インドネシアで法人口座を開設する方法と必要書類
- 公開
- 2025/11/16
- 更新
- 2026/06/20
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インドネシアで事業を展開する企業にとって、現地での法人口座開設は必須のステップです。内資企業も外資企業も基本的な手続きは共通していますが、外資企業の場合は審査が厳しい傾向があり、必要書類も銀行によってまちまちです。
本記事では、口座開設の具体的な流れ、必要書類、主要銀行の特徴、そして注意すべきポイントなど、インドネシアでの法人口座開設の準備に役立つ情報を紹介します。
インドネシアの法人口座開設手続きの流れ
内資企業・外資企業ともに、基本プロセスは共通です。現在は多くの銀行がオンライン申請にも対応しています。
【ステップ 1】銀行を選ぶ(事前リサーチ)
各銀行の支店の場所や口座維持費、取引手数料、金利、オンラインバンキング機能などを比較。事業規模や用途に合う銀行を選定します。
【ステップ 2】口座タイプを決定する
一般的には以下のいずれか、または両方を開設可能です。
- Rekening Giro Bisnis(当座預金):取引頻度が高い企業向け
- Rekening Tabungan Bisnis(普通預金):資金管理・貯蓄目的
【ステップ 3】必要書類を準備する
必要書類の原本とコピーをすべて揃えます。必要書類については後述します。
【ステップ 4】銀行の申込フォームを記入
銀行窓口またはオンラインフォームで申請情報を記入します。代表取締役またはその委任者が直接署名・出席を求められる場合もあります。また、銀行の担当者が企業を訪問する場合もあります。
【ステップ 5】初回入金(最低残高の設定)
初回入金金額の規定は、銀行や口座の種類によって異なります。多通貨口座の場合、ドルや円で金額が指定される場合もあります。
【ステップ 6】審査・承認・口座番号の発行
銀行側が提出書類を確認後、審査を実施します。問題がなければ口座番号が発行され、正式に利用開始可能となります。
【ステップ 7】オンラインバンキング設定(任意)
多くの銀行では、法人専用のインターネットバンキングやモバイルアプリが提供されています。財務担当者・会計担当者など複数ユーザーによるアクセス権限設定も可能です。
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インドネシアの銀行では、法人口座をオンラインで開設できますか。
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インドネシアの一部銀行では、法人口座をオンラインで開設できると説明しているところもあります。ただし外資企業の場合、一般的には、書類の提出はオンラインでできても、書類審査後の最終確認は対面・電話となります。
インドネシアの法人口座開設に必要な書類一覧
法人口座開設のための一般的な必要書類は、以下のとおりです。
企業関連書類
法人が正式に設立されていることを示す基本書類です。ほとんどが法人設立と事業登録の過程で準備、または取得する書類なので、新たに時間をかけて作成する必要はありません。
- Akta Pendirian Perusahaan(会社設立証書/定款)
企業の基本情報・資本金・株主構成などを記載した設立時の公正証書。 - SK Pengesahan Badan Hukum / SK Kemenkumham(法務人権省の承認書)
設立証書や定款変更を正式登録する際に必要。 - Akta Perubahan(定款変更証書)※変更がある場合
資本金や取締役の変更を行った場合に発行。 - NIB(Nomor Induk Berusaha:事業基本番号)
オンライン事業許認可システム「OSS」で発行される、企業識別番号。 - SK Domisili / Surat Domisili(所在地証明書)
企業がどこに所在しているかを示す証明書。地方行政機関が発行。 - NPWP Perusahaan(法人納税者番号)
企業の税務登録番号。 - 会社の印鑑 ※印鑑が無い場合、その声明書
- 取締役・監査役・株主名簿、組織図、株主構成表など ※場合によって
以前は営業許可書(SIUP)なども必要でしたが、事業許可取得プロセスにおいてOSSが導入されて以降、複数の許可書・証明書がNIBに統合または連携されているため、必要書類が減りました。所在地証明書(SK Domisili)も多くの手続きにおいてNIBで代用可能ですが、銀行によっては証明書の提出を別途求められることがあります。
個人および身分証明書類
代表者の身分を証明する書類です。外資企業の場合は審査が厳しく、一部銀行では、全取締役・株主の身分証明書のコピーなどが追加で必要になります。
- インドネシア人:KTP(インドネシア国民身分証)またはパスポート
- 外国人:パスポートおよびITAS / ITAP(滞在許可証)
- NPWP(個人納税者番号)/ TIN(Tax Identification Number)※日本人の場合はマイナンバー
代表者が他の担当者に口座開設を委任する場合は、Surat Kuasa(委任状)も必要です。
その他の補助書類
- Perjanjian Kemitraan(パートナーシップ契約書)
他社との共同事業がある場合に提出します。 - Bukti Skor Kredit(信用スコア証明)
企業または代表者個人の信用情報を初回開設時に求められることもあります。 - Referensi Bank Sebelumnya(他行からの推薦書)
すでに他行で取引がある場合、信用補完のために任意で提出可能。必須の場合もあります。
インドネシアの法人口座開設にあたっては、銀行によって求められる書類が異なります。特に外資企業や新設法人の場合、事前に担当者と相談して要件を確認しておくと、その後の手続きがスムーズです。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
インドネシアの主要銀行と日系銀行の特徴
外資企業の法人口座開設に適したインドネシアの主要銀行
Bank Mandiri(マンディリ銀行)
1998年に4行の合併で誕生した、インドネシア最大の国営銀行。ロンドンや香港にも拠点を持ち、国際取引や外貨決済、海外送金に強みがあります。
法人サービスの幅が広く、特にインフラ・製造業・貿易関連企業の利用が多いのが特徴。デジタルプラットフォーム「Livin’ by Mandiri」では、取引・投資・資金移動をオンラインで一元管理できます。外資企業にとっては、信頼性・国際ネットワーク・政府系案件との親和性が大きな利点です。
Bank Rakyat Indonesia(BRI:バンク・ラクヤット・インドネシア)
1895年創立の最古級銀行で、地方と中小企業支援に特化した国営銀行。国内最大の支店網を有し、都市から農村部まで広く展開。マイクロ融資・小口ローン・地域金融などに強みがあり、支店・ATM網が広いので、地方工場や中小取引先を持つ外資企業にとって利便性が高い銀行です。
デジタルアプリ「BRImo」により、複数拠点の資金管理や送金も効率化できます。
Bank Central Asia(BCA:バンク・セントラル・アジア)
1955年設立の民間最大手銀行。全国1,000以上の支店を持ち、顧客対応の良さとデジタルサービスの質で高く評価されています。
オンラインバンキング(myBCA・BCA Mobile)は利便性が高く、英文の取引明細や英語対応窓口が整備されているため、外資企業・外国人駐在員からも信頼されています。また、外貨建て口座・輸出入決済・給与送金など法人機能も充実しています。
Bank Negara Indonesia(BNI:バンク・ネガラ・インドネシア)
東京やシンガポールなどにも拠点を展開する国営銀行。BNIは貿易金融(LC発行・外貨口座・国際送金)に強く、海外企業や現地法人がインドネシアで取引口座を開く際に適した銀行の一つです。オンラインバンキングによって、外貨取引や海外との資金移動もスムーズに行えます。
外資・国際業務に強い中堅銀行
規模としては主要銀行に劣るものの、外資企業向けのサービスや国際取引に強い中堅銀行を紹介します。
CIMB Niaga(CIMB ニアガ銀行)
マレーシアのCIMBグループ傘下にある外資系銀行。シンガポールとマレーシアを中心に、アセアン諸国との国際送金ネットワークに優れ、地域をまたぐ外資企業の資金移動・決済に強みがあります。
デジタルアプリ「Octo Mobile」により、オンラインでの残高管理や海外送金も容易。法人顧客向けにはプレミアムバンキングサービス「CIMB Preferred」などの優待プログラムを提供し、国際企業の資金運用ニーズに対応しています。
Permata Bank(プルマタ銀行)
2002年に5行の合併で設立された民間銀行。デジタル化に積極的で、モバイルアプリ「PermataMobile X」はQR決済や海外送金、外貨建て取引などを一つのプラットフォームで管理可能です。英語対応のUIと高い操作性により、現地法人・駐在事務所など小規模外資にも適した銀行です。
外資企業にとっては、スピード重視のオンライン手続きと柔軟な法人対応が大きな魅力です。
Bank Danamon(ダナモン銀行)
1956年設立の長い歴史を持つ民間銀行で、現在は三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)傘下。法人・個人・投資向けの幅広いサービスを提供しています。外資・多国籍企業との取引経験が豊富で、企業向け融資や資金管理サービスの質が高いとされています。
外資企業にとっては、国際銀行グループの信用とガバナンス体制がメリットです。
インドネシアの日系銀行
インドネシアに進出している日系銀行を紹介します。現地に拠点を構える日本企業にとって日系銀行は、「日本の親会社と同じメインバンクで口座管理ができる」、「日本・インドネシア間での資金移動がスムーズ」などのメリットがあります。また、日本の商習慣に理解がある点でも安心です。
Mitsubishi UFJ Financial Group(MUFG銀行)
MUFGは、日本および世界最大級の金融グループの一つであり、インドネシアでも特に長い歴史を持つ日系銀行です。ジャカルタに本支店、スラバヤに支店を置き、チカラン、カラワンの工業団地に複数の出張所を設けています。
さらに、2019年にはインドネシアの大手商業銀行Bank Danamon(前述)を子会社化。現地ネットワークの広さという点でも、インドネシアで最も利用しやすい日系銀行の一つといえます。
Sumitomo Mitsui Banking Corporation(SMBCインドネシア)
三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)のSMBCインドネシアは、2019年にインドネシア大手商業銀行「Bank BTPN」と合併。インドネシア市場での業務基盤を拡大し、ジャワ島以外の島にも多くの地域本部・支店・出張所を展開しています。日系企業支援はもちろん、インフラ・エネルギー・通信分野など大型案件の融資についても豊富な実績があります。
Bank Mizuho Indonesia(みずほ銀行インドネシア)
みずほ銀行インドネシアは、ジャカルタに本店を置き、日本企業の現地法人向け金融サービスを中心に展開。首都圏をはじめ、各地の主要都市に支店を展開しています。インドネシア投資・下流化省(BKPM、旧投資調整省)と公式な業務協力関係を持ち、進出企業の設立・登録・投資に関わるサポートも行っています。
Bank Resona Perdania(りそなプルダニア銀行)
1958年に設立されたりそなプルダニア銀行は、インドネシア初のジョイントベンチャー型銀行であり、りそな銀行と横浜銀行が主要株主です。設立以来、日本とインドネシアの経済協力を支えるパイオニアとして活動してきました。
現在はジャカルタ本店のほか、バンドンとスラバヤに支店、チカラン・カラワンに合計4つの出張所を展開しています。中堅・中小企業を含む多くの日系企業を長年にわたり支援してきた実績があります。
Bank J Trust Indonesia(Jトラスト銀行インドネシア)
日本のJ Trust Co., Ltd.グループがインドネシアのBank Mutiara買収し、2015年に名称を変更したのが、Jトラスト銀行インドネシアです。支店やATMの数は主要銀行に比べて少ないものの、法人・個人向けの預金、貯蓄、外貨取引、法人ローン、貿易金融など幅広いサービスを提供し、オンライン・モバイルバンキングも整備されています。
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インドネシアの法人口座開設の注意点
書類の不備・表記の不一致に注意
全ての必要書類に記載される名称(社名または商号、ブランド名など)の表記を統一する必要があります。定款、NIB、所在地証明書などに記載された名称が一致していないと、銀行で受理されません。
口座開設は法的登録が完了してから
銀行は、法務人権省の承認とNIBを確認します。設立手続き中などでこれらが揃っていない企業は、正式な法人口座を開設できません。
代表者・署名権者の本人確認が必要
代表取締役や署名権者が銀行に直接出向いて署名・確認するよう求められる場合があります。委任によって他者が開設手続きを行う場合は、委任状が必要です。また、銀行によっては、代表者以外の取締役などの身分証明書のコピーを求められることもあります。
初回入金・最低残高の要件に注意
初回入金額は、銀行・通貨・口座種別によって異なります。一部銀行では月間最低残高などの維持条件があり、残高が下回ると手数料が課される場合があります。月間の取引額や取引数に関する規定があるケースもあるため、事前に確認しましょう。
手数料・管理コストを確認する
銀行や口座の種類によって、取引手数料、海外送金・両替手数料、口座維持費などのコストがかかります。開設前に必ず確認しましょう。特に海外送金を頻繁に行う企業は、外貨口座の手数料体系を事前に比較検討することをおすすめします。
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インドネシアの銀行の法人口座開設には、何日かかりますか。
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インドネシアの法人口座開設について、手続きのほとんどをオンラインで完結できる銀行の場合、「最短で1営業日」と説明されているケースもあります。ただし外資企業の場合は必要な書類が多く、審査も厳しくなる傾向があるため、数日~数週間を想定しておくと安心です。
【映像でみる】インドネシアの法人口座開設
マンディリ銀行の企業向けソリューション

こちらは、「Pake Mandirilah(マンディリを使おう)」を合言葉に、飲食店やその取引先がマンディリ銀行の法人口座「Mandiri Tabungan Bisnis」を利用し、送金や財務管理を行うプロモーション動画です。
また、この動画の登場人物たちは、「Kopra by Mandiri」を使用しています。Kopraは、マンディリ銀行が2021年にローンチした法人(ホールセール)向けデジタル金融プラットフォームで、資金管理・貿易・外為・サプライチェーンなど企業の財務活動を幅広くサポート。企業の財務業務を一元管理できるサービスです。
中規模~大規模法人向けデジタル金融プラットフォームとしてはほかに、BNIdirect Cash、myBCA Bisnisなどがあります。また、中小零細企業に適したプラットフォームとしては、BNIdirect Bisnis、BRImo Bisnis、SMBCのTouchbizなどがあります。
ダナモン銀行が国際モーターショーを協賛

こちらの動画は、2025年5月28日〜6月1日に開催された「インドネシア・インターナショナル・モーターショー(IIMS)スラバヤ2025」の様子です。このイベントにはダナモン銀行と同社の子会社Adira Financeが、主要株主であるMUFGの支援のもと、オフィシャル銀行パートナーとして参加しました。この3社の協賛は4年連続です。
イベントでは、自動車購入を検討する来場者に向け、特別低金利、自動車ローンや二輪ローンの優遇、キャッシュバックなど多彩なプロモーションを実施。さらに、3社が共同で設けた「Rumah Finansial(金融の家)」ブースでは、法人・個人を問わず幅広い顧客層に向け、包括的な金融ソリューションを提供しました。
インドネシアでの口座開設は事前のリサーチと準備が大切
インドネシアでの法人口座開設は、適切な準備と銀行選びによってスムーズに進めることができます。必要書類は会社設立時に取得するものが中心ですが、外資企業のみ求められる書類があったり、銀行によって必要な書類に差が出たりするため、時間に余裕をもって進めることが大切です。
法人口座の開設を検討する際は、書類の表記統一、初回入金額、手数料体系の確認など、細かな注意点にも留意が必要です。事前に銀行担当者と相談し、要件を明確にしておくことが、円滑な口座開設への近道となります。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
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