インドネシアのスイーツ事情、人気のスイーツ店から市場参入のポイントまで
- 公開
- 2025/02/13
- 更新
- 2026/06/20
- この記事は約5分29秒で読めます。
インドネシアのスイーツ市場は、伝統的なお菓子から洋風スイーツまで多彩な展開を見せており、日系企業にとっても大きな可能性を秘めています。本記事では、インドネシアのスイーツ人気の現状や、主要なスイーツ店の概要、さらに市場参入のポイントについて詳しく解説します。
【補足】
本記事の円表記は2025年2月11日のレート(1ルピア=0.0093円、1ドル=151.84円)で換算したものです。
インドネシアにおけるスイーツ人気

インドネシア人はもともと甘いものが好きで、現在では伝統的な菓子だけでなく洋風のスイーツも広く受け入れられています。特にケーキやドーナツなどの定番スイーツは都市部を中心に人気が高まっており、店舗数も増加傾向にあります。
インドネシアの菓子市場は活気があり、2024年には市場規模が10億3,000万ドル(1,563億9,260万円)に達しました。2029年まで年平均成長率14.4%で成長し、20億1,000万ドル(3,051億9,340万円)に達すると予測されています。
このうち、チョコレート菓子は総売上の半分以上を占め、砂糖菓子が38%でそれに続きます。ココアなどの原材料の価格変動などの課題にもかかわらず、可処分所得の増加、都市化、消費者の嗜好の変化により、市場は拡大し続けています。
参考:GournetPro「The Indonesia Confectionery Market Trends You Need to Know」
インドネシアで人気のスイーツ店
インドネシアにはさまざまなスイーツ店がありますが、ここではある程度の規模を持つ主要なブランドを紹介します。
ベーカリー系
Holland Bakery
Holland Bakeryは1978年に設立されたインドネシア初のモダンベーカリーで、現在、全国に470以上の店舗を展開しています。種類豊富なパン類に加え、ケーキなどの焼き菓子、ドーナッツ、プリン、伝統菓子なども販売しています。
- Webサイト:hollandbakery.co.id
[参考メニュー]
- ドーナツ6個入り/7万200ルピア(650円)
- ブラックフォレスト(チョコレートケーキ)1ホール /30万5,800ルピア(2,840円)
Mako
Makoは、日本のベーカリーにインスパイアされた、パンとスイーツのお店です。元々はシンガポール発のベーカリーショップ「Bread Talk」として展開していましたが、BreadTalkのフランチャイズ契約が2022年11月に終了したあとは、ローカル企業が単独で運営しています。
2025年1月時点では30店舗程度ですが、元々BreadTalkとして100以上の店舗を構えていたこともあり、今後もMakoとしての店舗を拡大していくことが予測されます。
主にショッピングモール内に店舗を構えており、パンやケーキ、インドネシアの伝統菓子などを販売しています。
- Webサイト:makobakery.com
[参考メニュー]
- ブラックフォレスト(チョコレートケーキ)1カット/2万7,500ルピア(260円)
- ブラックフォレスト(チョコレートケーキ)1ホール/27万6,000ルピア(2,600円)
パティスリー系
The Harvest
The Harvestは西洋風の高品質なケーキやペストリーを提供するパティスリーで、2004年にインドネシア人のパティシエによって創設されました。現在は都市部を中心に130店舗以上を展開し、洋菓子店が一般的になる前から人気の高級なスイーツショップとして広い世代に認知されています。
人気メニューには、チョコレートケーキやチーズケーキ、フルーツタルトなどがあります。店舗によってはカフェを併設し、食事も可能です。
- Webサイト:harvestcakes.com
[参考メニュー]
- クラシックオペラ(チョコレートケーキ)1カット/4万1,000ルピア(380円)
- ブラックフォレスト(チョコレートケーキ)1ホール/34万5,000ルピア(3,200円)
Dapur Cokelat
Dapur Cokelatは2001年に設立され、2025年1月時点では主要都市を中心に36店舗を展開しています。「チョコレートキッチン」を意味する店名からもわかるとおり、チョコレートケーキやプラリネ、チョコレートドリンクなど、店内に並ぶスイーツの多くがチョコレート系です。
商品を陳列する一般の店舗のほかに、デリバリー専用の「デリバリーポイント」と呼ばれる店舗も展開しています。
- Webサイト:dapurcokelat.com
[参考メニュー]
- クッキー(スモールサイズ)/7万ルピア(690円)
- ブラックフォレスト(チョコレートケーキ)1ホール/29万8,000ルピア(2,760円)
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
人気店の共通点

インドネシアで広く受け入れられ、数十店舗以上を展開するベーカリーやスイーツ店には、以下のような共通点があります。
①しっかりとした甘さ
インドネシア人の多くは甘党です。当然、スイーツもインドネシア人の嗜好に合わせた味付けが必要です。甘さ控えめの繊細な味は「物足りない」と受け止められやすく、日本と比較するとしっかりとした甘さの商品を提供するお店が多くなっています。
②華やかな見た目
インドネシア人の多くは、手土産やプレゼントにするものとして、大きいものや派手なものを好みます。特別な日を演出してくれるスイーツも、もちろん見た目が大切です。特に誕生日ケーキなどは、カラフルなバタークリームでデコレーションした、華やかなデザインが好まれる傾向があります。
なお生クリームを使ったケーキはあまり多くなく、バタークリームのケーキ以外では、チョコレートケーキやチーズケーキが主流です。
③ノンアルコール
非イスラム教徒に絞って商売を行う場合を除き、イスラム教徒が多いインドネシアでは、アルコールを使用しない製品作りが求められます。実際に、紹介した4つのベーカリーやパティスリーはすべて、ハラール認証を取得しています。
そのためインドネシアの洋菓子と日本の洋菓子とではバリエーションに違いがあり、また、見た目が似ていても風味が異なるものが多くなっています。
インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。
- 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
- 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
- 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。
インドネシアにおけるシャトレーゼの躍進

日系の菓子専門店シャトレーゼは、2017年のインドネシア進出以来順調に店舗数を増やし、2025年度末には450店舗にまで拡大する計画を打ち出しています。
成長の背景には、インドネシア人の日本ブランドへの信頼、高品質な製品、甘さ控えめな味わい、そして手頃な価格設定が挙げられます。
①日本ブランドへの信頼と品質の高さ
インドネシア人の多くは、特に食の分野に関して、日本に良いイメージを持っています。日本の商品は味だけでなく安全性でも非常に信頼されており、シャトレーゼが多くの商品を「日本直輸入」にこだわっている点も消費者を惹きつける要因の一つとなっています。
実際は現地生産商品も多いものの、直輸入の商品と日本ブランドで信頼を獲得しつつ、現地生産商品も含めた品質の高さが評価されていると考えられます。
②甘さ控えめな味わい
インドネシアでは甘さの強いスイーツが多い中、シャトレーゼの商品の甘さ控えめな味わいは、食べ慣れた伝統的な味にこだわらない、新しもの好きな若者や中間所得層に支持されています。
インドネシア人は甘党と紹介しましたが、昨今は健康志向の高まりもあり、むしろ甘さ控えめのスイーツに魅力を感じる人も増えています。実際にシャトレーゼのスイーツは、「甘さ控えめでもおいしい」、「食べ飽きない」と評判です。
インドネシアのスイーツには珍しい、生クリームや果物をふんだんに使ったおしゃれな見た目も人気の秘密です。
③手頃な価格設定
シャトレーゼは自社で生産から販売までを一貫して行う「ファームファクトリー」方式を採用しており、コストを削減することで高品質なお菓子を手頃な価格で提供しています。
インドネシアのシャトレーゼのスイーツも、すでに紹介したThe HarvestやDapur Cokelatのような現地のモダンなパティスリーとあまり変わらない価格帯となっています。
- Instagram:instagram.com/chateraise.id/
[参考メニュー]
- ロールケーキ1カット/1万8,000ルピア(170円)
- ショートケーキ1カット/3万6,000ルピア(330円)
- チョコレートケーキ1ホール/25万ルピア(2,320円)
― ビジネス最前線の声
富裕層がターゲットのスイーツ店
都市部の富裕層をターゲットにした高級スイーツ店も存在します。Union、Dore by LeTAO、RR Chocolateなどがその例で、甘さ控えめで洗練されたスイーツを提供しています。
これらのブランドは過去10年で次々と登場し、富裕層の間で人気を博しています。ターゲットを限定したコンセプトを広いインドネシアのどこまで広げることができるのか、今後注目したいところです。
和菓子の可能性
伝統的な和菓子専門店はほとんどありませんが、餅(MOCHI)は一定の人気があります。インドネシアでMOCHIというと日本のいわゆる「餅」ではなく、大福のことを指します。MOCHIは専門店のほかイオンなどのスーパーマーケットでも販売されており、現地の消費者に受け入れられています。
また、ドラえもんの影響があってか、どら焼きも有名です。Sari Rotiなど製パン大手が、チョコレートやジャムなどを挟んだどら焼きを販売しています。
インドネシア市場の可能性
インドネシア人の多くはお酒を飲まない分、コーヒーやお茶をよく飲み、甘いものも大好きです。そのため、スイーツ市場には大きな可能性があります。
価格帯を抑えて中間層をターゲットにする戦略や、高価格帯で富裕層を狙う戦略など、多様なアプローチが考えられます。和菓子の展開はチャレンジングですが、ニッチな市場としての可能性はあるかもしれません。
インドネシアのスイーツ市場は多様性と成長性を持ち、日系企業にとって魅力的な参入先と言えるでしょう。現地の嗜好や文化を理解し、適切な戦略を立てることで、成功のチャンスは広がります。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
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