インドネシアへ鶏肉を輸入するためのライセンスやプロセスの要点

公開
2026/03/01
更新
2026/06/20
この記事は約13分35秒で読めます。

インドネシアへ鶏肉を輸入するには、輸入ライセンス(API)とは別に、「商業省の輸入承認(PI)」とそれを取得するための「農業省の推薦」を揃える必要があります。

さらに、国内の輸入バランスや政策によってPIの発給や用途・数量が左右されるため、事業計画では「一般流通・加工原料・外食向け」など用途設計が欠かせません。

本記事では、輸入ライセンスの取得がゴールではないインドネシアでの鶏肉輸入事業について、必要なライセンスや注意すべき規則、輸入の流れなどをまとめます。

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インドネシアの鶏肉輸入に関する規制・制度改正

2025年以降、インドネシアでは輸入規制の再編が進み、「どの書類が必要か」だけでなく、「どのHSコードで手続きを進めるか」「PIが出るか」が、事業計画に直結する論点になっています。

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輸入規制再編

2025年商業大臣規則第18号および改正規則の同第31号では、輸入規制が再編されています。

ここで重要なのは、輸入のルールが「品名」ではなく、HSコード単位で必要な許可を割り当てる仕組みが強まった点です(HSコードについては後述)。実務的には、輸入品をどう分類するかが、PI(輸入承認)の要否や手続きの枝分かれに直結しやすくなります。

商業省は、動物・動物製品について「輸入承認(PI)が必要」と説明しています。つまり鶏肉は基本的に、輸入ライセンスを持っているだけでは輸入できないのです。

検疫リスト改正

2025年検疫庁規則第5号により、検疫検査の義務対象リストの改正が行われました。鶏肉は典型的に検疫の影響が大きい品目の一つであり、書類不備があると港で止まるリスクがあります。冷凍品は滞留コストが跳ねやすいため、特に注意が必要です。

ただし、財務省決定により、2026年2月時点では、税関が輸出入の監視・適用(Lartas管理)において改正後リストを用いる運用が一時延期されています。

延期期間中の税関の監視には旧リストが適用され、改正後リストによる運用開始は、検疫庁(Barantin)が準備完了を表明したタイミングに連動します。

なお、鶏肉は鳥インフルエンザなどのSPS(衛生植物検疫措置)要因で、国だけでなく地域・施設単位で輸入の可否が変動しやすいという特徴があります。そのため、疾病リスクに備えておくことが大切です。

ハラール義務化

インドネシアでは2024年政令第42号により、ハラール(ハラル)証明の義務化※が定められました。この政令では、製品区分(食品・飲料、屠畜関連、医薬品など)や事業者の規模ごとに、義務化の期限が段階的に定められています。輸入食料品については、義務化への完全移行の期限は「最遅で2026年10月17日」とされています。

※ハラール義務化:国内で流通させる特定カテゴリーの製品(食料品など)は原則ハラール認証が必要で、非ハラール製品(禁忌成分に由来する製品)には非ハラールである旨の表示をする必要があります。

輸入業者は必要に応じ、輸出側と連携してハラール認証の申請を行います。また、実際の輸入プロセスでは、以下のような実務が必要になる可能性があります。

  • 生産・輸出側がハラール要件を満たしていることの確認
  • それを証明する書類をインドネシアの制度で通る形に整える
  • ハラール証明書類を他の書類と矛盾なく整合させる

新しい規則や制度が導入されてからしばらくは、現場の対応に差が出るなど混乱が生じる可能性があり、特に注意が必要です。

なお、鶏肉のハラール認証審査の特徴として、と殺(食鳥処理)工程やそのライン運用(機械の場合)が重視され、かつ、問題になりやすい傾向があります。

「インドネシアのハラール認証は日本で取れるのか」、「審査をどこに依頼するのか」、「どのような要件をクリアすればよいのか」など疑問があれば、ぜひこちらからお尋ねください。

インドネシア経済の魅力について

インドネシアの鶏肉輸入ライセンスと許認可

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法人設立・事業許可

KBLIは、事業分野ごとに割り振られている番号で、その会社が行える事業の範囲を定めています。鶏肉輸入事業については、輸入後にインドネシア国内で何をするか(卸 / 加工 / 保管)でKBLIを選びます。KBLIは後工程の許認可の整合に影響するため、最初にしっかりと設計する必要があります。

鶏肉輸入・流通で選択肢になりやすいKBLIとしては、次のようなものが挙げられます。

  • 46322:鶏肉・鶏肉加工品の卸売
  • 52102:コールドストレージ(保管・冷凍)
  • 10130:肉・家禽肉の加工・保存
  • 10120:家禽のと殺・処理

KBLIは、後述する事業基本番号(NIB)をオンラインシステム「OSS」で取得する際に登録します。事業内容に応じて複数取得できますが、外資企業の場合はその分、必要な投資額が増えます。

なお、KBLIは事業範囲の登録であり、輸入者として登録するには、OSS上で輸入者区分(API-U / API-P)を有効化する必要があります。

卸売と小売は両立できない

鶏肉輸入業者としてもっとも一般的なKBLIの一つが46322(鶏肉・鶏肉加工品の卸売)です。ここで注意したいのが、インドネシアでは2021年政府規則第29号により、卸売業と小売業を一つの会社が並行して営むことが禁止されているということです。また、小売業にはカテゴリー・規模に応じて外資規制があります。

事業基本番号(NIB)

NIBは、事業者としての基礎IDです。輸入に関わる許認可などの登録も、基本的にはNIBを土台に整理されます。インドネシアでの法人設立後(定款を作成し、法務人権省から法人設立許可を取得したあと)、OSSシステムで手続きします。

輸入業者認証番号(API:API-U / API-P)

APIは、いわゆる輸入ライセンスで、輸入の目的別に、以下の2類型があります。

  • API-U:販売・譲渡するための輸入
  • API-P:自社生産の投入(原料など)に使うための輸入

この2つのAPIは目的が異なるため、1つの法人が取得できるのはどちらか一方です。

現在ではNIBがAPIとして機能するようになっており、一般的に、手続きはOSSでのNIB取得で完了(代替)できます。

例えば、OSS上で「46322:鶏肉・鶏肉加工品の卸売」を選択し、さらに「API-U」を選択して申請すると、発行されたNIBが「鶏肉・鶏肉加工品の卸売業者ライセンス」かつ「鶏肉のAPI-U(販売・譲渡向け輸入ライセンス)」として機能するという仕組みです。

ただし、取得したNIBがAPIとして有効化されているかどうか、OSSで確認する必要があります。KBLIの選び間違いや登録したデータの不整合などがあると、NIBとAPIが連携できない可能性があります。

KBLI設計・OSS(NIB/API)は、法人設立の初めの一歩であり、一度間違えると追加の手続きや費用が必要になります。少しでも疑問がある方は、まずはこちらから、お気軽にお問い合わせください。

実際に製品を輸入するための許認可

家畜製品輸入推薦状

OSSでNIBを含むすべての手続きが完了すると、KBLIに基づく事業を開始できるようになります。ただし、実際に鶏肉輸入事業を行うためには、輸入承認(PI)が必要です。農業省からの家畜製品輸入推薦状は、PIを取得するのに必要な書類の一つです。輸入承認(PI)発給のハードル

鶏肉の輸入は需給や政策運用の影響を強く受けるため、輸入が認められる場合でも、技術的根拠(推薦・検証など)と個別審査によりPI発給のハードルが高くなる傾向があります。

申請はオンラインで、書類審査・技術審査が行われ、推薦状が発行されます。

家畜製品輸入推薦状の要件・必要書類

  • NIB / API
  • 会社設立関連書類(設立証書、定款変更等)
  • 畜産・家畜衛生分野の許可・登録に関する資料
  • 施設番号(NKV)※
  • 輸入・全国流通に対応したランクのNKVを有する冷蔵倉庫・冷蔵輸送手段の占有に関する誓約・証明
  • ハラール関連書類
  • 州政府からの推薦状
  • 専門獣医師の任命書 / 雇用契約書
  • 誓約書類(提出書類が正しいこと、法的問題がないこと等)

必要書類一覧からもわかるように、推薦状申請の審査では、「実際に輸入事業を始める準備が整っているか」がチェックされます。

※施設番号(NKV):動物由来食品の取扱施設が衛生・衛生管理要件を満たしていることを証明する、施設ごとの認証番号。輸入会社は自社でNKV施設を持つか、NKVを持つ外部施設を確保します。

輸入承認(PI)

農業省から家畜製品輸入推薦状が発行されたら、3か月以内にPIを申請します。申請には輸出入に必要な申請・審査・許可の統一窓口であるオンラインシステムINSWを使い、商業省のオンラインポータル(INATRADE)で発給を受けます。

鶏肉は需給・疾病などの要因で推薦状やPIの審査が厳格化しやすく、場合によっては用途・規格の説明が通常以上に重要になります。

つまり、「輸入許可(農業省の推薦と商業省のPI)を取る段階で「この鶏肉は何に使うか」を確約させられ、許可で認められた用途・流通先以外に回すことが禁止(または強く制限)されるということです。

【補足】
推薦状とPIは「毎回の輸入ごと」ではなく、HSコード・数量・原産国 / 施設・用途などの条件をセットにした「期間内の輸入枠」として取得し、枠内で複数回輸入する運用が基本です。一方で、サプライヤー(承認施設)やHSコード、用途・数量など前提が変わる場合は、再取得または条件変更が必要になります。

輸入品に関する許認可

ハラール認証

ハラール認証の取得は、輸出側の管理と書類整備に加え、インドネシア側の制度に通る形での整合・提出・表示までが輸入者側の実務です。

BPOM登録

一般的には精肉(未加工の冷蔵・冷凍肉)は医薬品食品監督庁(BPOM)登録の対象外ですが、加工肉は対象になります。BPOMからの認証は「流通許可」であるため、インドネシア国内の輸入者 / 代理店・ディストリビューターが申請します。

その他の報告書・許可書

ハラール認証以外で、輸入鶏肉について必要に応じて船積み前に用意するべき書類としては、主に以下のようなものが挙げられます。

原産地証明書(Certificate of Origin:CoO)
  • 発行:原産国当局
  • 時期:船積書類作成時〜輸入申請時
分析証明書(Certificate of Analysis:CoA)
  • 発行:原産国の認定試験機関
  • 時期:家畜製品輸入推薦状申請前〜船積前
食肉衛生証明書 / 獣医証明書
  • 発行:原産国の食肉衛生検査所または保健所
  • 時期:と畜・加工後~船積前
輸出検疫証明書
  • 発行:原産国の動物検疫所
  • 時期:船積直前〜船積時

以上の書類は主に輸出側が手配・取得するもので、輸入側はその確認やインドネシア側への提出を行います。

輸出国・施設側の要件

鶏肉は、インドネシア農業省に「輸出国」として認定された国、かつ、「輸出施設」として認定された事業所からのみ輸入可能です。日本は輸出国として認められていますが、輸出施設の認定が別途必要ということになります。

輸出施設の認定は、その施設が自ら取得するものです。インドネシアの輸入業者は、「自社が使いたい日本のサプライヤーが、すでにインドネシアの認定リストに入っているか」を確認することが、PI申請以前の最重要ステップの一つとなります。

輸出施設が承認済みの施設リストに載っていることを確認できたら、必要に応じて証明書類を揃えます。第三国から鶏肉を輸入する場合も同様に、輸出施設が承認済みかどうかを必ず確認する必要があります。

繰り返しますが、鶏肉は鳥インフルエンザを始めとする疾病の影響で「施設承認があっても輸出停止」という事態が起こり得るため、代替調達計画があると安心です。

インドネシアに鶏肉を輸入する場合、「自社使用分」と「一般流通分」を同時に輸入できますか?

インドネシアの輸入ライセンスはAPI-U(販売・譲渡するための輸入)とAPI-P(自社生産の投入(原料など)に使うための輸入)に分かれており、1つの法人が取得できるのはどちらか一方です。そのため、原則として、自社で使用する鶏肉と、一般に流通させる鶏肉を、同時に輸入することはできません。

インドネシアで鶏肉の輸入を行う会社は、小売もできますか?

原則として、卸売と小売は、制度上の役割分担により同一法人・同一NIBでの併存が制約されます。どちらの事業も手掛けたい場合、輸入を行う会社と小売会社を分けるのが一般的です。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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インドネシアの鶏肉輸入プロセス

「スタート=法人設立」「ゴール=初めての鶏肉輸入」を想定し、全体の流れを時系列で整理します。

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鶏肉輸入プロセスに関わるシステム

インドネシアの輸入実務を理解するうえで、最初に押さえるべき前提がINSW(Indonesia National Single Window)です。INSWは、「通関・検疫・許認可・港湾 / 空港などの文書を統合する電子システム」と説明できます。

ここまで複数の許認可を紹介しましたが、それらが縦割りのまま存在しつつ、このINSWで接続され、輸入プロセスで参照されるのです。統合されたシステムがあるからこそ、どこか一つでも未整備だと手続きが滞りやすいことに注意が必要です。

特に鶏肉の輸入では、検疫・疾病によって輸入プロセスが突発的に停止するリスクを最小限に抑えるため、出港前確認(書類・可否)を徹底します。

法人設立から鶏肉輸入までの流れ

0. 法人設立と輸入事業の設計

まず、法人設立の前に、事業モデルを確定させます。輸入後の流通形態(卸 / 小売 / 加工 / 外食向けなど)によって、必要な事業機能(保管、温度管理、表示・ロット管理など)が変わりやすいからです。

次に、事業モデルに合うKBLIを選びます。ここでの整合は、後々の許認可取得に影響するため、初期段階で十分にすり合わせておくことが、スムーズな事業開始に繋がります。

公証人(ノタリス)に依頼し、定款の作成、法務人権省への法人設立の許可の申請を進め、「法人設立の決定書(SK)」が発行されると、法人設立が法的に許可されたことになります。

本記事では輸入プロセスに重点を置くため、法人設立の詳細は割愛しますが、実際には複数のステップに分かれます。もっと詳しく知りたい方は、こちらから資料をダウンロードしてみてください。

外資企業の払込資本金と投資額

外資企業でも輸入事業者になれますが、商業や物流業の一部事業には外資比率の制限など外資規制があります。そのため、KBLIを複数取得し、事業を幅広く展開したい場合は、それぞれについて、外資規制の有無を確認する必要があります。

なお、外資企業には、設立時に最低25億ルピア(約2,300万円)の払込資本金が求められます。

また、外資企業の投資額は、「土地および建物を除いて100億ルピア超(約9,300万円)」と規定されています。投資額は法人の数ではなく、原則としてKBLI(5桁)およびプロジェクト所在地ごとに判断されますが、業種によっては例外的な算定方法が適用されます。

例えば、卸売(大規模商業)業は「KBLI先頭4桁ごとに土地・建物を除き100億ルピア超」、飲食サービス業は「KBLI先頭2桁ごとかつ1地点(県・市)ごとに土地・建物を除き100億ルピア超」という例外規定があります。

【補足】
投資・ワンストップ統合サービス局(DMPTSP)によると、現状では、KBLIを追加せずに支店・支社を新たに設立する場合、投資額として100億ルピアを追加する必要はありません。ただし、個別のケースについては、確認が必要です。

【補足】
本記事の円表記は2026年2月25日のレート(1ルピア=0.0093円)で換算したものです。

1. 輸入者としての基本許認可(NIB / API)

法人設立後、OSSでNIBを取得し、NIBがAPIとして機能する形を整えます。

ここでのポイントは、API-U / API-Pの区分が「形式」ではなく、輸入後の実態(販売するのか生産投入するのか)と一致している必要がある点です。設計段階で事業モデルが曖昧だと、このあとのプロセスで問題が生じる恐れがあります。

2. 物流・品質の受け皿の設計(コールドチェーン / ロット管理)

鶏肉は、保冷・温度逸脱・滞留がそのまま品質リスクとコストに直結するため、早い段階で、物流・品質の受け皿を設計するのが重要です。この工程は、NIB / APIの取得と同時進行することもできます。

例えば冷凍鶏肉を輸入する場合、保冷を前提にした物流設計が不可欠で、コールドストレージ事業のKBLIを持ち、必要な施設・システムを用意する必要があります。

また、ロット管理や表示、保管温度の記録といったより実務的な要素についても、「輸入できるようになってから整える」のではなく、準備段階で整備しておくと、後々スムーズです。

3. 輸出国側・サプライヤー側の要件確認 / 輸入品目の確定

サプライヤー探しや要件の確認は、「輸入者が国内で何をするか」とは独立に進められるため、法人設立やNIB / APIの取得と並行して行います。鳥インフルエンザ等で輸入可能な国・地域・施設が変動する可能性を想定し、「セーフティネット」の準備もしておきます。

また、輸入品目が定まった時点で、HSコードを確定させます。

HSコードとは

HSコード(製品分類コード)は、その名の通り製品を分類するためのコードで、書類作成・申請の前提になります。

鶏肉は「HS 0207」が基本です。「0207.13.00(生鮮・冷蔵)」と「0207.14(冷凍)」に大別され、冷凍はさらに部位によって細分化されます。また、チキンナゲットなどの加工品は「HS 1602(肉・くず肉の調製品)」に分類されるケースが多いようです。

輸入業者は、新しい品目を扱うたびに、HSコードの見直し・確定作業を行います。

4. 輸入推薦状の取得

次に、農業省からの家畜製品輸入推薦状を取得します。前述のとおり、この推薦は、輸入業者とその業者が取り扱う製品が要件を満たすことを示す技術的説明として位置づけられます。

原則、推薦が取れて初めて、商業省側のPI取得に進めます。

5. 輸入承認(PI)の取得

PIは、輸入者が実際に輸入事業を始めるための核心的な承認です。前述のとおり、輸入業者としての資格(API)を整えても、PI発給次第で輸入量・輸入タイミングが左右される可能性があります。国内供給が過剰な時には「枠」の割り当て条件が厳しくなりがちで、PI申請時には「用途説明」が重要になります。

6. 船積み前検査

2025年商業大臣規則第18号に基づき、鶏肉輸入には品目・制度により、「船積み前検査」が義務付けられる場合があります。

日本では基本的に、農林水産省の動物検疫所が、家畜衛生(家畜伝染病の拡散防止)の観点で相手国(インドネシア)の受入条件を満たすかを検査し、輸出検疫証明書の交付を行います。

7. 検疫の事前通知

船積み前(出港前)に、インドネシア検疫庁(Barantin)に対して、輸出者(原産国側の荷主)が今回の輸入内容について申告(Prior Notice:事前通知)します。輸入者は輸出者と連携して準備を進めます。

提出は、Barantinのオンラインポータルで行います。作業としては事務的な手続きですが、鶏肉は特に検疫が重視される品目であり、書類とデータが揃っていないと輸入プロセスが止まる恐れがあるため、とても重要な工程です。

8. 検疫・通関・ポストボーダー

鶏肉は、港での物理的な検疫サンプリング検査の対象になる可能性があります。検査に耐えうる書類(温度ログ、規定通りの商品ラベルなど)を整備しておくことが重要です。

検疫で問題なしと証明された旨の証明書を取得した後に、国内の関税地域へ搬出する流れになります。その後、税関で輸入申告(PIB)を行い、必要書類を添付して審査を受け、搬出許可を取得します。ハラール登録番号・表示整合も、鶏肉輸入の最終関門になります。

加えて鶏肉は、税関エリア通過後に輸入要件(PIなど)を確認するポストボーダー検査の対象となり得ます。ポストボーダーに備え、PIおよびPIBは少なくとも5年間保管します。また、運用上求められる場合、「要件を満たしている」旨の自己申告をシステムで提出する、といった対応が必要になることがあります。

インドネシアへの鶏肉輸入で書類が揃っていてもプロセスが止まる典型ケースは何ですか?

典型ケースとしては、「疾病(鳥インフルエンザなど)で輸出国・地域・施設の可否が急に変わる」「事前通知(Prior Notice)の手続漏れや入力不整合で検疫手続が保留になる」「ハラール登録・表示と他書類(HS、品名、ロット等)の整合が取れず差し戻しになる」などが挙げられます。

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インドネシアの鶏肉輸入にかかる関税など

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関税

基本(一般税率:MFN)

鶏肉はHS0207の部位別細目で税率が分かれます。以下は、細目別のMFN関税率の例です(課税標準は一般にCIFベースで、通関時に納付)。

  • 0207.13.00(部分肉・内臓:冷蔵):5%
  • 0207.14.10(手羽冷凍):5%
  • 0207.14.20(もも冷凍):20%
  • 0207.14.30(レバー冷凍):5%
  • 0207.14.99(その他冷凍):5%

協定税率

相手国との協定に従い、税率が下がる場合があります。鶏肉はセンシティブ品目になりやすく、協定でも下がる細目・下がらない細目が混在します。

例えば、RCEP(日本→インドネシア)では、冷蔵の部分肉や冷凍丸鶏は段階的に0%が目指されています。一方で、もも(0207.14.20)は20%で据え置きとなるなど、細目により差があります。

IJEPA(日本・インドネシアEPA)やAJCEP(ASEAN-日本)も同様に、税率が下がるかどうかは細目次第です。
なお、協定税率を使うには、通常、原産地証明(COO)が必要です。輸入者は、原産地・HSコード等の要件を満たす協定税率のいずれかを選んで申告します。

そのほかの輸入に関連する税

海外からものを輸入する事業には、関税のほかに以下のような税金が関係します。

PPh-22(輸入前払い所得税)

API保有企業はnilai impor※の2.5%です。

※nilai impor=CIF+関税+その他の輸入時賦課。税関が輸入時に徴収し、関税の支払いと同時に精算されます。

VAT(PPN:付加価値税)

鶏肉のうち未加工の食肉は、生活必需品として輸入・引渡しともにVAT免除の対象となり得ます(HS細目を要確認)。

インドネシアで挑戦する人々
― ビジネス最前線の声
Webシステム開発やサイト制作を手がけるアジアクエストに人が集まる理由や育成のコツについてインタビューしました。
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映像でみるインドネシアの鶏肉輸入

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フライドチキンは国産鶏肉

マクドナルド・インドネシアのフライドチキンは国産鶏肉

インドネシアでも大人気のファストフード店「マクドナルド」や「ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)」は、フライドチキンに使用する鶏肉は「国内の提携養鶏場から調達したハラール認証鶏肉」としています。

鶏肉生産におけるハラール認証は、と殺、加工、包装に至るまで、ハラールの手順に従って行われていることの証明になります。

動画では、施設の衛生管理や鶏の健康管理が徹底していることが紹介されています。終盤では加工工場の様子が映し出され、「加工したその日に各店舗へ発送されます」と説明されています。

優良ブロイラーの輸入

ニュージーランドからインドネシアへの優良ブロイラーの輸入

畜産および食品分野で事業を展開する国営企業PT Berdikari(ブルディカリ)は2025年12月、ニュージーランドからブロイラー用のグランドペアレントストック(GPS:祖代種鶏)を約1万1,000羽輸入しました。このGPSの2代目以降の世代が、食用として流通することになります。

同社は、食料自給率の向上を掲げる政府が優先課題の一つとしている「家禽産業の下流化(サプライチェーン高度化)」を後押しするため、優良なブロイラー種の安定供給を目指すとしています。

鶏肉輸入はライセンスと書類・表示の整合がカギ

鶏肉輸入の出発点は、品目をHSコードで正しく分類し、対象要件(PIの要否、追加書類)を確定することです。

鶏肉は国内需給の影響を受けやすく、用途・数量が絞られることがあるため、用途説明とリスク管理(疾病・施設承認)を事前に組み込むことが重要です。

また、鶏肉はハラール義務化の対象となっており、と殺(食鳥処理)工程やそのライン運用(機械の場合)が重視される点に留意する必要があります。

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初めてインドネシアの進出相談をしたのが2025年10月頃からでした、その後、2026年1月末にインドネシアへの視察にあたり、カケモチさんから企業の紹介を受け訪問、たいへん有意義な視察となりました。また、その後もアドバイスや企画提案を受け、たいへん助かっております。インドネシアへの進出には多くの課題がありますが、カケモチさんの助言を受けて、近い将来、実現できると確信しています。信頼のおける会社さんだと思います。
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(work) Okamoto profile picture
(work) Okamoto
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インドネシア進出の相談をする際、進出したい事業の規模などに合わせて、なにが最適かまで丁寧にご提案してもらえる会社さんです。また、現地マーケティングのためのインドネシア人スタッフの採用に関しても求める人材にマッチした人材候補者を探してくれます。インドネシアの市場から法人の設立の仕方などいつも詳細を丁寧に教えてくださいます。
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Hi Mamat profile picture
Hi Mamat
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インドネシア市場の理解力が非常に高く、相談すればきっと解決策を提案してくれる企業です。 ここまでインドネシアの色々な業種、業界において詳しい会社は多くないはずです。
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長谷川智紀 profile picture
長谷川智紀
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インドネシア進出に関する相談、最新の政府規制情報や各種ビザ手続きなど、いつも非常に丁寧にわかりやすくご対応いただいております。インドネシア人スタッフの皆さんの日本語能力も高くテキパキと手続きを進めていただけるので大変信頼できるコンサル会社さんです。
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Morita Kenichi profile picture
Morita Kenichi
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インドネシア関連の案件でカケモチさんとよくやり取りさせていただいておりますが、現地事情に詳しく、質問に対し迅速かつ的確な回答をいただいております。おすすめです。
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Ryo Oki profile picture
Ryo Oki
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インドネシアへの事業展開を検討する上で、ご相談させていただいております。 代表の方はインドネシア事情に詳しく、現地での人脈も豊富です。 スモールスタートで海外展開を始めたい企業にマッチしたご支援内容があると思います。
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井上知子l profile picture
井上知子l
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ビザ更新や色々な手続きでいつもお世話になっています。 イレギュラーな対応にも真摯に丁寧に対応いただき、いつも本当に感謝しています。 インドネシアにいる現地スタッフも日本語が堪能で、日本の文化も良く理解されていて、安心してお任せできます。
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