インドネシアのMochi(大福)市場の特徴と検討すべき販売チャネル

公開
2026/05/30
更新
2026/06/20
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インドネシアでMochi(もち)は人気がありますか?

インドネシアでは、Mochiの認知度がここ数年で高まっています。ただし、日常的な定番菓子というより、都市部の「スイーツ感度」が高い層を中心に広がっている段階です。

インドネシアでいうMochi(もち)は、日本の餅と同じですか?

インドネシアの「Mochi」は、一般的に、日本の切り餅や丸餅ではなく、クリームやあんこを包んだ大福に近い商品です。

インドネシアでMochi(もち)事業を始める際の注意点は何ですか?

生菓子であるため、在庫管理や冷蔵・冷凍配送への対応が重要です。また、幅広い層に販売する場合は、ハラール対応や販売チャネルの設計も検討する必要があります。

Mochi市場進出を相談する

インドネシアへの食品事業進出を検討している和菓子・洋菓子メーカーの担当者の方にとって、「現地でどのような商品が受け入れられているか」を把握することは、参入戦略を立てるうえで欠かせない判断材料となります。

インドネシアでは近年、Mochi(もち)が認知度を高めています。まだ日常的な定番菓子とまではいえないものの、都市部を中心に関心が高まり、チョコレートや抹茶クリームなどを使った和洋折衷のスイーツとして進出可能性が見え始めています。

本記事ではインドネシアの「Mochi(もち)」について、市場動向、販売チャネル、現地消費者の好み、そして進出を検討する際の留意点をまとめます。

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インドネシアにおける「Mochi」とは

日本で「餅」といえば、正月に食べる切り餅や丸餅を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、インドネシアにおいて「Mochi」という言葉は、ほぼ「大福」を指すものとして使われています。街中に「Mochi Shop」があれば、多くの場合、それは大福を販売するお店です。

本記事でも現地の文化・認識に合わせ、以降は「Mochi」という表記を使い、大福を指すものとして話を進めます。

なお、インドネシアにはもともとKlepon(クレポン)やOnde-onde(オンデ・オンデ)といった、もち米を使った伝統菓子が存在します。そのため、もちもちした食感自体はインドネシア人にとって馴染みがあるものです。

インドネシアの餅菓子オンデ・オンデ
Onde-onde(オンデ・オンデ)

ただし、Mochiが受け入れられている背景として「伝統との連続性」というよりは、日本発の新しいスイーツとして新鮮に受け入れられているという側面が強いように思われます。

インドネシアでは、日本の商品名やカテゴリーが現地で異なる意味で受け取られることがあります。特定の食品の現地ニーズや販売可能性を事前に確認したい方は、こちらから一度弊社までご相談ください。

インドネシア経済の魅力について

Mochi市場の広がり

Mochiは特別新しい食品ではなく、インドネシア市場には10年以上前から存在していました。当初は目立った市場ではありませんでしたが、Googleトレンドのデータ(Indonesia・「Mochi」・2016年〜2026年)を見ると、興味深い変化が読み取れます。

インドネシアにおけるMochi市場の広がり

2016年〜2021年にかけては検索量が低水準ながらも緩やかな右肩上がりで推移。2022年頃に急激なスパイクが見られ、その後も2023〜2024年にかけて高水準を維持しています。2026年時点でも、コロナ禍以前の水準を大きく上回る検索量で安定しています。

こうした盛り上がりの背景として、SNSでの拡散が挙げられます。

インドネシアで最も影響力のあるインフルエンサーの一人であるRaffi Ahmad(ラフィ・アフマド、フォロワー7,000万人超)が、自身のInstagram StoryでSakura Jewelry SweetsというブランドのMochiを紹介したことも、その一例として挙げられます。

このような著名人によるオーガニックな発信が、Mochiの認知度向上に一役買っているものと考えられます。

【補足】
Google Trendsはあくまでも検索量の相対的な変化を示すものであり、市場規模や購買行動を直接示すデータではありません。ただ、消費者の関心が着実に高まっていることの傍証としては十分機能するデータだといえるでしょう。

必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。

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販売チャネルと市場プレイヤーの整理

現在のインドネシアにおけるMochiの販売チャネルは、大きく以下の4つに分類できます。

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日系スーパー・小売のプライベートブランド

ジャカルタのAEONのMochi売り場
AEONのMochi売り場

現在特に注目されているチャネルの一つです。

ジャカルタのブロックMに本店を構える日系スーパーPAPAYAがコロナ前から販売していたMochiは、ここ最近で人気に火がつき、午前中から購入を目的としたインドネシア人客で賑わっています。

また、日系ショッピングモールのAEONでも自社製造のMochiを常時販売しており、話題性のある和菓子を積極的に自社製造・販売する姿勢をみせています。

日系菓子メーカー

インドネシアのシャトレーゼの大福
シャトレーゼのいちご大福・粒あん大福

シャトレーゼはインドネシアに直営店を構え、あんこを使った本格的な和菓子路線のMochiも展開しています。万人受けするとはいい切れませんが(詳細は後述)、日本の和菓子文化を現地に届ける先行事例として参考になるでしょう。

シンガポール系アイスクリームブランド

シンガポール系アイスクリームブランドAiceの餅アイス
AiceのMochiアイスクリーム

シンガポール発のアイスクリームメーカーであるAiceは、インドネシアに製造工場を持ち、Mochiアイスクリームを販売しています。

バニラやドリアンなど複数のフレーバーを展開しており、ハラル認証も取得済みです。日本食レストランや居酒屋でもMochiアイスクリームをデザートとして提供するケースは珍しくなくなっており、このカテゴリーは着実に浸透しています。

EC・デリバリー・小規模事業者

中央ジャカルタでGoFoodからMochiを検索した結果の一部
中央ジャカルタでGoFoodからMochiを検索した結果の一部
中央ジャカルタでGoFoodからMochiを検索した結果の一部

GoFoodやGrabFoodといったデリバリーアプリを活用して販売する個人・小規模事業者も少なくありません。生菓子をデリバリーで販売するという形態はインドネシアでも一定の需要がありますが、品質管理や配送環境の面では課題もあります。

インドネシアで食品を展開する際は、どの販売チャネルを選ぶかで初期費用や必要なパートナーが大きく変わります。現地視察や販売先候補の確認をご希望の方は、インドネシア現地視察支援サービスをご覧ください。

カジュアルに進出を試した飲食店様の事例

インドネシア進出は、調べれば調べるほど、そのハードルの高さに頭を抱える方が少なくありませんが、もっとカジュアルに進出する方法もあります。

  • 月額5万円でインドネシア人をフルタイムで雇用し、ショッピングモールや商業施設、競合飲食店を調査。出店候補地やターゲット層、価格帯などを分析し、採算性を確認した上で正式な進出を決定した。
  • 飲食業界経験者を3名チームで雇用し、現地食材の調達先や厨房設備、物流体制を調査。あわせてフランチャイズやライセンス展開の可能性も検証し、最適な進出方法を決定した。
  • 営業マネージャーと店舗開発担当の2名をチームで雇用し、デベロッパーやショッピングモール、現地パートナー企業との商談を実施。現地法人を設立することなく出店候補物件や提携先を調査し、本格出店に向けた体制を構築した。

インドネシア人のMochiの好み

進出を検討するうえで、「何が売れるか」を把握することは非常に重要です。現地での見聞をもとに整理すると、以下のような傾向が見られます。

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あんこ系は万人受けしない

インドネシアにも月餅などで餡を食べる文化はありますが、日本のあんこはそれほど好まれない傾向があります。現地にもあんこに似た食品があるからこそ、珍しさを感じてもらいにくいのかもしれません。シャトレーゼのようにあんこ系Mochiを提供している事例もありますが、広く受け入れられているとはいい難い状況です。

人気は「和洋菓子」としてのMochi

チョコレートクリームや抹茶クリームを包んだ、いわば和洋菓子の融合としてのMochiが現地では好まれています。「日本から来た新しいスイーツ」として楽しんでもらえる、独自性のある商品設計が求められます。

いちご大福は知名度はあるが人気は限定的

アニメやドラマの影響で「いちご大福」の名前を知っているインドネシア人は少なくありませんが、実際の販売では、必ずしも人気商品とはいい切れない状況です。

Mochiの「進化系」? 他カテゴリーとの融合が加速

近年注目されているのが、Mochiを素材として活用した他カテゴリーとのコラボレーションです。Mochi(の求肥部分)をパンやケーキなどのベーカリーやスイーツに組み合わせた商品が登場しており、「大福」という一つの形に留まらない広がりを見せています。

これはインドネシア人がMochiに対して「伝統菓子」としての先入観を持っていないからこそ起きている現象といえるでしょう。

Sushi(寿司)が世界各地で独自の進化を遂げたように、Mochiもインドネシアというフィールドでローカライズされながら、新しいカテゴリーを生み出していく可能性は十分にあります。この「素材としてのMochi」という視点は、食品メーカーが参入形態を検討するうえでも示唆に富むのではないでしょうか。

「一般化」にはまだ距離がある

Mochiという名前の認知度はかなり上がっているものの、現段階ではスイーツに感度の高い消費者層を中心とした局所的な普及にとどまっているといえるでしょう。日常的に口にする食品としての定着までには、まだ距離がある状況です。

実際に売れる商品設計を考えるには、味の好み、価格帯、購入シーンを現地目線で確認することが重要です。インドネシア消費者の反応を知りたい方は、弊社の市場調査サービスをご利用ください。資料はこちらからダウンロードできます。

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進出を検討する際の留意点

ジャカルタのファミリーマートのMochi(クリーム大福)
ジャカルタのファミリーマートのMochi(クリーム大福)
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在庫管理と製造量のコントロール

Mochiは傷みやすい生菓子です。需要を読み切り、製造量を適切にコントロールできるかどうかが、事業の収益性に直結します。日本国内での経験があるメーカーであっても、現地の需要予測は別途慎重に行う必要があります。

常夏の配送環境への対応

インドネシアは一年を通じて気温が高く、冷蔵・冷凍管理が前提となります。ECやデリバリーでの販売を視野に入れる場合は、配送中の温度管理、梱包設計、商圏の設定(配達可能距離)を慎重に検討することが不可欠です。

ターゲット設定とハラール対応

Mochiは単価が高い「高級品」として展開しにくいカテゴリーです。ある程度の販売数量を確保するには、ターゲット層を広く設定する必要があり、そうなると自然とハラール(ハラル)対応が求められます。

インドネシアにおけるハラール認証の重要性や取得プロセスについては、弊社の別記事「インドネシア進出に不可欠なハラル認証とは」を参照してください。

都市部と地方の温度差

現時点では、Mochiのサプライヤーはジャカルタをはじめとする都市部に集中しています。地方都市ではまだ参入余地がある可能性は高く、先行者利益を狙える市場として検討する価値があるかもしれません。

一般化前だからこそ参入余地があるインドネシアのMochi市場

インドネシアのMochi市場は、10年以上の歴史を持ちながら、ここ数年で検索トレンドや販売チャネルの拡充が顕著になっています。まだ「一般化」には至っていないものの、感度の高い消費者層を中心に着実にファン層を広げており、今後のさらなる成長が期待できる市場です。

進出の成功の鍵は、あんこ系よりもチョコレートや抹茶クリームといったローカル好みに合わせた商品設計、ハラル対応、そして常夏の配送環境を考慮した販売設計にあるといえるでしょう。

さらに「大福」という既存の枠にとらわれず、パンやケーキとの融合など「素材としてのMochi」という視点で参入形態を検討することも、有望な選択肢の一つではないでしょうか。

インドネシアへの食品事業進出をご検討の際は、ぜひ弊社にご相談ください。現地の市場環境や参入戦略について、具体的なサポートをご提供しています。

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