インドネシアで外国人が就ける役職・就けない役職
- 公開
- 2025/11/24
- 更新
- 2026/06/20
- この記事は約6分53秒で読めます。
インドネシアで外国人を雇用する際、「どの役職・職種に就けるのか / 就けないのか」は、企業にとって最初に確認すべき重要ポイントです。
以前は、「外国人が就けない役職リスト(ネガティブリスト)」が基準でしたが、2019年労働大臣決定第228号の施行により、「外国人が就ける役職リスト(ポジティブリスト)」へと刷新されました。現在は、外国人労働者(TKA)が従事できる職種が、18の産業分野それぞれについて具体的に定められています。
本記事では、最新法令に基づき、外国人が就ける役職、就けない役職、役員としての就任の可否などを整理します。
外国人が就ける役職
外国人が従事できる分野
外国人がインドネシアでどの役職・職種に従事できるかについて、以前は「2012年 労働・移住大臣決定第40号」で規定された「就けない役職リスト(=ネガティブリスト)」を基に運用されていました。しかし「2019年労働大臣決定第228号」によりこれが廃止され、現在は「就ける役職リスト(=ポジティブリスト)」が採用されています。
まず、産業分野については、以下の18のカテゴリーに分類されています。
外国人労働者が従事できる「特定職務カテゴリー」
- 建設
- 不動産
- 教育
- 製造業(加工産業)
- 水の管理、廃水処理、廃棄物管理・リサイクル、環境修復活動
- 運輸および倉庫業
- 芸術、娯楽、レクリエーション
- 宿泊サービスおよび飲食サービス
- 農業、林業、漁業
- レンタル・買取オプションなしリース業(ファイナンスリース)、人材サービス、旅行代理業、その他の支援サービス
- 金融・保険業
- 医療・社会活動
- 情報通信
- 鉱業・採掘
- 電気・ガス・蒸気 / 温水供給、空調供給
- 卸売・小売、自動車・オートバイの修理および整備
- その他サービス活動
- 専門的、科学的、技術的活動
同大臣決定は、インドネシアでの就労を予定する外国人の職務がリストに掲載されていない場合、担当大臣または指名された官職が許可を与えることができることや、リストが必要に応じて更新されることも決定しています。
外国人が就ける役職
次に、役職についてです。
外国人が従事できるのは「専門的な知識・技能が必要な仕事」という原則があるため、許可されるのは主に管理職か専門職・技術職になっています。
「2019年労働大臣決定第228号」の「外国人が就ける役職リスト」は、産業分野のカテゴリー分けに則り、それぞれの分野において外国人が就ける役職・職種をリスト化しています。
たとえば、飲料品製造業分野で外国人の就労が許可される職種は、以下の31種類です。大きく分けて、マネージャー、アドバイザー、エンジニアの3つであることがわかります。
外国人が就ける役職の例(飲食品製造業)
- 工場マネージャー
- 研究開発マネージャー
- 財務マネージャー
- ジェネラルマネージャー
- IT(情報技術)マネージャー
- 生産マネージャー
- マーケティングマネージャー
- 健康・栄養マネージャー
- 品質保証マネージャー
- 品質管理マネージャー
- 計画マネージャー
- サプライチェーンマネージャー
- オペレーションマネージャー
- 購買マネージャー
- 機械工学マネージャー
- プロジェクトマネージャー
- ブランドアンバサダー
- 研究開発アドバイザー
- IT(情報技術)アドバイザー
- マーケティングアドバイザー
- パッケージングアドバイザー
- 製品開発アドバイザー
- 生産アドバイザー
- 品質管理アドバイザー
- 品質保証アドバイザー
- 化学エンジニア
- 微生物学スペシャリスト
- 機械エンジニア
- 機械保全エンジニア
- 電気エンジニア
- 検査エンジニア(コミッショニングエンジニア)
外国人の役員就任
「2019年労働大臣決定第228号」は外国人の役員就任について、「人事を扱わないコミサリス(監査役)またはディレクター(取締役)の職務については、外国人労働者が就くことを認める。ただし法令に抵触しない場合に限る。」と定めています。
つまり、法令に則って手続きを行い、人事権を持たない限りにおいて、外国人も会社役員になることができます。
- 参考:Kementerian Ketenagakerjaan RI「Keputusan Menteri Ketenagakerjaan Nomor 228 Tahun 2019」
-
インドネシアで日本人を雇用したいのですが、該当するポストが法令の「外国人が就ける職種リスト」にありません。
-
「外国人が就ける職種リスト」は法律制定当時に想定できた範囲のリストであり、今後も更新の可能性があります。現状でリストにない職種は、「本来なら許可されるが『未記載』の職種」かもしれません。そのため、外国人を雇用したい職種がリストになくても、労働省またはその分野の担当省庁に問い合わせることで解決する場合があります。
外国人が就けない役職
最初に触れた通り、以前は「外国人が就けない仕事リスト(=ネガティブリスト)」が法律で規定されていましたが、2019年に廃止され、「就ける仕事リスト(=ポジティブリスト)」に変更されています。そのため、法律で「外国人は禁止」と明記されている役職はあまりありません。
人事職
法律で外国人が就けないと明記されている仕事としては、人事を扱う職務が挙げられます(2023年法律第6号(UU 6/2023 / オムニバス法の改定法))。役員についても「人事を扱わない場合は可」とされているのは、そのためです。
したがって、人事職については、どの産業分野・どの役職でも、外国人の雇用は認められません。
経理職
経理・会計については、法律では明記されていません。ただ、廃止された「2012年労働大臣決定第40号」のネガティブリストに、会計、財務スタッフ、給与計算、出納などの職種が列挙されていました。
また、ポジティブリストに変更されてからも、リストに入った経理・会計関係の職務がほぼすべてマネージャー職であることから、管理職以外の役職での外国人の就業は厳しい状況です。
個人事業主・公務員
役職に関係なく、外国人がインドネシアで個人事業主および公務員になることは、法律で禁止されています。
-
外国人でも、インドネシア企業の社長やその他の役員になれますか。
-
インドネシアでは、人事を扱わない限り、外国人も会社役員になることができます。最近では、国営航空会社であるガルーダ・インドネシア航空の役員として2名の外国人が起用され、話題になりました。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
外国人に期待される役割
インドネシアは、依然として外国人労働者の受け入れに慎重です。その理由の一つは、国内の労働人口を吸収できるほどの求人がなく、失業率が5%前後と高い状態が続いていることにあります。一方で、外国人労働者の人数は、増加傾向にあります。
政府は、このような状況のなか、外国人労働者を雇用する企業に、「技術移転」の責任を負わせることで、バランスを取ろうとしています。
たとえば、2023年法律第6号(UU 6/2023 / オムニバス法の改定法)第45条は、以下のように規定しています。
(1) 外国人労働者を雇用する雇用主は、次の義務を負う:
a. 外国人労働者の技術移転および技能移転のため、インドネシア人労働者を「外国人労働者の補佐者」として配置すること。
b. 補佐者が外国人労働者の職務資格に応じた能力を得られるよう、インドネシア人労働者に対し教育および職業訓練を実施すること。
外国人を雇用する企業が外国人従業員雇用計画書(RPTKA)を提出する際には、インドネシア人補佐者(アシスタント)の任命誓約書も必要になります。
インドネシア人補佐者には、技術・技能を習得し、最終的にペアを組む外国人労働者の職務を担えるようになることが期待されます(当該外国人労働者の退任後にその職を継ぐ義務はなし)。人数の規定はありませんが、一般的には外国人労働者1名に対し、最低1名の補佐者を配置します。役員など一部役職の外国人については、補佐者の配置が免除されます。
「インドネシア進出を前向きに検討しているものの、コンサルティング費用に月額20万〜30万円をかけるのは悩ましい。」そんな企業様にも気軽にご利用いただけるよう、弊社では月額5万円のインドネシア進出支援サービスをご提供しています。
- 定期的なオンライン会議と随時のメール相談を通じて、初めてのインドネシア進出を丁寧にサポートいたします。月1回のオンライン会議に加え、ご不明点やご相談にも迅速に対応いたします。
- インドネシア市場への本格的な進出に先立ち、現地での販売を担うディストリビューターやインポーターとの業務提携を円滑に進められるよう、提携候補先の選定やマッチングをサポートいたします。
- 現地企業への継続的なフォローアップを実施します。面談や商談を行った企業との円滑なコミュニケーションを支援し、次回の商談や具体的なビジネス機会の創出につなげます。
外国人就労の条件・制限
外国人がインドネシアで就労するには、就労ビザを取得する必要があります(短期のビジネス訪問を除く)。就労ビザ発給にはいくつかの要件があり、それを満たしていない場合、申請が受理されなかったり、希望通りの有効期間のビザが取れなかったりする可能性があります。
一般的には、以下のような要件です。
- 就任するポジションの資格に応じた教育を有していること
- 60歳未満であること
- 就任するポジションの資格に応じて5年以上の実務経験または相当する能力をもつこと
- 大学卒業以上の学歴所有者(職務により専門学校、短大も可)であること
ただし、これらのうち、現在、法令で明文化されているのは、「1.就任するポジションの資格に応じた教育を有していること(2021年労働大臣規則第8号)」のみです。他の3項目は、既に廃止された法令の内容か、法令では触れられていないが、他の法令の内容と整合性を取るため、運用上「これくらいが望ましい」とされている内容です。
そのため、すべての条件を満たしていないとビザが取れないわけではありません。
- 参考:Database Peraturan「 Undang-undang (UU) Nomor 6 Tahun 2023」
【映像で観る】インドネシアで働く外国人
日本人社長がCSR活動を視察

インドネシアの日系企業として長年事業を展開するPT Sharp Electronics Indonesia。そのトップを務めるのは寺岡真司社長です。動画に映るのは、同社が力を入れるCSR活動「Sharp Hydro Heroes」の一環として行われた、若者たちによる水耕レタスの収穫イベントに参加する寺岡社長の様子です。
Sharp Hydro Heroesは、インドネシアの若い世代に対して、有機農業や水耕栽培の技術を学ぶ機会を提供し、自立した若手農業起業家の育成を目指すプログラムです。寺岡社長はイベントで自らもレタスの収穫を体験し、「次世代が自らの力で未来を切り開くことが重要であり、シャープはその成長を支援していく」と語りました。
外資系企業への抜き打ち調査

こちらの動画は、中部ジャワ州Jepara(ジュパラ)県およびPati(パティ)県の入国管理局や人材・移住局の担当者が、地元の靴製造企業にて外国人労働者の抜き打ち調査を実施している様子です。
調査されたのはPT Hwaseung(ファスン) IndonesiaとPT Parkland World Jeparaで、どちらも韓国系企業です。
外国人雇用の規則は最新情報に注目
インドネシアでは、外国人が就ける役職・就けない役職が明確に定義されています。現在は、「2019年労働大臣決定第228号」によるポジティブリストが、実務上の重要な判断基準となっています。
外国人が就けるのは、基本的に専門性・高度な技能を要するマネージャー職やアドバイザー職、または専門職・技術職が中心です。また、コミサリス(監督役)やディレクター(取締役)といった会社役員については、人事を扱わなければ外国人でも就任が可能です。
外国人雇用に関する規則やリストは、今後も必要に応じて変更・更新されます。現地の最新の法令とその運用状況を適切に理解することは、外国人雇用の計画づくりやRPTKAの申請、そしてスムーズな事業運営のために不可欠といえます。
必要な情報が見つからない方は、下記のサイト内検索を活用してください。
お客様の声
なんでもご相談ください!
法人設立
雇用代行
現地視察
ビザ申請
















いつでもお気軽にご相談ください
-
WEBからお問い合わせ
ご相談はいつでも無料24時間受付(2営業日以内に返信いたします)
-
すぐにでも日程調整を行いたい
日程調整フォームへ代表の柳沢が説明いたします。















