「インドネシア・グランドデジタルマーケティング・アワード2023」を受賞した美容・健康関連企業

公開
2025/12/30
更新
2026/06/21
この記事は約7分56秒で読めます。

2023年5月10日、インドネシアの経済紙Warta Ekonomi(ワルタ・エコノミ)は、Indonesia Grand Digital Marketing Awards 2023(以下「グランドデジタルマーケティング・アワード2023」)を開催しました。本イベントでは、デジタル関連の優れたシステム・サービスを提供する企業や、デジタルを活用して活動をする企業を表彰しました。

本記事では、本イベントについて報告した2023年5月14日のWarta Ekonomi「Selamat! Ini Daftar Lengkap Pemenang Indonesia Grand Digital Marketing Awards 2023(グランドデジタルマーケティング・アワード2023の受賞企業一覧)」を元に、106の受賞企業の中から美容・健康関連の企業を6社紹介します。また、それぞれの企業のWebサイトやSNSアカウントなどを参照し、どのようにデジタルを活用しているかをみていきます。

なお円表記は2023年5月31日のレート(1ルピア=0.0093円/1ドル=139.72円)で換算し、記載しています。

Indonesia Grand Digital Marketing Awards 2023とは

アワードの概要

グランドデジタルマーケティング・アワード2023のテーマは「Improving Customer Experience and Engagement through Limitless Creativity(無限の創造性によるカスタマーエクスペリエンスとエンゲージメントの向上)」。

デジタルの存在は、さまざまな側面からビジネスの発展をさせ、国の経済成長にまで影響します。今ではWebサイトやソーシャルメディア(SNS)、モバイルアプリ、ECプラットフォームなどを活用することで、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)がより良いものとなり、エンゲージメントも高まる傾向にあります。

本アワードでは、銀行や保険、金融テクノロジー、メディアと通信、健康、物流、小売、飲食料品、化粧品とファッション、自動車などのカテゴリーの合計106社が表彰されました。

Warta EkonomiのCEO兼編集長Muhamad Ihsan(ムハマド・イサン)氏によると、本イベントの開催にあたって、以下に挙げるようなインドネシア経済とデジタル分野の成長が考慮されました。

インドネシアとデジタル経済

①オンラインの情報収集とショッピングの流行

Googleなどの調査eConomy SEA 2022によると、いまやインドネシア人の多くがデジタルを生活と行動の中心としています。例えば、消費者の21%が購入したい商品や好みのブランドをSNSで見つけています。

また、2022年のEC取引額は前年比18.7%増の476.3兆ルピア(4兆4,360億円)に達しており、インドネシア銀行は2025年頃まで20%前後の成長率を維持すると予想しています。

②企業のAI導入の流れ

世界のAI導入状況を調べたIBM Global AI Adoption Index 2022によると、世界の企業の33%がITプロセスの自動化にAIを活用しています。他にも、29%がセキュリティーに、28%がビジネスプロセスの自動化に、26%がビジネス・アナリティクスに、26%がマーケティングに、AIを活用しています。

③インターネット利用者数の増加と若者の存在感

インドネシアインターネットサービスプロバイダー協会の調査(2022年~2023年)によると、インドネシアにおけるインターネットの利用者数は総人口の78.2%で2億1,000万人を超えました。

特筆すべきはインドネシアは若者が多い国だということです。デジタルネイティブ世代であるZ世代とミレニアル世代を合わせると総人口の過半数を占め、若者がけん引するデジタルテクノロジー中心の文化が誕生しています。

④デジタル経済の急成長

eConomy SEA 2022によると、インドネシアにおけるデジタル経済の規模は2022年には770億米ドル(10兆7,580億円)で、2025年には1,300億米ドル(18兆1,640億円)に達すると予測されています。

インドネシア経済の魅力について

化粧品部門でアワードを受賞した企業

化粧品部門でアワードを受賞した企業を3社取り上げます。さらに、本アワードのテーマである「無限の創造性によるカスタマーエクスペリエンスとエンゲージメントの向上」を念頭に、各企業のデジタルを活用したユニークなシステムや活動を紹介します。

PT Paragon Technology and Innovation

PT Paragon Technology and Innovation(パラゴン・テクノロジーアンドイノベーション:Paragon社)は、その企業名が示すように、テクノロジーとイノベーションを通じた社会貢献を目指す美容企業です。同社はインドネシアにおけるハラール化粧品のパイオニアであるWardah(ワルダ)を始め、複数の美容ブランドを展開しています。

Paragon社はデジタルを利用した取り組みを行っています。その1つがビジネス支援を含むアフィリエイトシステムの再販売プログラム「パラゴンビジネスパートナー」です。多くの企業が取り入れている再販売やアフィリエイトのシステムとは異なり、ビジネスコンサルタントによるサポートが提供されている点が特徴です。

PT Royal Pesona Indonesia(Somethinc)

PT Royal Pesona Indonesia(ロイヤル・ペソナ・インドネシア)は、人気化粧品ブランドSomethinc(サムシンク)のメーカーです。

2019年5月に誕生したSomethincは、インドネシア人のニーズに合った化粧品を手ごろな価格で提供することで支持されています。同ブランドはECプラットフォームShopeeのスキンケア部門でシェア1位になるなど急成長を遂げており、既に120種類を超える化粧品を発売しています。

Somethincは、Instagramを始めとするSNSを利用したマーケティングで成功した美容ブランドとしても知られています。SomethincはInstagramやTikTokのショップ機能を利用し、投稿を見た人がそのままアプリやプラットフォームを切り替えずに買い物ができる仕様にしています。

また、同ブランドのSNSは明るい雰囲気でメッセージがわかりやすく、コンテンツとしても面白いものが多いのが特徴です。

PT. Penta Natural Kosmetindo(NPURE)

PT. Penta Natural Kosmetindo(ペンタ・ナチュラル・コスメティンド)は2017年に美容ブランドNPURE(エンピュア)を立ち上げました。同ブランドのスキンケア製品には、厳選されたインドネシアの天然素材が使用されているだけでなく、アルコールやパラベンなど人体に影響のある成分を使用しておらず、「自然で健康な肌」をコンセプトにしています。

NPUREは、InstagramやTikTokで「#GenerasiKulitSehat(健康な肌の世代)」というキャンペーンを実施しています。このキャンペーンでは、適切な製品を使って、正しいスキンケアを行うことや健康的な生活の実施方法などを発信しており、手軽に得られる見た目の美しさではなく、肌の健康を追求する大切さを啓蒙しています。

ハッシュタグによる顧客参加型のムーブメントは、まさに顧客のエンゲージメントを高める1つの手段であり、NPUREのブランドイメージの確立にも寄与しています。

この他、美容ブランドSCARLETT(スカーレット)のPT Opto Lumbung Sejahtera(オプト・ルンブング・セジャーテラ)、Avoskin(アヴォスキン)のPT AVO Innovation Technology(アヴォ・イノベーションテクノロジー)も、化粧品部門でアワード受賞しました。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

記事の検索

デジタル技術サービス部門でアワードを受賞した美容・健康関連企業

続いて、デジタル技術サービス部門でアワードを受賞した、美容・健康関連のサービスを提供する企業を紹介します。

PT Sociolla Ritel Indonesia(Sociolla)

2015年、PT Sociolla Ritel Indonesia(ソシオラ・リテール・インドネシア)は、インドネシア初の美容に特化したECプラットフォームSociollaを設立しました。2019年には、ジャカルタに初のオフライン店舗をオープン。現在ではインドネシア国内に40店舗以上を展開しています。

Sociollaは、オンライン(プラットフォームやSNS)とオフライン(実店舗)のチャネルを統合した一続きのショッピング体験を提供する「オムニチャネルマーケティング」で実績があります。

オムニチャネルに対応させた販売戦略やデータ分析も実施しています。加えて、ECプラットフォームやWebメディア、会員制コミュニティー、そして実店舗を通した顧客とのコミュニケーションを大切にし、快適なショッピング体験を提供してきたことが、カスタマーエクスペリエンスとエンゲージメントの向上に成功している事例だと評価されています。

PT Fashion Eservices Indonesia(Zalora Indonesia)

Zaloraはファッション・美容カテゴリーのECプラットフォームです。カテゴリーを限定した専門ECプラットフォームとしてはインドネシア最大級で、価格比較サイト運営会社のiPriceの2022年第1四半期のデータによると、Zaloraの月間訪問者数は278万人で、BtoCの専門ECプラットフォームとしてはベビー用品のOramiに次ぐ2位となっています。

ECプラットフォーム訪問者数ランキング

画像出典・参考:DataIndonesia「Daftar E-Commerce dengan Pengunjung Terbanyak per Kuartal I/2022」

シンガポールに拠点を置き、アジアの6つの国と地域でECプラットフォームを運営するZaloraは、世界のファッションや美容ブランドの正規品を幅広く取り扱っています。

ブランドの公式オフラインストアに比べると安いものが多く、さらにセール中はお得に購入できます。30日間は送料無料で返品できる仕組みを導入するなど、ファッションや美容に興味があり、さまざまな総合ECプラットフォームが乱立するなかで、優れたプラットフォームを選びにくいというユーザーに支持されています。

カジュアルにインドネシア進出を試した小売企業様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ドラッグストアやショッピングモールでの市場調査、競合商品の価格調査、現地消費者へのインタビューを実施。市場性を確認した上で、正式なインドネシア進出を決定した。(化粧品企業様)
  • 営業経験のあるインドネシア人を2名チームで雇用し、スポーツジムや病院、リハビリ施設などへの営業活動を実施。販売代理店候補の開拓や市場ニーズを調査し、調査後に販売体制を構築した。(健康器具メーカー様)
  • EC運営経験のあるインドネシア人チームを雇用し、現地ECモールへの出品やSNSを活用したテストマーケティングを実施。売れ筋商品やターゲット層を分析し、本格的な販売開始につなげた。(総合雑貨メーカー様)

上記のように、法人を設立しなくてもカジュアルにインドネシアに進出している企業様はいます。小売関連のビジネスであれば、貴社でもそれが可能です。

PT Alodokter Teknologi Solusi (Alodokter)

Alodokter(アロドクター)は、8万人以上の医師が加入しているインドネシア最大のデジタルヘルスプラットフォームです。いつでもどこにいてもアクセスできる利便性が支持されており、月間アクティブユーザー数は3,000万人以上に上ります。

同プラットフォームでは、医師とのチャットや病院の検索・予約、健康情報の配信、健康保険Aloproteksi、健康関連製品の販売、5つの主な機能をWebとアプリで提供しています。Alodokterで提供される健康情報は、いずれも医師チームによって監修されており、さらには、一般人にも理解しやすい言葉で発信しているのが特徴です。

Alodokterは、Webまたはモバイルアプリを通して多くの国民に遠隔医療を提供したことが評価されています。特に、コロナ禍で外出を控える人が多かった時期には、健康に不安のある人と医師を繋ぐことで悩みを解消し、適切な医療につなぐ機会を提供したことは、社会的な影響も大きく、多くの人がサービスを認めています。

また、病院が少ない地域に住んでいる人や、交通手段が限られていて外出しづらい人のニーズも満たし、信頼できるオンライン医療サービスとしての地位を確立しています。

インドネシアで挑戦する人々
― ビジネス最前線の声
インドネシアで活躍する芸人兼インフルエンサーのそこらへん元気さんに、3つのSNSの活用方法や戦略などを教えてもらいました。
続きを読む

幅広く活用されるデジタル技術

デジタル技術を上手に活用していることを評価され、グランドデジタルマーケティング・アワードを受賞した美容・健康関連の企業を6社紹介しました。それぞれがユニークなコンセプトや方法で、Webサイト、ECプラットフォーム、SNSアカウントなどを運用し、カスタマーエクスペリエンスやエンゲージメントの向上に役立てていることがわかります。

今回取り上げたグランドデジタルマーケティング・アワード2023のほかにも、インドネシアでは色々な企業が独自の表彰イベントを実施しています。受賞企業の顔ぶれを確認することは、最新のトレンドを知ることに繋がります。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

記事の検索
  • LINE
「インドネシア進出のお悩み」
なんでもご相談ください!
法人設立 法人設立
雇用代行 雇用代行
現地視察 現地視察
ビザ申請 ビザ申請
お取引実績
※業種業界問わず数多くのお客様の進出支援/集客支援をサポート。
お急ぎの場合は、お電話の他、LINEやFacebookメッセンジャーでもご相談可
050-1721-9794 平日9~18時

いつでもお気軽にご相談ください

お電話

050-1721-9794

(9:00〜19:00)

カケモチの自己紹介
LINE WhatsApp