ジャカルタの玄関口であるスカルノ・ハッタ国際空港から市内への主要なアクセス方法としては、電車・バス・タクシー・配車アプリ・専用送迎サービスの5つが挙げられます。

本記事では、これらのアクセス方法について、それぞれ所要時間や運賃、乗り場、支払い方法など要点を整理します。初めてインドネシア・ジャカルタを訪れる方もイメージしやすいよう、地図や動画も添えますので、ぜひ参考にしてください。

【補足】
※本記事ではスカルノ・ハッタ国際空港の起点として、主に、日本からの直行便が到着する第3ターミナルを取り上げます。
※ルート、スケジュール、料金などはいずれも2025年10月時点のものです。
※本記事の円表記は、2025年10月10日のレート（1ルピア＝0.0092円）で換算したものです。

スカルノ・ハッタ国際空港の位置

スカルノ・ハッタ国際空港は、ジャカルタ中心部から約30km北西のバンテン州タンゲランに位置しています。以下では、スカルノ・ハッタ国際空港（特に第3ターミナル）からジャカルタ市内各地へのアクセス方法を紹介していきます。

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空港からジャカルタ市内へのアクセス方法①電車

スカルノ・ハッタ国際空港からジャカルタ市内へは、「空港鉄道（スカルノ・ハッタ空港線/Airport Rail Link）」が利用できます。始発となる空港駅はSHIA（Soekarno–Hatta International Airport Station）と呼ばれます。

ルート

空港鉄道は、空港駅を出発し、Batu Ceper（バトゥ・チェペル）駅、Rawa Buaya（ラワ・ブアヤ）駅、Duri（ドゥリ）駅、BNI City/Sudirman Baru（BNシティ/スディルマン・バル）駅を経て、Manggarai（マンガライ）駅で終着となります。KAIコミューターライン、LRT、MRTへの乗り換えには、BNIシティ駅が便利です。

所要時間と運賃

空港駅から各駅までの運賃とおおよその所要時間は以下の通りです。運行時間は6時から23時までで、30分間隔で出発します。途中駅間の乗車も可能です。

降車駅	所要時間	運賃
バトゥ・チェペル	12分	35,000ルピア（322円）
ラワ・ブアヤ	21分	35,000ルピア（322円）
ドゥリ	32分	70,000ルピア（644円）
BNシティ/スディルマン・バル	48分	70,000ルピア（644円）
マンガライ	56分	70,000ルピア（644円）

利用方法

チケットの購入方法

チケットは出発の7日前から出発1時間前まで、鉄道会社KAIのアプリ「Access by KAI」またはWebサイトで購入できます。

現地で購入したい場合は、空港鉄道の各駅に設置されている自動券売機を利用します。支払いはキャッシュレスで、QRIS（インドネシアの統一QRシステム）、クレジットカード・デビットカード、交通系プリペイドカード（Brizzi、Flazz、TapCashなど）が使用できます。現金には対応していません。券売機の場合、チケットは出発の5分前まで購入可能です。

【補足】
2025年6月より、Visaカードは、カードまたは連携するスマートフォンやスマートウォッチを券売機にかざすことで決済が可能になりました。

乗り場

空港鉄道の空港駅（SHIA）は、空港の第1ターミナルと第2ターミナルの中間に位置しています。そのため第3ターミナルからは、まず、ターミナル間移動用のスカイトレイン（無料）またはシャトルバス（有料/無料）に乗る必要があります。

スカイトレインの第3ターミナルの駅は、到着ロビーの上、出発ロビーの下に位置します。到着口からは「Skytrain」または「Kalayang（インドネシア語）」の案内に沿ってエスカレーターやエレベーターを利用し、駅を目指しましょう。

シャトルバスの乗り場は、出口を出て到着ロビーを左に進んだところにあります。

• 参考：Injourney AIRPORTS「KA Bandara」

電車のメリット・デメリット

空港鉄道でスカルノ・ハッタ国際空港からジャカルタ市内を目指す場合の、主なメリット・デメリットをまとめます。

メリット

• 渋滞の影響を受けず時間を読みやすい
• 清潔な車両で快適

デメリット

• 駅が少なく降車地が限られる
• 30分おきの運行と本数がやや少ない
• 現金決済不可
• 深夜・早朝は運休

ジャカルタの空港から市内へ行くのに電車を利用するメリット・デメリットはなんですか。

空港鉄道は渋滞の影響を受けず、定時運行なので、到着時間を読みやすい点がメリットです。ただし、停車駅が限られているため、駅から目的地まで別の移動手段を確保する必要があります。

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空港からジャカルタ市内へのアクセス方法②バス

スカルノ・ハッタ国際空港からジャカルタへ向かうバスでもっとも便利なのは、国有企業が運行するDAMRI（ダムリ）と呼ばれるシャトルバスです。道路が空いていれば、ジャカルタ各地まで1時間～1時間40分程度で到着します。

ルート

DAMRI

DAMRIは以下の目的地へ向かうシャトルバスを運行しています。他に、チカラン行き、カラワン行き、ボゴール行き、BSD行きなどもあります。行き先を確認してから乗車しましょう。

• Blok M（ブロックM）：南ジャカルタ
  ※古くからの日本人街がありショッピングモールやホテルが多数
• Gambir（ガンビル）：中央ジャカルタ
  ※長距離列車の発着駅あり
• Kampung Rambutan（カンプン・ランブータン）：東ジャカルタ
  ※バスターミナルあり
• Kemayoran（クマヨラン）：中央ジャカルタ
• Lebak Bulus（ルバック・ブルス）：南ジャカルタ
• Pasar Minggu（パサール・ミング）：南ジャカルタ
• Mall Kelapa Gading（モール・クラパ・ガディン）：北ジャカルタ
• KCIC Halim（ジャカルタ・バンドン高速鉄道ハリム駅）：東ジャカルタ
• Tanjung Priok（タンジュン・プリオク）：北ジャカルタ　※インドネシア最大の港
• Rawamangun（ラワマングン）：東ジャカルタ
• Transpark Mall Bintaro（トランスパークモール・ビンタロ）：南ジャカルタ

Bigbird

青いタクシーで知られるBluebird系列のBigbirdも利用できます。行き先は以下の通りです。ブカシのSummarecon Mall（スマレコン・モール）行きもあります。

• Mall Bassura（モール・バッスラ）：東ジャカルタ
• Blok M（ブロックM）：南ジャカルタ
• Hotel Borobudur/Gambir（ホテル・ボロブドゥール/ガンビル）：中央ジャカルタ
• Sarinah Thamrin（サリナ・タムリン）：中央ジャカルタ
  ※日本国大使館などが立地し、ビジネス街「スディルマン」に近いエリアのデパート

他にも複数のシャトルバスが出ていますが、多くはバンドン行きとなっています。

所要時間と運賃

DAMRI

スカルノ・ハッタ国際空港発のDAMRIバスは、6時から23時まで運行しています（ルートによる）。ジャカルタ各地行きのDAMRIは営業時間中、1時間おきに出発します。運賃は、距離に応じて8万～9万5,000ルピア（736～874円）です。

混雑時には満席になることがあるため、事前予約が確実ですが、空席があればその場でチケットを買って乗車できます。

Bigbird

Bigbirdのジャカルタ各地行きシャトルバスの運賃は、7万5,000ルピア（690円）です。

運行時間はルートにより8時45分～23時45分で、運行間隔は、モール・バッスラ行きが1～2時間、ホテル・ボロブドゥール/ガンビル行きが30分～1時間です。ブロックMとサリナ行きは時間帯によって3～4時間空くこともあるので、Webサイトなどでスケジュールを確認してみましょう。

• 参考：Injourney AIRPORTS「Bus」

利用方法

チケットの購入方法

DAMRIのチケットは、空港のバス乗り場の自動券売機で購入できます。支払いには、QRIS、クレジットカード・デビットカード、交通系プリペイドカードが使用できます。また、DAMRIのWebサイトやアプリでも購入できます。

Bigbirdのチケットも、空港のバス乗り場で購入できます。また、系列のシャトルサービスCititransのアプリやWebサイト、Travelokaなどの旅行予約サイトでも購入できます。

乗り場

スカルノ・ハッタ国際空港には各ターミナルにバス乗り場があります。第3ターミナルの乗り場は、税関通過後一番近い出口から左へ進み、横断歩道を渡った先にあります。横断歩道の目の前はタクシー乗り場で、そこから左端を目指すとバス乗り場が見えてきます。

バスのメリット・デメリット

スカルノ・ハッタ国際空港からDAMRIやBigbirdなどのシャトルバスを利用する場合の、主なメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

• 運賃が安い
• 座席指定・降車地直通
• 大きな荷物を預けられる

デメリット

• 渋滞の影響を受けやすい
• ルートや本数が限られる
• 現金決済が原則不可
• 深夜・早朝は運休

ジャカルタの空港から市内へ行くのにバスを利用するメリット・デメリットはなんですか。

スカルノ・ハッタ国際空港からDAMRIなどのバスを利用すれば、電車に比べて多方面にアクセスできます。ただし、降車地から目的地までタクシーに乗るとなると、想定したよりも費用や時間がかかる可能性があります。

空港からジャカルタ市内へのアクセス方法③タクシー

タクシーは、スカルノ・ハッタ国際空港各ターミナルからジャカルタまで、ドアツードアで移動できる、もっとも便利な交通手段といえます。

空港には複数の会社のタクシーが待機しています。1kmあたりの料金にあまり差はありませんが、不慣れな方は、信頼度の高さで知られる青い車体のBluebirdタクシーがおすすめです。

利用方法

乗り場

スカルノ・ハッタ国際空港第3ターミナルのタクシー乗り場は、建物の出口を出て向かって左へ進み、横断歩道を渡った先にあります。Bluebirdタクシーの乗り場はその正面付近で、発券機で番号札を発券して待ちます。番号はインドネシア語で読み上げられるため、不安な方は近くの係員に「この番号が呼ばれたら教えて」と依頼しましょう。

オンラインでは、Bluebirdのスマホアプリ「MyBluebird」またはGojekアプリから配車を依頼することもできます。アプリから注文した場合、メーター制と定額が選べます。

なお、出口を出て左側に進むと、横断歩道を渡る前に、Bluebirdの定額プレミアムサービス「Goldenbird」のカウンターと、電気自動車（EV）専用受付カウンターがあり、配車を依頼できます。

支払い方法

タクシーの支払いは多くの場合、現金、クレジットカード/デビットカード、QRISが利用できます。

現金の場合、運転手が釣銭を十分に用意していないとお釣りをもらいそびれるので、細かいお金を用意するのがおすすめです。お釣りが発生したらチップとして渡す（お釣りを受け取らない）ことも一般的です。高速道路（Jalan Tol）料金は、メーターで計算される料金とは別に請求されます。

• 参考：Injourney AIRPORTS「Taksi」

所要時間と料金のめやす

スカルノ・ハッタ国際空港第3ターミナルから中央ジャカルタまでは約30㎞の道のりで、スムーズなら1時間、料金は15～20万ルピア（1,380～1,840円）程度です。

Bluebird系列では、プレミアムサービス「Silverbird」は30万～40万ルピア（2,760～3,680円）、定額プレミアムサービス「Goldenbird」は車両により25万～60万ルピア（2,300～5,520円）程度となっています。

タクシーのメリット・デメリット

空港からタクシーでジャカルタ市内を目指す場合の、メリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

• ドアツードアの移動が可能
• 24時間利用可能
• メーター式・定額制/車両のクラスを選べる
• 現金・キャッシュレス決済に対応

デメリット

• 電車やバスに比べると費用がかさむ
• メーター式の場合、想定以上に料金が上がる可能性がある
• 渋滞の影響を受けやすい

ジャカルタの空港から市内へ行くのにタクシーを利用するメリット・デメリットはなんですか。

タクシー移動のメリットは、何といっても、空港から目的地まで直行できる点です。料金の計算方法や支払い方法、車両のクラス・大きさを選べることも魅力です。デメリットとしては、電車やバスに比べて費用がかさむことが挙げられます。また、混雑時は待ち時間が長いことや、ドライバーが英語を話せない場合があること、渋滞に巻き込まれるリスクがあることも、タクシーのデメリットといえます。

空港からジャカルタ市内へのアクセス方法④配車アプリ（Grab/Gojek）

インドネシアでよく利用されている、GrabやGojekなどの配車アプリで車を呼ぶ方法もあります（GrabCar/GoCar）。配車アプリの車は、配車時点のアプリ表示額が原則の定額制という特徴があります。

利用方法

スカルノ・ハッタ国際空港第3ターミナルのGrabCarやGoCarの乗り場は、Bluebirdタクシーの乗り場から左に少し進んだところにあります。他の配車アプリの乗り場もあるので、使用するアプリの看板を確認して車を待ちます。不明な点があれば、制服を着たスタッフに確認しましょう。

なお、出口を出て左へ進んだところ（横断歩道を渡る前）にもGrabとGojekの受付カウンターがありますが、そちらはプレミアム車両（GrabCar Premium/GoCar Luxe）専用です。

所要時間と料金のめやす

GrabCarやGoCarの所要時間と料金は、一般的なタクシーとあまり変わりません。スカルノ・ハッタ国際空港第3ターミナルから中央ジャカルタまでは、スムーズなら1時間、料金は15万ルピア（1,380円）前後。最安のメータータクシーよりやや高く、定額タクシーよりやや安いイメージです。アプリのクーポンやプロモーションコードを使うことで、より安くなる場合もあります。

使用するアプリによっては、プレミアム車両やEV車両も選択できます。人数や荷物の量によっては大きな車両を選択する必要があるので、注意しましょう。

支払い方法はタクシーと同じで、多くの場合は現金にもキャッシュレスにも対応しています。

配車アプリのメリット・デメリット

空港からジャカルタ市内を目指すのに配車アプリを利用する場合の、メリット・デメリットをまとめます。

メリット

• ドアツードアの移動が可能
• 24時間利用可能
• 定額制・タクシーよりやや安い場合が多い
• 車両のクラスを選べるものが多い
• 現金・キャッシュレス決済に対応

デメリット

• 渋滞の影響を受けやすい
• 原則、専用のアプリが必要
• サービスの質にばらつきがある

ジャカルタの空港から市内へ行くのに配車アプリ（Grab/Gojek）を利用するメリット・デメリットはなんですか。

配車アプリの車を利用するメリットは、ドアツードアの移動が可能な利便性と、定額制の料金システムです。一方で、待ち時間が発生する可能性や、渋滞に巻き込まれるリスクがデメリットです。Bluebirdなど一般的なタクシーに比べると、教育が足りない、または不慣れなドライバーも一定数おり、空港のピックアップポイントにスムーズに到着できない、荷物の積み下ろしを手伝ってくれない、態度が悪いなどのトラブルが時々起こることも、懸念点です。

空港からジャカルタ市内へのアクセス方法⑤専用送迎サービス・ホテルカー

利用方法

ホテルの送迎サービスは、ホテルの予約と同時、またはその後個別に問い合わせて手配します。ホテルに送迎サービスがない場合は、旅行予約サイトから出発地・到着地を指定して手配することもできます。

料金のめやす

スカルノ・ハッタ国際空港各ターミナルから中央ジャカルタまでの送迎サービスの相場は、20万～40万ルピア（1,840～3,680円）程度です。相乗りの場合は比較的安く、プライベートサービスやプレミアム車両は高くなります。

専用送迎サービスのメリット・デメリット

空港からジャカルタ市内を目指すのに専用送迎サービスを利用する場合の、メリット・デメリットをまとめます。

メリット

• ドアツードアの移動が可能
• 24時間利用可能（提供元による）
• サービスの質の高さ
• 予約可能・料金が明確

デメリット

• 渋滞の影響を受けやすい
• タクシーよりも高くなる場合が多い
• 直前の手配が難しい

ジャカルタの空港から市内へ行くのに専用送迎サービスを利用するメリット・デメリットはなんですか。

専用送迎サービスのメリットは、ドアツードアの利便性と、サービスの質の高さです。到着ロビーの出口付近まで迎えに来てくれることが多く、自分で車を探す必要がありません。デメリットとしては、予約制のため直前の対応が難しい点や、キャンセル条件が厳しい場合があることが挙げられます。

映像でみる空港からジャカルタ市内へのアクセス

ジャカルタ・空港鉄道の乗り方

こちらの動画では、スカルノ・ハッタ国際空港第3ターミナルから空港鉄道に乗る方法が紹介されています。

まずはスカイトレインで空港鉄道の駅へ移動します。スカイトレインの駅から空港鉄道の駅まで少し歩きますが、「Stasiun Kereta/Train Station」の案内に従えば、迷わず到着できます。その後、券売機で自分が乗る電車の出発時間を選び、キャッシュレス決済でチケットを購入。電車が来るのを待ちます。

降車駅では、MRTやLRTに乗る、タクシーに乗るなど目的に合う出口を選んで進みましょう。なお、空港鉄道のチケットは降車駅を出る際にも使うので、なくさないようにお願いします。

スカルノ・ハッタ国際空港第3ターミナルのタクシー乗り場案内

こちらは、スカルノ・ハッタ国際空港第3ターミナルの出口からタクシー乗り場まで移動する様子を紹介した動画です。

Bluebirdタクシーや配車アプリのプレミアムサービス専用カウンターを通り過ぎ、横断歩道を渡ると、一般のBluebirdタクシーの乗り場があります。券売機で番号札を取ったり、乗客を案内したりするため、スタッフが配置されている様子もわかります。ここから左へ行くと、配車アプリの車の乗り場や、バス乗り場があります。

目的と状況に合わせた選択を

スカルノ・ハッタ国際空港からジャカルタ市内へは、目的地や時間帯によって最適な移動手段が変わります。

電車は渋滞の影響を受けず、時間が読める点が最大の強み。一方、停車駅が限られるため降車後の移動計画が必要です。バス（DAMRIなど）は運賃が安くルートも多様ですが、道路状況に左右されやすく、所要時間にばらつきが出ます。

タクシーや配車アプリはドアツードアで便利な一方、道路状況によって所要時間や料金が左右されるリスクがあります。ホテルなどの専用送迎サービスは、費用はかさみますが安心感と快適さを重視する人に最適で、事前予約で確実に移動できるため、ジャカルタが初めての方にもおすすめです。

出発時刻、行き先、同行人数、荷物の量、予算を考慮し、状況に合わせて最適な方法を選びましょう。

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