前がオポール・アヤㇺ

インドネシアのチキンカレー系料理は、香辛料の効いたココナッツミルク煮込みが中心です。

オポール・アヤムはココナッツのまろやかさとレモングラスやガランガル、ターメリックなどの香りが特徴です。カリ・アヤムはよりスパイス感が強く、辛さが出やすいインドネシア風チキンカレーです。

グライ・アヤムはカリの一種で、地域により異なりますが、一般的には赤唐辛子やたまねぎが多めで色が茶色に近く、濃厚な味になります。

【スープ】ソト・アヤム / ミー・アヤム

ソト・アヤㇺ
ソト・アヤムとご飯のセット

ソト・アヤムは鶏だしベースのスープで、ターメリックで黄色みを付けたやさしい味が多い定番料理。地域によっては、茶色かったり、ココナッツミルク入りで濁った色のスープになったりします。

具はほぐし鶏、春雨やビーフン、キャベツ等で、フライドオニオンやセロリ葉、ライムを絞って香りを足します。

ミー・アヤムは、中華麺に鶏そぼろや青菜をのせた透明なスープの汁麺(スープが別添えのものもあり)で、屋台でも手軽に食べられる日常食です。

【日本料理】

日本料理としては、唐揚げ、カツ、照り焼き、焼肉などが、その名称のままインドネシアでも浸透しています。唐揚げやカツは、オリジナルの衣の特徴を残しており、アヤㇺ・ゴレンやフライドチキンとは区別されます。

チキンメニューはファストフードの主役

インドネシアのファストフード店では、フライドチキンとご飯の組み合わせが、メインのメニューとなっています。

ハンバーガーチェーン

マクドナルド、バーガーキング、A&Wなど、インドネシアのハンバーガーチェーンでは、ハンバーガーとともに「フライドチキン+ご飯」が定番メニューとして並びます。

「食事は(パンではなく)ご飯」という人も多く、値段も手ごろなので、普段の外食メニューとして選ばれやすいのが特徴です。

店内飲食だけでなくテイクアウトやデリバリーでも注文され、サンバルなどで味に変化を付けられる点も魅力。学生からファミリーまで幅広く浸透しています。

フライドチキンチェーン

インドネシアのケンタッキー・フライド・チキン

KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)はインドネシアのファストフードの定番中の定番で、こちらでもフライドチキンのお供はご飯です。

インドネシア発のRicheese Factory(リッチーズ・ファクトリー)は、チーズソースをつけて食べる辛いフライドチキンで「映え」「刺激」の要素が強く、若者に人気です。

また、CFC(California Fried Chicken、チェー・エフ・チェー)はローカル色の強いチェーンで、ご飯やサンバルの種類を選べるなど、インドネシア人の好み合わせたメニュー展開と手頃な価格帯が特徴です。

テイクアウト専門フライドチキンチェーン

Sabana Fried Chicken(サバナ・フライドチキン)、Kaffah Fried Chicken(カファ・フライドチキン)のように、店舗の駐車場や路面に近い場所へ小さなカウンター型店舗を置き、フライドチキンをテイクアウト中心に売るチェーンも広がっています。

テイクアウト専門店は、学校や仕事の帰りに「おかず+ご飯」をさっと調達できるのが魅力です。レジでフライドチキンとご飯を売るコンビニもあり、このようなテイクアウトフライドチキンは、インドネシア人がご飯を簡単に済ませたいときの定番になっています。

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インドネシアのフライドチキンはなぜご飯と食べるのですか?

インドネシア人の多くは「食事=ご飯」という感覚が強く、フライドチキンも主菜として白ご飯と組み合わせるのが一般的です。サンバルなどで味を調整しやすく、手軽で満足感が高いことから、外食・中食・デリバリーでも定番になっています。

映像でみるインドネシアの鶏肉文化

マクドナルドのスパイシーチキン

マクドナルドのスパイシーチキン

インドネシアのマクドナルドのフライドチキンは「クリスピー」と「スパイシー」の2種類。時期によっては「韓国風ソイ・ガーリックチキン」や「インドネシア風カレーソースチキン」などの限定メニューが加わります。動画の女性は「スパイシー」を選択しました。

インドネシア人は辛いもの好きが多く、この女性のように、スパイシーチキンにサンバルをつけて食べたりもします。

断食明け大祭の定番メニュー「オポール・アヤム」を自宅で

断食明け大祭の定番メニュー「オポール・アヤム」を自宅で

オポール・アヤㇺは、ラマダン(断食月)あとの断食明け大祭の定番メニュー。ココナッツミルクで鶏肉をやさしく煮込む家庭料理で、「カリ(カレー)」より辛さが控えめです。

丸鶏とスパイスから仕込む人も多い一方で、現在はこちらの動画で紹介されているインスタントの「オポールの素」も人気です。「オポールの素」を炒めて香りを出し、鶏肉や豆腐・テンペを加えて煮込み、追加の調味料やココナッツミルクで仕上げます。

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鶏肉が無難で強いたんぱく源になる理由

インドネシアで鶏肉が選ばれやすいのは、宗教・価格・食文化が同じ方向を向いているからです。

ムスリムが多数派の社会では豚肉は広く普及しにくく、牛肉は相対的に高価になりがちです。その結果、鶏肉は「手に入りやすく、買いやすく、誰にでも出しやすい」肉として定着しました。

さらに、アヤム・ゴレンやサテ、ソトといった定番料理に加え、ファストフードでもフライドチキン+ご飯が主役級。家庭・屋台・外食のどこでも登場する日常食として、鶏肉はインドネシアの食生活を支えています。

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