インドネシアのノミニー内資法人を日本側でうまく管理する方法はありますか?

インドネシアのノミニー内資法人(※)を日本側でうまく管理するには、名義を貸しているインドネシア人との良好な関係を保つことが大切です。

具体的には、次の3つがポイントです。

  • 株主と経営を分離する
  • オンラインバンキングの作業と承認をわける
  • 銀行窓口での出金にも承認の仕組みを設ける

まずは、なぜ会社の乗っ取りにつながるのか、その背景から解説します。

なぜノミニーに会社を乗っ取られてしまうのか

ノミニーによる会社の乗っ取りには、2つの不満が考えられます。

1.報酬・待遇への不満

ひとつ目が、報酬や待遇への不満です。

会社設立当初は、名前を貸してもらう対価として、月5〜6万円ほどの報酬を支払うケースがあります。

しかし、月商が100万円、300万円、500万円と伸びても当初と同じ報酬が続けば、「自分は名前を貸しているのに、もらえるのはこれだけなのか」と不満を感じることもあるでしょう。

そのため、会社の成長に応じて話し合いを続けることが大切です。

2.マネジメントへの不満

もうひとつが、マネジメントへの不満です。

ノミニーは名前を貸すことで株主となり、問題が起きた際には法的な責任を負うリスクもあります。単なる従業員ではなく、限りなくパートナーに近い存在です。

それにもかかわらず、一従業員のように扱い、指示やマネジメントまで雑になれば、不満につながることもあります。

ノミニーとの良好な関係性を保つことが大切

ノミニー内資法人を運営するうえでは、名義を貸してくれたインドネシア人との良好な関係性を保つことが重要です。

日本で「5万円、10万円で名義を貸してほしい」といわれたら、自分ならどう感じるか。逆の立場から考えると、ノミニーが負うリスクや立場も理解しやすくなります。

日本側で管理するための3つの仕組み

一方で、乗っ取りを防ぐためには、関係性だけでなく仕組みも必要です。
重要なポイントは、おもに次の3つです。

株主と経営を分離する

ノミニーにそのまま会社経営まで任せるのではなく、株主と経営を分離しましょう。

株主が経営にも関わると、法人口座の残高や会社の資産、利益の状況なども把握できるようになります。その結果、自分の報酬や待遇と比較し、「割に合わない」という不満につながる可能性があります。

経営者やマネージャーは別に採用し、ノミニー株主が経営に直接関与しない体制を整えておくことが重要です。

オンラインバンキングの作業と承認をわける

オンラインバンキングでは、作業用と承認用のトークン(※)をわけて管理します。

作業用と承認用の両方を現地スタッフに渡してしまうと、日本側が確認しないまま送金できる状態になりかねません。

作業用は現地スタッフ、最終承認に必要なトークンは日本側で管理することで、簡単に会社のお金を送金できない仕組みを作ることが大切です。

(※)トークンとは、不正送金を防ぐための使い捨てパスワード(ワンタイムパスワード)を発行する端末やアプリのこと。

銀行窓口での出金にも承認の仕組みを設ける

オンラインバンキングだけでなく、銀行窓口からの出金にも対策が必要です。

インドネシア人株主が身分証明書などを使い、銀行窓口から会社のお金を引き出すリスクを防ぐためです。

口座開設時に、日本人取締役のサインがなければ出金できないよう設定することで、資金を動かされるリスクを抑えられます。

信用だけに頼らず、仕組みで管理する

ノミニー内資法人を日本側で管理するには、相手との信頼関係だけに頼らず、問題が起こりにくい仕組みを整えることが重要です。

「絶対に裏切らない人」を探すのではなく、株主と経営を分け、会社の資金を日本側の承認なしに動かせない体制を作っておくことで、乗っ取りなどのリスクを抑えられます。

弊社では「信用できるインドネシア人を紹介してほしい」というご相談をいただくこともありますが、ノミニーの紹介は行っていません。

なお、ノミニーを利用した内資法人はインドネシアでは違法になります。そのため、弊社ではこうしたリスクも踏まえ、外資法人による設立をおすすめしています。

インドネシアで内資法人を設立する際のデメリットはどんなことがありますか?

インドネシアで内資法人を設立する際のデメリットとは?株式を自社で所有できない仕組みや、名義貸しによるトラブル、会社乗っ取りのリスクと注意点を解説します。

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