インドネシア人に株主になってもらう「名義貸し」は違法ですか?

インドネシア人やインドネシア企業から名義を借りて法人を設立し、実態として日本企業が運営する形は、インドネシアの法律上では違法になります。

ただし、名義を借りる行為そのものが、すべて違法というわけではありません。問題となるのは、表向きと実際の運営主体が異なる形で会社を設立するケースです。

なぜ、このような名義貸しによる法人設立が行われるのでしょうか。発覚するケースや、考えられるリスクを解説します。

なぜ名義貸しによる内資法人で設立するのか

名義貸しによる内資法人が利用される理由として、おもに次の3つが挙げられます。

  • 資本金を抑えられる
  • 外資法人より事業上の規制が緩い
  • 税務上のチェックが比較的緩い

外資法人を設立する場合、一定額の資本金が必要です。一方、内資法人は外資法人より少ない資本金で設立できるため、進出時の資金面でのハードルを抑えられます。

【資本金の例】

外資法人約9300万~9400万
内資法人約50万円

※規制緩和後、外資法人が払い込む資本金は25%へ変更(2026年9月現在)

また、外資法人には事業内容によってさまざまな規制・税務調査がありますが、一方の内資法人は規制が緩いことも、名義貸しが利用される理由のひとつです。

インドネシアで内資法人を設立するメリットについては、こちらの記事で解説しています。

インドネシアで内資法人を設立するメリットはどんなことがありますか?

インドネシアで内資法人を設立するメリットを解説。資本金を抑えられる点や複数事業の展開、外資法人との規制の違い、設立時の注意点を紹介します。

名義貸しはどのように発覚するのか

名義貸しによる内資法人は、定款を見ただけではほぼわかりません。発覚するきっかけとして、代表的なのが次の2つです。

従業員による内部告発

日本人の駐在員と現地の従業員が一緒に働くなかで、「この会社はノミニー(※)で運営しているらしい」という情報が少しずつ社内に知られることがあります。

給与や待遇などに不満を持つ従業員がいると、内部告発につながる可能性があるため、人事制度を整え、気持ちよく働ける環境をつくることが大切です。

(※)ノミニー内資法人とは、インドネシア人に名義を借り、その名義で会社を設立する仕組みのこと

海外との不自然な取引

海外取引の頻度や金額が不自然に多い場合は、発覚するきっかけになります。

海外との取引を売上として計上している場合に比べ、貸し付けが多い場合は不自然に見えることがあります。とはいえ、海外取引や貸し付けが多いだけで、名義貸しと判断されるわけではありません。

しかし、それをきっかけに税務署の職員に詳しく質問され、うまく説明できないことで実態が明らかになることがあります。

名義貸しで会社を設立するリスク

名義貸しによる内資法人は、発覚した場合だけでなく、発覚しなかった場合にもリスクがあります。

名義貸しが発覚した場合

名義貸しが発覚すると、事業停止や資産没収につながる可能性があります。さらに、不法就労や虚偽申告などがあれば、刑事責任を問われるリスクも考えられます。

本来、外国企業であれば外資法人として会社を設立するのが通常のルートです。そこを迂回して内資法人を設立するため、発覚した際には相応のペナルティがあることを理解しておきましょう。

名義貸しが発覚しなかった場合

名義貸しが発覚しなければ問題がない、というわけでもありません。

ノミニーによる内資法人では、日本企業側が株式を保有できず、インドネシア人やインドネシア企業が株主になります。そのため、株主とトラブルになり、最悪の場合は会社を乗っ取られる可能性もあるのです。

実際に、会社を育てて売上が伸びたタイミングで乗っ取られたケースもあり、弊社にもこうしたご相談が寄せられています。

ノミニー内資法人の乗っ取りリスクについては、こちらの記事で解説しています。

インドネシアで内資法人を設立する際のデメリットはどんなことがありますか?

インドネシアで内資法人を設立する際のデメリットとは?株式を自社で所有できない仕組みや、名義貸しによるトラブル、会社乗っ取りのリスクと注意点を解説します。

名義貸しに頼らず外資法人での設立を検討する

名義貸しによる内資法人には、発覚した場合のリスクだけでなく、株主とのトラブルなど、会社を運営するうえでのリスクもあります。

一方、外資法人であれば、自社で株式を保有できるため、ガバナンスの面でも会社をコントロールしやすい点がメリットです。もちろん、外資法人を設立するには、一定額の資本金が必要です。ただし、払い込み資本金に関する規制が緩和されたことで、以前より設立のハードルは下がりました。

弊社では、こうした法的・運営上のリスクも踏まえ、資金面で可能であれば外資法人による設立をご案内しています。

解決しない場合は、お問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。

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